ドミニク・チェンのレビュー一覧

  • ウェルビーイングの設計論 - 人がよりよく生きるための情報技術

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    ポジティブ・コンピューティングというものは複雑だ。それは人間というものが本質的に複雑であるから、致し方ないことでもある。
    それゆえ、背景から課題まで丁寧に記述された本書もいささか難解だ。ある要素を突き詰めればよいというものではなく、スイートスポットを探るような繊細なふるまいがもとめられるのだ。
    共感と思いやりの違いにはなるほどと膝を打ったし、幸福で満たされた者は害をなさないからこそ、いま害を持っている者も幸せになるべきだという主張は目からウロコだった。

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    2021年09月02日
  • わたしたちのウェルビーイングをつくりあうために その思想、実践、技術

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    わたしたちのウェルビーイングをつくりあうために

    最近、仕事でウェルビーイングに関連する講師を行うことになったため、手に取ったが、どちらかというとウェルビーイングを通じて日本文化やコミュニティ論を掘り下げている印象であった。
    ウェルビーイングにとって、他者との関係性が重要であるという前提のもと、西洋的な個人をベースとしたウェルビーイングではなく、他者との関係性やコミュニティを基盤とした東洋的な枠組みでウェルビーイングをとらえ直そうということが、本書の問題提起である。
    そうした問題提起から、多くの人々と〇〇×ウェルビーイングというテーマでコラムのような文章が集合している。
    前半に語られているウェ

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    2021年05月04日
  • わたしたちのウェルビーイングをつくりあうために その思想、実践、技術

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    わたしではなく、あいだの関係や、わたしを超越したわたしたちのウェルビーングを考える。それは日本的なウェルビーング、「和」としても見れる。

    わたしではなく、わたしたち。弱さを引き出したり失敗を認める環境を作ったり、ネットワークをつくったり、目指すためのさまざまなアプローチは参考になる。特に弱いロボットは示唆がある

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    2021年02月20日
  • わたしたちのウェルビーイングをつくりあうために その思想、実践、技術

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    ウェルビーイングはすでに使われて久しい概念だが、あくまで個人差がありながら、その個人のためにどういう働きかけが必要かというところに重点が置かれてきた。一方で、アジアの儒教的な、禅の概念、神道の概念などからすれば、個人の幸せ=すべてではないということから、他人との関わり合い、つまりわたしたちが享受する個人としてのウェルビーイングに焦点を当てている点が新しいと言えよう。個人の努力で成功を掴むイメージしかない欧米に対して、中国や日本では福という単語を使う通りラッキーなもの、つまりは行いが良かったから引き寄せられたものと捉える。ウェルビーイングを身体的にも精神的にも、そして社会的にもよい状態を指すとい

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    2020年06月27日
  • 【新版】UI GRAPHICS - 成功事例と思想から学ぶ、これからのインターフェイスデザインとUX

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    UIデザインの哲学と事例が詰まった一冊。あらゆる視点・論点で「連続性」が重要だと語られている。Fluid Interfaceは全てが繋がっているような動的な体験をつくる。そもそも道具は身体的な、精神的な延長としての役割を担う。サービス設計の影響力は大きくユーザーのwell-beignまでを考慮する必要がある。ユーザーを正しく誘導するような制約・導線を設計し、「めんどくさい」の暴力から守る。これらを実現するためには、他者の行為や思考を徹底的に分析し、前提条件のズレを修正・操作することが肝要である。

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    2018年12月26日
  • 人工知能革命の真実 シンギュラリティの世界

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    東京大学特任教授中嶋秀之氏と早稲田大学准教授ドミニク・チェン氏が行ったAIと人類の未来についての対話。
    歴史から現在、そして未来に向けて、AI以外のIT、脳科学、哲学、SF等縦横無尽に飛び交う話がとても刺激的です。
    また、「人間の認知を超える複雑なプログラムを書こうと思ったら細部はもうAIおまかせにして、人間は全体の構造を考えるようにしないといけない」との一節が正にわが意を得たり、これがメタプログラミングへと向かうITの未来なのだ。

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    2018年03月03日
  • 未来をつくる言葉―わかりあえなさをつなぐために―(新潮文庫)

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    共話というアイディア
    「今日の天気さあ」「うん、気持ちいいね」
    全部言わなくていい
    ぬくぬくとこたつでくつろぐようなコミュニケーション

    対話(ダイアローグ)と異なる概念。そこに優劣はないが、日本語のコミュニケーションの特徴の1つを成すアイディアらしい。

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    2025年05月03日
  • 未来をつくる言葉―わかりあえなさをつなぐために―(新潮文庫)

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    柔らかく書かれているようでいて、とても深いので、数年後にまた読み直したらいろいろなことにもっときづけそうな本。モンゴルの話がとても良かった。

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    2024年05月18日
  • ウェルビーイングのつくりかた 「わたし」と「わたしたち」をつなぐデザインガイド

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    最初はゆらぎ、ゆだね、ゆとりの解釈が難しいなと感じたが、具体例とともにゆらぎ、ゆだね、ゆとりそれぞれがどのように作用されているか章末にまとめられていたので読み進めながら徐々に理解が深まっていった。自分はデザインに携わる者ではないが、人と働く全ての人に学びがある一冊だと思う

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    2024年02月29日
  • ウェルビーイングのつくりかた 「わたし」と「わたしたち」をつなぐデザインガイド

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    ウェルビーイングの興味のきっかけとしてはブータンが1970年から唱えているGNH(国民層幸福量)の考え方で、経済成長だけではなく国民の幸福をバランス良く追求しようとするもので、GDPに代わる指標になり得る

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    2024年02月11日
  • わたしたちのウェルビーイングをつくりあうために その思想、実践、技術

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    社会的動物らしくしようよってことかな
    徒党を組んでも幸せになれないじゃないか!なら私個人が!ってなってしまう原因(資本主義システムと経済停滞、ICTの盲目的利用など)にもメスを入れる必要がある気がする。「わたしたち」でいたとして、それでも旨みが回ってこない層へのケアをもう少し考えてみたいと思った。

    まあ何にせよウェルビーイングがバズワード化し、それ自体が注意経済・資本主義に組み込まれないことを願うばかりです。

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    2023年05月13日
  • 未来をつくる言葉―わかりあえなさをつなぐために―(新潮文庫)

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    言葉が難解過ぎたが、それでも不思議と読み進んだ。しかも、久しぶりの高熱で寝込んでいるときに。ゆっくり噛み締めながら読むのが良いかと。

    私は主題は「言葉」よりコミュニケーションと理解した。
    「そもそも、コミュニケーションとは、わかりあうためのものではなく、わかりあえなさを互いに受け止め、それでもなお共に在ることを受け入れるための技法である」(220ページ)

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    2023年05月13日
  • 未来をつくる言葉―わかりあえなさをつなぐために―(新潮文庫)

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    うーん、私にはかなり難しくて、
    「何がわからないのかわからない状態」で読み進めた本となりました。

    ただ、内容をしっかり理解して自分に落とし込めるというより、感覚的に理解をして自分の中にじんわりと温かさが拡散していくような印象を受けました。

    筆者がこの本を執筆するにあたっての
    人生をまとめることなく、流れるように書かれている作風だったので、読んでいるはずなのに読み飛ばしていることが多くなってしまって、
    私には不得意な作風でした。

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    2023年05月06日
  • 未来をつくる言葉―わかりあえなさをつなぐために―(新潮文庫)

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    会話に関する哲学の本を読んでいるので、いま自分の意見を述べるのは控えたい。いろんな本を読んで、書いてあることの共通項を見つけ出したいので。

    ひとつ言えるのは、著者がトリリンガルで、そこから得た自分の経験を元に述べている。その為、エッセイっぽい感じだった。

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    2023年02月21日
  • 未来をつくる言葉―わかりあえなさをつなぐために―(新潮文庫)

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    コミュニケーションにおける、わかりあえなさ。

    他者との共存。共話。

    ぬか床の話がなんだか沁みた。あと娘にフランス語を習得させる話と、モンゴルの新婚旅行の話はなるほど、という感じ。

    自伝的な文書なのでテーマがわりとあっちこっちするけれど、色々考えながら読める。

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    2023年01月01日
  • RE-END 死から問うテクノロジーと社会

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    死生観は時代と共に変わるものなので、今生きている人たちが死後CGで作られて何かに使われることに対して、良い気がしないというのであればそれがやっていいところとそうでないところのラインなのだと思います。
    テクノロジーの進化の前に、死が身近でなくなっているから、CG作ったりマインドアップロードとかそういう発想になるのかなぁと。
    技術の進化はそれはそれで出来ることが増えるのはすごいけど、ひとの気持ちや歴史も踏まえた上で取り入れないと道を踏み外しそうなこわさがあるなと思いました。
    しりあがり寿さんの漫画は短いながらもゾッとしました。

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    2022年02月13日
  • わたしたちのウェルビーイングをつくりあうために その思想、実践、技術

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    近年、社会的な注目を集めつつある”ウェルビーイング”。この概念の発祥地である西欧の個人偏重型とも異なり、個人間の関係性を重視するような日本特有の”ウェルビーイング”について考察しつつ、その実践をさまざまな観点からの考察をもとにまとめた多面的な論考集が本書である。

    実践のためのアプローチは、IT・情報技術、人と人とのつながり、法律・社会制度など多岐にわたっており、特にIT・情報技術を用いていかに人々に対して自己効力感などを自然に与えるか、というような介入の研究アプローチは、自身が知らないものもあり、面白く感じた。

    また、ラストは実際に著者らが行なっている”ウェルビーイング”を考え、そのために

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    2021年05月04日
  • 謎床

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    新しいアイデアを探している人には、
    インスピレーションを与えてくれるかもしれません。

    「見立て」や「Qを出すコンピューター」など
    ヒントとなる内容が随所にあります

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    2020年12月31日
  • わたしたちのウェルビーイングをつくりあうために その思想、実践、技術

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    自分がウェルビーイング(幸福感)を感じる瞬間を3つあげよ!
    と冒頭にあって、私は、
    ①風呂上がりに、アイスを食べながら扇風機にあたっているとき
    ②ゴルフでナイスショットがでたとき
    ③読書について仲間と見解を深めているとき
    とあげました。

    仕事がでてこない・・・。仕事は自分的には超やりがいのある、最高の仕事だと思っています。ですが当たり前すぎちゃって浮かばなかったのか、”瞬間”というキーワードに引っ張られて浮かばかなったのか・・・。何故だ!!!

    さておき、上げた3つは、「個人」、「個人」、「仲間」の組み合わせ。
    仲間が幸せであればその組織が幸せになるし、その組織が幸せであれば、自分自身も幸せ

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    2020年06月08日