木爾チレンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
あとがきによると、この小説は映画『アマデウス』へのオマージュとして書かれた作品だそうです。
作家の東山冴理と白川天音。
それぞれが語るお互いへの思い、嫉妬と憧れが入り乱れた様子に、わかるような気持ちもあり、夢中になって読みました。
前半と後半では、白川天音の印象がガラリと変わり、思い込みは怖いなと思いました。同じ台詞が心情を知ることで、ここまで意味合いが変わるのかと驚きました。
あとがきと町田そのこさんの解説を読んで、小説を書くことが仕事になる大変さは、読者の私が思っているよりもずっと大変なことだとわかりました。
「才能を信じて生きた、ふたりの女性作家の光と陰」が描かれた傑作でした。 -
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Posted by ブクログ
話題の作家さんで気になっていて、この作品が初でした。凄い。もう1ページ目から面白い。そして読みやすくて一気に読んでしまった。あとがきで読者に伝わりやすい言葉を心掛けていると書いてある通り、読みやすくて繊細で綺麗な文章だった。
明るい話ではないはずなのに、淡々と進み上がり下がりが激しくない為か暗くなり過ぎなくて頭にスッと入ってくる。
視点の変化で悪人だと思っていた相手が善人になる。良くある設定なのに何故か嫌な感じがなく受け入れられる。
そして作家という立場で味わう苦痛や絶望感を描いてある為、興味深さもあり感動した…。
この作品は本編と共にあとがきや解説も含め凄く良い作品だった。 -
Posted by ブクログ
エンタメとしてとても楽しめた!
設定的に無理があるような…と感じる部分も無かったわけではないけど、最初から引き込まれてどんどん読め進められ、最後まであっという間だった。
付箋を貼るような箇所は無かった(素敵なフレーズや表現には付箋を貼る派)けど、“あっという間だった”と感じるほどの筆力はあっぱれ!
「いじめ」って難しい。知らないふりも罪になるのは肯定するけど、じゃあ知ってしまったら何ができるんだろうか…?信じられる大人もいない状況では子どもには難題すぎる。だからこそ、いじめた人間がちゃんと罰を受けて、その後はカウンセリングなりケアなりを受けるべきだと思う。人権がどうこうって守ってる場合じゃない -
Posted by ブクログ
序盤で結末は想像できてしまったけど、この物語は結末ではなくてそこに至るまでの過程に価値がある。
テーマは「作家の痛み」なのだろうけど、その痛みは氷だ。ヒビだらけの水晶のような氷だ。息を吹きかけたら崩れてしまう繊細な氷の球。
だからこそページを捲るこちらの指先が冷たくなっていく。
あとがきで「文学は難解であることの方がいいと思っていた」(意訳)と書かれていて、「ああ、この人は、この痛みをもっと生々しく、読む人の目を伏せさせる程の表現力で書けるんだろうな」と勝手に思った。
でもそうしなかった。そうしてしまうと、この痛みは痛みとして読者に届かないから。だから割れかけの氷のように書いたんだろ