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小説を書くことに翻弄される二人の女。
どうしようもなく背負ってしまう因果。
無傷ではいられないのに、
それでも私は書き続けるのだ、
という覚悟。
そのすべてを封じ込めた物語を
チレンさんは書いてしまった。
――――窪美澄(作家)
彼女は己の何もかもを削ぎ落しながら、
美しく繊細な物語を紡ぐ。
そうして生まれた作品は眩いばかりの光を放ち、
同時に深い闇を孕む。
この作品は、まさしく木爾チレンそのものだ。
――――町田そのこ(作家)
窪美澄さん、町田そのこさんも激賞!!
一気読み必至!! 2023年の大本命!!
最旬にして俊豪・木爾チレンの真骨頂、
深き心の闇に愛憎蠢くヒューマンミステリー!!
女にだけわかる、狂気。
過剰な嫉妬は、やがて強大な殺意へ…。
若くして小説家デビューを果たし、その美貌と才能で一躍人気作家となった東山冴理。
しかし冴理は人気絶頂のさなか、突然、筆を断った――。
やがて三十年の時が経ち、冴理のもとに、ひとりの女性編集者が執筆依頼に訪れる。
「私には書く権利がないの」そう断る冴理に、
「それは三十年前―白川天音先生が亡くなったことに関係があるのでしょうか」編集者は問う。
「あなたは、誰かを殺したいと思うほどの絶望を味わったことってあるかしら」
――そして、この時を待っていたというように、冴理は語り始める。
高校文芸部の後輩、白川天音が「天才小説家」として目の前に現れてから、
全ての運命の歯車が狂ってしまった過去と、その真実を……。
希望と絶望、 羨望と嫉妬……
これは、ふたりの女性作家が、才能を強く信じて生きた物語。
すべてを読み終えたあと、
あなたはタイトルに託された"切ない意味"を知り、
ぎゅっと、胸を締め付けられる。
ヒット作『みんな蛍を殺したかった』の俊英女性作家による、
1年ぶりの書き下ろし長編小説。
満を持して、待望の最高傑作、降臨!!
Posted by ブクログ 2024年04月16日
立場によって見え方は人それぞれ全く変わってしまう。本を読んでいて既に何度思い知らされたことか。
それでもまた、この本にそんな事実を突きつけられてしまいました。
例えば、天才が出てくるからタイトルは「神に愛されていた」だなんてどうなのかなと読む前の何も知らないときには思っていたんですが、段々と、ここ...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年04月07日
なんて切なく優しさに溢れた物語なんだろう。2人の天才作家、冴理と天音の物語がそれぞれの章で綴られていくわけだが、冴理の章を読み終え、天音の章を読むと、今まで自分が描いていた事実が一変し、なんで、どうしてと、もどかしく思わずにはいられなかった。
天才作家、冴理は人気絶頂期の中、突然筆を絶ってしま...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年04月03日
読みやすくて一気読み!
著者が「私はこの小説がとても好きだ」と、あとがきで書かれてたけど、私も好きだった〜\♡︎/
せつないけど、面白かった!
羨望、嫉妬、焦り、、才能ある若い二人の女性作家をめぐる愛憎劇。
物語を生み出すって、ほんとに身を削るほど大変な事なんだろうな。
物語は前半は冴理の視...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年01月27日
すんごかった。最後の一文が目に入った瞬間にトリハダが立って「うわぁ、すごい。」と言葉に出た。
漫画にも映画にもできない、この面白さは読書ならではだと思う。
全てが計算し尽くされていたし、読み進めながら何度も振り返りに戻った。戻るたびに、自分が何気なく読み進めた文章が際立って、遠い稲妻のように光った...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年03月25日
学生の頃から作家になることを夢見てた冴理。新人賞を受賞し順風満帆といったところに現れた高校・大学の後輩で、同じ新人賞を受賞した天音。
天音が現れてから何もかもが上手く行かなくなり、嫉妬の感情を抱き、殺してしまいたいとまで…。
前半は冴理、後半は天音の視点で話が進んでいく。
あの時にひとこと気持ちを伝...続きを読む
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