土方奈美のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
PEファームの雄「ブラックストーン」の設立から現在までを、
プライベート・エクイティ業界およびLBOの歴史とともに、
ブラックストーンと創業者のシュワルツマンを軸に描いている。
バブル~リーマンショックまでの約30年間を、
金融を絶対悪のように描くルポや小説も多い(ほぼ100%)中で、
PEファームを軸とした本書は、非常に新鮮な感じを受けました。
本書にも度々登場する「野蛮な来訪者-RJRナビスコの陥落」の
プロローグでもあり、その後日談として読むこともできるかな…。
金融の知識がある方であれば、非常に興味深く読めると思います。
1つのディールに群がった様々な人々の泥臭い駆け引きが描かれた
「野蛮な来訪者」とは異なり、歴史をトレースしているだけなので、
小説としては、「野蛮な来訪者」の方が面白かったかも…。 -
Posted by ブクログ
恥ずかしながら、プライベートエクイティって何?というレベルで読んだけど、むしろ非常に興味深く読めました。
どうもイメージで「乗っ取り屋」とか、「短期的利ざや稼ぎ」のように勝手に決めつけがちだけど、実際に投資先のうち2年以内に売却されるケースは全体の12%しかないことや、58%のケースでは保有は5年以上に及ぶというから驚きました。
確かにIPOや売却によって利益を得ることが目的ですが、企業の抜本的改革に取り組んだり困難な戦略を実行し体質改善する等、PEが買収することによって企業価値を高めたケースが色々と紹介されていた点も非常に勉強になりました。 -
Posted by ブクログ
会社づくりは、結局「人」から始まるのだと思う。
最高のビジョンがあっても、最高の人材がいなければ意味がない。逆に、正しい人が集まっていれば、最初のアイデアや戦略が間違っていても修正できる。ピクサーの事例などを読んでいると腹落ちする。
特に面白かったのが、
・「何をするか」より「誰とやるか」
・「人をどう動かすか」より「どういう人を集めるか」
・「戦略をどう作るか」より「変化しても戦える人材と文化をどう作るか」
という順序感。
戦略、人材、組織文化を別々のテーマとして考えがちだが、本書ではかなりつながっている。正しい人を集め、その人たちが頼り合える文化を作り、共通のビジョンを持ち、そこから戦略と実行につなげていく。強い会社とは、個別の施策が優れているというより、この一連の構造が噛み合っている会社なのだろう。
「重要ポストの90%を正しい人材で埋める」という考え方もかなり刺さった。席を埋めることと、正しい人が座っていることは全く違う。
個人的には、AIによって事業や仕事の前提がどんどん変わる今だからこそ、「正しい戦略を当てる」こと以上に、「何が起きても考え直せる人と組織を作る」という本書のメッセージは、以前の時代よりも重くなっているように感じた。
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▼個人的に印象深かった問い
・重要なポストに、本当に正しい人が座っているか
・戦略が変わっても、一緒に戦いたいと思える人を採用しているか
・会社の価値観は、言葉ではなく日々の意思決定に表れているか
・自分自身は、組織の成長に合わせてアップデートできているか -
Posted by ブクログ
すべての職業人に関係する、プロダクト作りのすべて。
LLMやエージェントが普及する世界でも、変わらない本質。
プロダクトをつくり、売り、育てるために必要なことが、恐らく全て書かれている。
プロダクトと言うと、SaaSや実体のある製品を思い浮かべるかもしれないが、それはサービスも含まれる。
その意味で、全ての職業人に関係する。
この本は自己啓発書ではない。
かといって、ノウハウが書かれたビジネス書でもない。
経験を踏まえた反省からなるティップスとその心構えについて書かれている。
これを私が読んですぐに使えるか?と言われれば、そうではない。
経営陣でも創業者でもマネージャーでもないから。
その意味で、読むタイミングが早かった気もする。
しかし、これを読む必要に迫られたときには、この心構えから入るような本を読むのはまどろっこしく思うだろう。
そもそも余裕がないと思う。
その意味で、今余裕のあるときに読んどいて良かったと思う。
私はプロダクトマネージャーだが、LLMとエージェントの普及によって、プロダクトマネージャーはなくなりはしないが、人間なら割と誰でもできるようになると思う。
そんな世界でも、「何を、誰と、何故つくるのか?」という問いはプロダクト作りでなくなることはない。
むしろ重要性は高まるだろう。
そんな世界でも役立つ本だと思う。
最後に、こんな風に仕事に燃えられるのは幸せだろうなと羨ましく思ったし、まだ諦めることもしたくないなと思った。
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Posted by ブクログ
読書感想文:ビジョナリー・カンパニーZERO から得た、共同体と成果のつながり
本書『ビジョナリー・カンパニーZERO』をひととおり読んだ後、私は一つの大きな気づきを得た。それは、共同体感覚を持つ私たちが会社やその内部組織で仕事をするとき、時には侃々諤々、喧々囂々となりながらも、大きな成果を出すことができるという、 nouvellesな組織の姿である。そして、そのために内発的な動機付けとして、ミッション、ビジョン、バリュー、パーパスで整えることが必要だと感じた。
組織は戦略以前に設計で決まる
これまで私は、組織の成功は戦略や成果の積み重ねだと考えることが多かった。しかし本書は、偉大で永続的な企業になるためには、まず内発的動機を育む土台をビジョンと価値観で整える必要があると教えてくれた。それまで私にとって戦略が先か成果が先かの議論だったものは、本書によって、そもそも何のために存在し、どう振る舞うかを先に決めることが、結果として大きな成果につながるとわかるようになった。
対立も健全な協働になる
本書を読み進める中で、私は仕事の中で侃々諤々、喧々囂々になっても、共同体感覚と共有されたビジョンがあれば、組織は壊れないだけでなく、大きな成果を生みうるという気づきを得た。それまで対立や感情的な摩擦は避けるべき悪だと考えていたが、本書は同じ目的を共有しているからこそ高溫でぶつかりあえる、健全な協働の現れであると教えてくれた。共同体感覚は、単に仲良くするのではなく、共通の土台があれば対立さえも組織を強くする力になる。
MISSION, VISION, VALUE, PURPOSE は内発的動機づけの仕組み
本書で最も心に響いたのは、ミッション、ビジョン、バリュー、パーパスを単なる理念スローガンではなく、組織の成員が自発的に動きたくなるための内発的動機づけの仕組みとして捉え直した点である。それまで私は、理念は掲げればよいもの、という軽い考えを持っていた。しかし本書は、どう設計すれば、人々が自発的に動きたくなるかという設計原理として提示してくれた。これにより、私は組織のメンバーがなぜ動くのか、なぜついてくるのかの答えを、理念の設計に紐付けることができた。
共同体感覚は経営の原理原則とセットで機能する
本書を読みながら、私は共同体感覚はただ仲良くするものではなく、ミッション、ビジョン、バリュー、パーパスという原理原則とセットになったとき、組織の土台として機能すると気づいた。これは、アドラー的な共同体感覚を、経営の文脈で実用的に解釈した点で、非常に主体的な気づきとなった。共同体感覚は、経営の原理原則と結びついてこそ、組織の意思決定と協働を支える力になる。
本書は私の在り方にも問いを投げかけている
最後に、「共同体感覚を持つ私たちが」と私が複数形で語った点から、本書は組織論であると同時に、自分自身もその共同体の一員としてどう振る舞うかという問いかけとして読まれたと感じた。本書は組織をどう設計するかだけでなく、自分自身が共同体の一員として、どう対話し、どう貢献するかを同時に問うていると気づいた。これは、本書が意図している原理と設計を、自分の経験と価値観と結びつけて再構成した、主体的な気づきである。
まとめ
本書から得た最大の気づきは、共同体感覚を持ち、ミッション、ビジョン、バリュー、パーパスで内発的動機づけを設計した組織は、喧々囂々になっても大きな成果を出せるという、経営と人間味の両面を統合した視点である。この視点は、本書が提示する原理と設計を、私の経験と価値観と結びつけて再構成した、主体的な気づきである。 -
Posted by ブクログ
「なんでこれが流行るの?」と感じたことがある人に、この本は刺さります。
25年前に“流行の爆発点”を解き明かしたグラッドウェルが、現代のルールで書き直したのが本書。大きな変化はひとつ、マスから精度の時代へ。かつては広く届けることが鍵でしたが、今は「誰に、どう届けるか」で結果が決まる。特定のコミュニティや影響力の強い個人を起点に、一気に広がる構造が描かれます。
特に印象に残ったのは、「空気感(オーバーストーリー)」という視点。人は自分の意思で選んでいるようで、実は“みんなが信じている物語”に強く引っ張られている。この前提に気づくと、SNSのトレンドやニュースの広がり方が、少し違って見えてきます。
前作のワクワクする成功法則とは違い、今回はどこか冷静で現実的。それでも、「仕組みを知ることで振り回されなくなる」という意味で、読む価値は十分にあります。
流行を追う側から、流行を読み解く側へ。そんな視点の変化を与えてくれる一冊でした。