木爾チレンのレビュー一覧
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ネタバレ著者も記載している通り、いわゆる「メンヘラ女子」
(※若き女子の恋愛における情緒不安定さの意味とある。)が主人公の作品が多く、そういう感情なのか、と、登場人物の心に入り込むような感じがした。
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人は、ひとりでいる時間が長いと、心が縮んでいく。誰のことも受け入れる必要がないから、心はひとり分でいいと、自分に言い聞かせて、どんどん小さくなる。
糸川だけが、他人が遊びに来るような世界を持っていることに、私がどれだけ嫉妬しているか。
私という人間は時々、いちばん好きな人に、うんと酷いことをしたがる。なぜだろう。淋しいからかも -
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「二人一組になってください」
本書を読み終えた今、この言葉が恐ろしく感じられる。
いじめ問題は、どの学校にも存在する。
近年はSNSの普及によって、いじめの形がより見えにくく、そして深刻化しているというニュースをよく目にする。
では、いじめはどうしたらなくせるのだろうか。
いじめだけでなく、学校や職場に存在する「カースト」のような序列構造も、人が集まる以上、避けられないのだろうか。
本書は女子校を舞台に、「二人一組になれなかった生徒」に対し、コサージュの仕掛けが作動して制裁を与えるというデスゲームである。
他のデスゲーム作品と同様に、極限状態では人間の本性がむき出しになる。
特に、余裕のあ -
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ネタバレ・クラスカーストって、意識するしないに限らず、現実として必ずありますよね
・そして、基本的には自分がどのあたりに位置するのかって、主観的にも客観的にもわかっちゃうものでもある
・バトル・ロワイアルものが大好きなのですけど、このゲームのルールって複雑そうで実はシンプルでもあって、でも読んでて最初はその構造に気が付かなくって。
・その確信みたいなゲームの重要な攻略法が途中で明かされるのだけど、ちゃんとそれに気がついている人がいたり、まったく気がついてなくて死んじゃう人もいて、それもまたその人のカーストを考えるとそりゃそうだよなと思ったり。
・複雑な推理や頭脳戦みたいな展開があるわけではないから、全 -
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毎日暑いですね〜
毎日こう暑くちゃ嫌になっちゃいますね
そんなとき、暑い夏にぴったりの表紙の本を見つけました
木爾チレンさんの『夏の匂いがする』です
JKがプールに足をつけて涼しそうですね〜
OSの1Qさんも一緒に足をつけて涼しんでみようかな〜
(OSはもちろんおじさんの略ね)
あっ!だめか、、、
OSの足はちょっと見苦しいか、、、
すね毛が生えた足は表紙には映えないか、、、
いや、待てよ!
1Qさんの足ならギリいけるか
アタシ、意外と足の毛は薄いのよ
すねには生えているけど、ふくらはぎには生えてないのよ
ツルっとしてキレイなのよ
ワンチャンいけるか
ま、最近の男の子は毛を剃 -
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2007年、京都の女子校に転校してきた七瀬 蛍。誰もが羨むような美少女は生物部に入部する。そこは「オタク」と呼ばれる女子3人が集まる場所だった。
蛍の入部後、それぞれの人生の歯車が狂いだしていく。
それぞれが、どうしょうもなく劣悪な環境やコンプレックスに深く傷つき、生きていくことを諦めているが、その反面、愛されたい。可愛くなれれば、、、という願望が強く、そして、少し自己中心的で少し稚拙。
ある意味、女子校生の一面を描くのが上手いなぁと思った。「自分が中心で自分の周囲が世界のすべて」のような、あの感じ。
結局、自分自身の持つ怒りや悲しみは、生い立ちや環境、コンプレックスも絡み、他人には十分に -
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★3.4
「二人一組になってください」。卒業式直前の教室で、突如始まったゲーム。しかし、この指示には厳格なルールが存在し、余った者は“失格”。
序列がそんなに好きなら、好きなだけその世界にいればいい。
本書はデスゲームものの体裁を借りながら、教室という狭くて広い世界で、普段見逃しがちな"見えにくい暴力"に迫っていく。
まずは与太話。
巷に溢れるインドカレー屋。そのスタッフの多くが実はネパール人であるらしい。
本場インドのカースト制度は細部まで厳密に区分されているから、海外でインドカレー店を営むのは柔軟に働けるネパール人が多くなる。それくらい、序列に縛られた社会は不自由