ドミニク・チェンのレビュー一覧
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デジタルテクノロジーは私たちの生活に深く浸透している。人と人をつなぎ、知識を拡張し、より便利に、賢く生きることを可能にしてきた。では、テクノロジーは人々を幸せにしているだろうか?この問いに技術者として答えるには、そもそも幸せとは何か?幸せかどうかをどうやって評価するか?が分からないと難しいだろう。
著者は、心理学、神経科学の研究を根拠として、人の幸せにテクノロジーが貢献するための設計理論の構築に挑戦している。具体的には、ウェルビーイングの因子として、ポジティブ感情、没頭、自己への気づき、レジリエンス、マインドフルネス、感謝、共感、思いやり、利他行動を挙げ、それぞれの理論、文献、方法と尺度に整 -
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対談のおもしろさは、本音が 漏れてくることである。
人工知能について、あれこれ言われているが、
結局 人工知能とはなにか?が 人によって
まったく認識が違い、その認識が違うままに 論議されて
混乱していると言うのが 現状なのである。
シンギラリティとは、技術的特異点ということであり
人間の知能、知性を 人工知能が超えることになる。
計算機などは 人間を超えた計算ができ
チェス、将棋、囲碁は 人工知能が 勝っている。
ある意味では シンギラリティが いくつかの分野で
超え始めているが、本当に 人間の知能や知性を超えられるのか?
人工知能と言っているのであって、人工知性と言っていないことが
重 -
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おもろい。ドゥルーズの「脱・領土化」(書くことは既知と無知を橋渡しすること)や「環世界」(生物はそれぞれの感覚に基づいて世界を構築している)、ラカンの無意識と言葉等々、私の好きそうな概念がたくさん出てくる。
人間の表現、芸術表現だけでなく全ての出力は、その人が世界とどのように接合しているか、どうつながろうとしているか(野合という言い方は言い過ぎか)に触れることで、人間としてだけでなく、一人ひとりに環世界があるというのは、とても楽しい。
時にそれが軋轢になったりすることあるやろうけど、眩し過ぎたり色彩が爆破するよう感じでもある。
ある表現が互いに影響を与え合い、おわりがはじまりとなる。
言葉と言 -
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ネタバレとてもおもしろい一冊
メモ
・人間の歴史は制御の歴史。私のウェルビーイングのためにあなたのウェルビーイングみたいな考え方
・わたしのウェルビーイングの対象領域を他者や社会、自然まで含むわたしたちに広げること
関係者として他者や社会、自然まで含め、わたちしたちとしてのウェルビーイングを実現することが重要
・ウェルビーイングとはよく生きるということ
・環境要因と心理特性があり方に働き、体験につながる
⭐︎自己決定理論では、自律性、有能感、他者との関係性の3つが重要
⭐︎ギャロップ社、仕事と日常のバランス、友人家族の存在、経済状況、身体の健康、地域とのつながりがウェルビーイングの環境要因
・わた -
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謎床という言葉に惹かれて買った。
知の折り重なったところには、何かしらの菌が作用して、発酵が生まれるよな。それが腐るの方向ではなくて、醸す方向に進んだときに、面白いことが生まれるよな。と感じた。
ここに書いたのは書籍の内容はあまり関係なく、斜め読みをして感じたこと。
この本はかなり複合的な知識の上に成り立っていて、お二人の対談形式で進んでいます。プロットはあるだろうけど、知が知を生んで、また別の知に移り変わっていきます。なので読みやすさはありますが、読者の知も要求されます。そういう意味でとても興味深く引き込まれました。
とにかく糠床を作ろうと思います。 -
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(2017/8/23)
凄く興味深いテーマだと思うのだが、
残念ながら私には消化できなかった。
レベルが高かった。
次元が違った。
第1章 僕たちは「胡蝶の夢」を見られるか?
(インターネットの話をする前に、ネットワークについて
編集少年の昆虫採集×ファミコン少年のドラクエ
タイプライターはこれでよいのか問題 ほか)
第2章 シンギュラリティを迎える前にやっておくべき、いくつかのこと
(人工知能の現在
デザイン・フィクション
かつて世界はどのように解釈されていたか ほか)
第3章 発酵と腐敗のあいだで―フラジャイルな創造はどのように生まれるのか
(アメリカ大統領選は崩壊 -
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ネタバレ「未知の領域へ向けて足を踏み出す動き以外に、新しい知識は獲得できないし、自らの立つ領土の輪郭を認識することもできない、ということだ。」という文章が強く心に残った。
SNSをしていると自分の好きなものに関しての意見がたくさん流れてくる。好きで大事なものだからこそか、自分とは反する意見に一次感情としてもの凄い不快感を覚えることが多くあった。しかしその意見を見たことで自分の中で相手の認識と自分の認識を整理し、最終的に同じ考えにならなくとも自分の考えを深めて確立できたことも多かった。
自分と違う考え・違う感覚を咀嚼するのは大事なものほど今の私には気力が要るが、そこに触れることで生まれる広がりもあるよ -
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本屋でセイゴオさんの本を見かけ購入。浅学でドミニク・チェンさんのことは存じ上げなかった。
チェンさんがセイゴオさんの「空海の夢」に没入したとあり、ドキリとする。前に読んだが、歯の立たなかった本。
二人の対談は最初ITコミュニケーションの進化についてなのだが、ヘルメティックとかアフォーダンスとか、知らない言葉が出てきて、PCで検索すること数度。現代の知性に触れるには勉強不足だと自覚した。
(引用)
松岡:自分の認知と対象とのあいだに場所を空けておくということかな。それこそエピジェネティックな風景の中に置いておくという感じですね。ただし、いつでもそこに向かえるようにしておくわけです。そうした仕掛 -
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またしても超相対性理論を聴いてたら、
なんだか妙に気になってしまったのでポチった本。
娘の出産に立ち会った際の鮮明な感情をきっかけとして、言葉や表現について、言語やコミュニケーションの歴史や変遷を織り込みながら、自身の半生を振り返りつつまた自身の未来を繋いでいくことに対する想いについて語る、という内容…かな。
まとめるのめちゃくちゃ難しい。
とにかく誰かに自分の中にあるナニカを表現するのは難しいね。
それが読んだ本の、単なる内容であっても!
さて、さらに難易度が上がってしまう
この本を読んだ感想なんだけど、
日本国籍の母親と、台湾出身でベトナムとのハーフで日本に留学しフランス国籍をもつ父