【感想・ネタバレ】年1時間で億になる投資の正解(新潮新書)のレビュー

あらすじ

投資にリスクはつきものだ。だが、投資しないのはもっとリスクだ――それはなぜか? 数ある投資術に“正解”などあるのか? 各賞受賞の実力派経済記者が、自身の体験と著名投資家や金融機関への取材、膨大な公開データから“ほったらかし投資”の極意を示す。カナダ発の世界的ベストセラーに日本版オリジナル「投資の10カ条」を加筆収録。年1時間の運用チェックでやがて資産が億になる、投資の最適解とは。

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Posted by ブクログ

【書名】
年一時間で億になる投資の正解
ニコラ・ベルべ

【目的】
正解は低コストインデックスファンドに入金し放置、と内容を想定した。
この想定を超えてくれる内容は何かあるのか知りたくなった。

【ふりかえり・気づき】
・方法論自体はありふれている。
ただ、行動変容に至った点で本書は良い本と主観的に感じた。
正しいことも人間、感情や自分の考えやメンツが邪魔してなかなか実行できないことはあるが、

・直観&本能よりも、データと仕組化(毎月積み立てするなど)
ファクトフルネスな思考と判断がリターンをもたらす。

・感情にあらがう
ちょっとした相場の動きに起因する感情ではなく、過去のデータや冷静な思考に基づいて判断する必要がある。
危なくなったら自身のシステム2を稼働させたい。

・市場×複利×時間が最強
鞘をとったり、タイミングを見るのは無駄な努力だとデータをもって示された。

【要点】
・シンプルな投資手法
投資は本来シンプルな行為。金融業者の都合で複雑されている。
無意味に複雑なもの、過度な売買を避け、シンプルな戦略を取るべき。

・長期的視点の重要性
市場の短期的ではなく、長期的な視点で資産形成を目指すべき。
時間を味方につけることで、複利の力を最大限に活かせる。

・市場タイミングの無意味さ
株価の上下を狙った売買は仮に行えても労力の割にリターンが少ない。
多くの場合、損失を招く。

・インデックスファンドの推奨
低コストのインデックスファンドやETFへの投資を推奨。
資産を増やすにはインデックスファンドと債権を各自のリスク許容度に応じて配分し、放置

複利の力を理解する
複利の効果が資産形成の鍵となることを強調。投資のリターンを再投資することで、時間とともに加速度的に資産が増えていく仕組みを解説。

【印象に残ったポイント】
・過去の実績を踏まえるとS&P500が最強。2022年のSPIVAによると、これを上回るアクティブファンドは1/10もない。株価指数は自称プロをもってして、超えることは難しい。
・銘柄選びをしたところで、リターンは少ない。(コロナワクチンをアテにしてファイザー株を買うよりも、スタバ株を買ったほうが同時期のリターンは大きかった)
・知的エリート(メンサ、医師)ほど投資が下手。
・「投資を面白いと思うなら、それはあなたのやり方が間違っているということだ。」byジェイソン・ツヴァイク
・ニュース速報に従って売買しても、儲けはない。ただ、理由付けを求める投資家がxxが下がった3つの理由、といった解説の需要があるから供給が発生する。
・アメリカのCXOアドバイザリーグループの調査によると過去8年にわたる専門家68人による6582件の予測、その的中率は47%。
・米国の相場上昇は過去30年7500取引日のうち、90日。しかも、前触れなく上昇する。
・同じ金額を淡々と投資する場合、究極ラッキー的に底値で投資できた場合、これを比較しても1970~2019年にかけての差は0.4%。
"Why Market Timing Can Be So Appealing"より


【具体的に生活や仕事にどう活かすか】
金融資産のうち、株式市場に小銭をBETして遊んでいる部分を縮小し、インデックスファンドに委ねる。

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2025年03月21日

Posted by ブクログ

投資の正解について知りたくて読書。

米国のビジネス書や自己啓発書に多い物語風になっている。要点だけ知りたい人は最終第9章とおわりにを読むと要旨はつかめる。

VTとBSVのETFを勧めている。

分散して時間を味方にして複利の力を最大限に生かしお金に動いてもらう方法を投資の正解として提案。

オールカントリーを中心と勧めていた故山崎元さんに近い。

山崎さんと水瀬ケンイチ氏の共著『ほったらかし投資術』の水瀬氏が勧める書評を出していたのも納得できる。

本書では投資に必要なマインドセット、精神面の態度についても言及している。

おわりにで、ウォーレン・バフェットのパートナーだったチャーリー・マンガーの逸話や世界から少し距離を置くという一節は考えさせられる。

やれ世界情勢がとか、株式市場がなどのネガティブなニュースを意識的に断つことの重要性も述べている。

自分や家族が心を平らに生活するためにも環境をマネジメントすることは大切だと思う。

ところで、オルカンとVTはどちらが良いのだろうか。

訳者も投資知識がベースにあり読みやすい良書。

読書時間:約1時間30分

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2025年01月12日

Posted by ブクログ

新書ということで、軽い感じで読み始めましたが、投資で失敗しないための教訓がいたるところに述べられている良書でした。

本書で述べられていた投資の教訓の中で一番印象深かったのが、マーケットタイミングを取るべきではないということでした。
この部分は、私自身がコロナショックの時に持ち株を一旦売却してしまい、大失敗してしまったので、深く刺さりました。

自分自身では、うまくマーケットタイミングを取ったつもりでも、全く逆の結果になることは十分あり得るので、ずっと市場にとどまることが大事というメッセージは非常に重いと感じました。
社会全体に不透明感が漂う現在に、必読の良書だと思います。

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2024年10月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

本書で最後に紹介されていた投資の10カ条
1.完璧な投資家は存在しない。それでも投資をしないという選択肢はない
2.投資にタイミングはない。あるとすれば手元に資金があるときである
3.話題の投資には要注意。あくびの出る話に投資せよ
4.基本は「長期・分散」、複利効果でお金に働いてもらうこと
5.インデックスファンド・ETFに勝てるプロはまずいない
6.高い手数料は致命傷。金融機関は隠し事の天才
7.方針を決めたら変えない。ただし、年に一度はリバランス
8.市場の調整に動じない。たいていは「何もしない」が正解
9.投資は続けることが大事。上がれば万歳、下がったらより多く買えると考える
10.投資は人間修養である

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2025年07月13日

Posted by ブクログ

手軽に儲けるための指南書ではなく、長期分散を念頭に置いた投資の考え方を、分かりやすく解説している。これまでにも他の類書で指摘されてきていることもあるが、自分の経験なども踏まえながら、分かりやすく解説していると思う。
引用されているマンガーの言葉が印象的だったー人生で起こるすべての不幸は何かを学ぶ機会である

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2024年11月08日

Posted by ブクログ

人気のようだったので読んでみた。

カナダの記者である著者が、投資で資産を築く方法を解説している。

前置きや解説は長いが、要は分散投資できるETFを2本買って放置する、ということ。日本でもオルカンとS&P500を買えばいいと言う話はよく聞く。
でも誰でも億になるわけではなくて、かけた時間と総額と、タイミングに恵まれるか次第かな。

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2025年02月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ミリオネアとは金銭的目標だけでなく心も持ち方を指す。=雨が降らなければ虹もかからない。投資にはリスクが伴う。投資しないリスクはそれより大きい。

儲かる株を探すのに労力や時間をかけるほど儲からなくなってくる。
シンプルさと時間を味方にする。
市場は時折暴落する。私たちにできることは何もない。

レアな真珠の神話。
未来を読めるとしても、投資の実績はよくならない。自動車の復興を予測して20世紀はじめに自動車メーカーの株を買ったとしても、3000社の自動車メーカーのうち生き残った自動車メーカーは3社だけ。未来を読んで投資をすることは不可能に近い。

将来を見てきた人間が、ドミノピザが上場したときに買うことを勧めても、誰も買わない。人はハイテクの話にしか興味がない。

市場を超えてパフォーママンスを上げ続ける人はいない。
sp500は、業績が悪くなると構成銘柄から外れる。ハーレーダビットソンのように。
デイトレードはカジノよりリスクが高い。
債券は残存期間が短いモノの方が価格が安定している。

IPO銘柄は、全体で見ればプラスにならない。
50才で人生が終わるわけではない。
複利の効果、時間を味方に付ける。
投資を面白いと思うなら、そのやり方は間違っている。
経済ニュースは面白いが、それで投資はできない。

直感に従うのは間違い。
ライオンが襲ってきたら逃げないほうがいい。逃げなければライオンは襲ってこない。しかし、本能に従えば逃げてしまう。
生き残るのは脅威と戦うのではなく、本能と戦うこと。

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2025年01月14日

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