土方奈美のレビュー一覧

  • 倫理資本主義の時代

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    新書のレベルじゃないですね。難しかった。倫理的事実というスタート地点自体どうなんだろうという疑問は消えない。新実在論をきちんと理解すればもう少し分かるのだろうな。ウィルバーもそうだったけど,哲学を現実世界に応用するときに感じる違和感って何なんでしょうね?
    CPOとか子どもの参政権とか思考実験はアメリカっぽい。

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    2024年10月03日
  • CLEAR THINKING(クリア・シンキング)大事なところで間違えない「決める」ための戦略的思考法

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    過去の自分が何故そのような決断や行動をしたのかと思うことはある。その理由の1つがこの本には書かれてあるようでした。

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    2024年09月26日
  • The Intelligence Trap(インテリジェンス・トラップ) なぜ、賢い人ほど愚かな決断を下すのか

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    この本の中で一番覚えておきたいことは
    「動機づけられた推論」

    確証バイアスの複合的なもので、本書の用語解説によると、
    「結論があらかじめ想定していた目標と合致している場合のみ、頭を使う無意識の傾向。」
    とある。

    人は、
    自分が正しいと信じていることにしか思考ぜず、
    正しくない、信用しないと思っていることは検討しようとしない。

    人間である以上、バイアスからは逃れなられないので、
    「バイアスに陥らないようにする」よりも、
    「バイアスに陥っていることに気づく」を狙う方が現実的だと本書を読んでつくづく感じた。

    自分とは違う意見や自分への批判もちょっと聞いてみたい(その方がいい判断ができるから)と少し思える勇気が出てくる本でした。

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    2024年09月12日
  • CLEAR THINKING(クリア・シンキング)大事なところで間違えない「決める」ための戦略的思考法

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    意識したい、身につけたい思考。

    初期設定が邪魔をすることを認識する。
    初期設定:怒り不安といった感情デフォルト、見栄、自尊心といったエゴデフォルト、同調圧力といった社会性デフォルト、心地よい状態にとどまる惰性デフォルト。

    克服するために、強さを磨く。
    具体的には自分の基準を上げる。
    自分に責任を持つ
    己(弱点)を知る。
    自信を持つ。

    実践として基準の高いロールモデルを設定。
    先天的弱さ克服には健康な体、精神を維持する。
    後天的な弱さには日常の過ごし方、習得。

    → 幸せにつながっているかが基準

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    2024年09月07日
  • Speed & Scale(スピード・アンド・スケール) 気候危機を解決するためのアクションプラン

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    ネタバレ

    内容メモ

    ◯明確な計画が必要
    ・ルーズベルトが第二次世界大戦で書いた紙ナプキンのようなもの
    ・対象が絞られ、なすべき行動が明確で、測定可能な計画
    ・OKR: 気温上昇を1.5度以下に留める、に設定
    1. 交通の電化
    2. 電力の脱炭素化
    3. 食料の見直し: 土壌に炭素を回復、牛肉を減らす
    4. 自然保護
    5. 産業をクリーンにする: 特にセメントと鉄鋼
    6. 炭素除去

    ・インパクトの大きい順に戦略
    1. 削減 排出量を減らす
    2. 節約 エネルギー利用の効率化
    3. 除去

    ◯メタンの漏れが非常に大きい
    ・ガス圧力に応じてメタンを放出するよう設計されたバルブを使っていることによる漏れ、バルブ一個300ドルで交換可能
    ・二酸化炭素は100年以上大気中にとどまるが、メタンは10年で消失、即効性もある。
    ・生産過程での漏れもたくさんある4%?

    ◯農業システム起因排出量
    ・黒い土、二酸化炭素を大量に含む土壌は質が良い、この状態は栽培にも二酸化炭素削減にも良い
    ・耕耘機は、土壌の結合組織を引き裂き自然の生態系を破壊してさ、二酸化炭素を大気中に放出する。窒素を大量に含む肥料はダメージをすでに受けている土から更に生産力を引き出そうとする。
    ・工業的肥料から発生する亜酸化窒素は二酸化炭素の300倍の熱を閉じ込め、大気中に100年以上留まる。肥料だけで2Gt分の排出。
    ・カバークロップを世界の農地の25%に植えれば0.5Gtの二酸化炭素を吸収し、渇水を防ぐことに役立つ。

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    2024年08月31日
  • 倫理資本主義の時代

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    第1章 「倫理」「資本主義」「社会」を定義する。
    P.43 倫理資本主義とは、倫理と資本主義を融合されられると言う考え方の。道徳的に正しい行動から利益を得ることは可能であり、またそうあるべきである。

    第2章 入れ子構造の危機
    p.60 自由という価値は個人にかかわるものであり、また個人を形成する。しかし個人は、自らが属する社会的形式が選択の余地を提供しないかぎり自由にはなれない。私たちが近代の自由社会を評価するなは、常に社会的形成の一部にある個人により多くの選択肢を生み出すからだ。

    第3章 経済学の危機
    p.92 何らかの方法で資本主義と自由民主主義を排除し、環境社会主義その他の柔道の低いガバナンスの仕組みを導入しても、私たちが直面する複雑な危機は解決できない。

    第4章 道徳的価値と経済的価値をカップリングさせる
    確かになぜ富の不平等が法律としてみとめられていらのかは謎である。
    p.110 法律はまさに規範的秩序をつくるための社会システムであり、それゆえに社会的なものだ。つまり私たちは私有財産の存在自体を許容することで、法を通じて集団として私有財産を所有するのだ。
    …経済的および社会的病理を深刻化されるあらゆるかたちの有害な格差は違法であるべきだ。なぜなら貧困は社会的な病理の主要な原因だからだ、

    第5章 ヒトという動物
    p.153 最も重要な主張は、私たちは人間の主体性のなかに道徳的善を観察できると言うことだ。

    第6章 道徳的進歩と持続可能性
    質や解釈を与えるのが、人文学の役割でもある。
    p.165 人文科学、人文主義的社会科学、経済学がどのように連携をするのかを示す例の一つが、生活の質という概念とその実態の探求だ。質は量と同じように増えも減りもするが、質には量に還元できない側面があるという点において両者は異なる。私が同じ種類のチョコレートを食べれば食べるほど消費者は増えていくが、そのチョコレートを食べるという経験の2つは落ちていく。一般的に人間の成長と発達とは、態度の変容、すなわちの幸福の認知や経験の差にある。このため私たちがどのように花開き、成長するかは、一般的な経済的繁栄を予測するあめのツールで測ることができない。

    第7章 CPOの倫理部門
    p.215 倫理部門は現実世界のデータから得た知見に基づいて、会社が直面してる具体的な問題に対する真に倫理的な解決策のポートフォリオを作成する役割と全面的な責任を負う。

    第8章 子どもたちに選挙権を!
    p.234 世の中にはみんな好きなものがある。だから誰も望まない仕事に一定時間費やした人だけが、そう言うものを買えるようにしたらどうか?つまりある月にピザを買いたければ、 、それまでに公共トイレを何ヶ所か掃除したり、社会奉仕をしたりする必要があるという制度だ。

    第9章 形而上学的パンデミック
    p.245 私が訴える「形而上学的パンデミック」とは、私たちに人間は自らの欲望に新たな家を作る必要がある、ということだ。私にはもっと知恵が必要だ。知恵とは自らの欲望に対処することだ。

    あとがき
    p.274. 新自由主義の問題は、人間の自由は本質的に「社会で自由」でえふこと、すなわち他者が存在しなければ実現しない自由であることを見落としてしている点にあるとガブリエル氏は指摘する。利己的追求によって誰かの自由を奪うと、結局自分の自由を制限することになる。

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    2024年08月12日
  • 倫理資本主義の時代

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    一般読者向けに出来るだけ平易に書いたと断りを入れているが、やはり哲学者の書いたもの、かなり難解である。ビジネスに倫理が必須であるとは年来の小生の主張であるが、それを敷衍してくれる論文と言える。ただ、世の中は善人ばかりで成り立っているわけではなく、古典派経済学が陥っているのと同じ論法ではないかと思われて、その実現性に懸念を覚える。斉藤幸平氏の主張と同様に、社会に一石を投ずるものに育つことを期待したい。

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    2024年08月05日
  • NO RULES(ノー・ルールズ) 世界一「自由」な会社、NETFLIX

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    Netflixの社員は「有給取り放題」で「勤務時間の指定も無い」等、型破りで自由な社風だとは聞いていた。実際に本書を読んでみると、想像していた自由とは良い意味で違うことがわかった。Netflixの利益を第一に優先する精鋭達が、最高の給料をもらいながら己の才能と時間をフルに開花できる環境のもと、失敗を恐れず前に突き進んでゆく、まさに「多様性」を求められる新時代にふさわしい会社だった。

    以下、本書より抜粋。
    「フィードバックのガイドライン「4A」
    1. 相手を助けようという気持ち (Aim to Assist)
    フィードバックは前向きな意図をもって行う。自分のイライラを吐き出すため、意図的に相手を傷つけるため、あるいは自分の立場を強くするためにフィードバックをすることは許されない。ある行動を変えることがあなたではなく、相手自身あるいは会社にとってどのような役立つのか、明確に説明しよう。「社外パートナーとのミーティング中に歯をいじるのは止めろよ。気持ち悪いから」は誤ったフィードバックだ。正しい伝え方は「外部パートナーとのミーティング中に歯をいじるのをやめれば、パートナーは君をプロフェッショナルとして見てくれるし、会社としても関係を強化できるはずだ」

    2. 行動変化を促す(Actionable)
    フィードバックはそれを受けた相手が行動をどう変えるべきかにフォーカスすべきだ。

    3. 感謝する(Apprieciate)
    批判されると、誰だって自己弁護や言い訳をしたくなる。反射的に自尊心や自分の評価を守ろうとする。フィードバックをもらったら、この自然な反応に抗い、自問しよう。「このフィードバックに感謝を示し、真摯に耳を傾け、とらわれない心で相手のメッセージを検討し、自己弁護したり腹を立てたりしないためにはどうふるまったらいいのか」と。

    4. 取捨選択(Accept or Discard)
    フィードバックに対して心から「ありがとう」と言ったら、受け入れるかどうかは本人次第だ。それはフィードバックを与える人、受け取る人の双方が理解しておかなければならない。」

    「優秀な人材はもともと成功したいという意欲があり、鼻先にボーナスがぶらさがっていようがいまいが、全力を尽くすものだ。」

    「成功したら祝杯をあげ、失敗したら公表する。1.そのプロジェクトから何を学んだのかたずねる。2.失敗について大騒ぎしない。3.失敗を『公表する』よう促す。」

    「ある国の同僚にフィードバックをする必要が生じたら、まず同じ国の別の社員に『このメッセージは攻撃的かな』『きみたちの文化で一番良い伝え方はどんなものだろう』と尋ねてみよう。たくさん質問をし、旺盛な好奇心を示すほど、世界中でフィードバックを上手に与える(そして受け取る)ことができるようになる。」

    「自分自身の生き方をそのまま他の国に持ち込むことはできない。外国で望み通りの成果を手に入れるためには自分のどこを変えなければならないのか、しっかり考える必要がある。」

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    2024年07月25日
  • 知ってるつもり 無知の科学

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    人がいかに自分の無知を理解していないかを説明するとともに、そこに気づく重要性を説いた本。

    ファスナーや自転車の仕組み、(住宅ローンなど)ローンのからくりといった、多くの人が知っていると思っていることをいかに理解できていないか、色々な例を出しつつ説明されているので、説得力がある。

    また、パフォーマンスが低い人ほど、自らのスキルや成果を過大評価し、パフォーマンスが高い人は、自分の成果を過小評価する傾向が高いというのも、マインドとしては理解できる。
    この認知バイアスがかかってないか、我が身を振り返りたい。

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    2024年07月12日
  • セレンディピティ 点をつなぐ力

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    セレンデピィティとは、触媒的なヒラメキや出会いと思っていたが、セレンデピィティを誰でも引き寄せる方法がある。物でも、人でも、何かの体験でも、一期一会を大切にしていく習慣が大事だと感じた。

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    2024年06月22日
  • NO RULES(ノー・ルールズ) 世界一「自由」な会社、NETFLIX

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    『自由と責任』『ルールと手順』どちらを優先するかは事業の目的に応じた選択である

    Netflixのカルチャーは前者が大層を占め、それを多国籍企業として社内に浸透させてきた。

    そのために能力密度を高め、率直さを高め、コントロールを撤廃してきた。
    コントロールではなくコンテキストであるべきということ。

    その率直さとしてのフィードバックサークルに活かす5Aのフィードバックガイドラインを設けている。
    ・相手を助けようという気持ちで(AIM TO ASSIST)
    ・行動変化を促す(ACTIONABLE)
    ・感謝する(APPRECIATE)
    ・取捨選択(ACCEPT OR DISORDER)
    ・適応させる(ADAPT, 伝え方・受け取り方を適応させる)

    5つ目にある通り多国籍で文化的背景も異なるので受け入れてもらえる伝え方というものはある。

    そしてNetflixはチームで合って家族ではない。
    キーパーテストにより自らがプロとして適切かを、確認する。
    もしくはキーパーテスト・プロンプトにより不安を払拭する。
    『私が退社を考えていると言ったら、どれくらい熱心に引き留めますか』

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    2024年06月19日
  • CLEAR THINKING(クリア・シンキング)大事なところで間違えない「決める」ための戦略的思考法

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    ネタバレ

    論理的思考力のツールの紹介等を想像しそうなタイトルであるが、実際の内容は大きく異なっている。
    論理的思考力を適切に発揮するにはそもそもどうするべきか、という点について記載されている。
    適切な思考を妨げるデフォルト反応についてや弱さをコントロールするためにどうすべきか等学べる。
    何を大切にすべきか、何を望むのか、それは真に望む価値のあることなのか、という点を問い続けるべきと感じた。
    冒頭に記載のある、成功を左右するのは、大きな決断よりもありふれた瞬間、ということを心に留めておきたい。

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    2024年06月12日
  • NO RULES(ノー・ルールズ) 世界一「自由」な会社、NETFLIX

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    日本の企業で醸成するには難易度の高いカルチャーではあると感じたものの、非常に面白く、日本に合うやり方でイノベーションを起こせる風土作りに取り入れられると良いのではないかと思った。
    フィードバックのテクニックや、異文化理解に関する内容は勉強になった。
    一方で、能力密度を高めた状況で成果を出せるのはある意味当たり前で(もちろん自由と責任のカルチャーをつくる必要はあるが)、やはりメンバーをいかに生かすか成長させるか、の部分がリーダーとしては必要なのではないかと思った。「the HEART of business」などとは対極にあるようなやり方で面白かった

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    2024年05月08日
  • ビジョナリー・カンパニー 弾み車の法則

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    前半は弾み車について。後半はシリーズ1〜4作の振り返り。

    前半は、学校の取組例が良い。この理論が大企業や、経営トップだけのものではないことが具体的に分かる。
    後半も分かりやすくまとまっており良い。

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    2024年04月25日
  • Speed & Scale(スピード・アンド・スケール) 気候危機を解決するためのアクションプラン

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     しかし正直なところ、このような警告を聞いても大方の人は地球を救うために動き出すことはないだろう。80年先の予測など人間の脳が理解するには遠すぎる。たかだか2~3℃温暖化が進むと言われても、不安を感じるほど深刻なことには思えない。これが最大の障害なのだ。ロードマップ(行程表)を示さなければ、多くの人はなかなか変革にコミットしない。真の変化を起こすには、明確で実現可能な計画が必要なのだ。


    「交通の電化」とは、ガソリンやディーゼル・エンジンをプラグイン式の電動自転車、自動車、トラック、バスに転換することだ(第1章)。
    「電力の脱炭素化」とは、化石燃料から太陽光、風力など排出ゼロの電源に転換することだ(第2章)。
    「食料の見直し」とは、炭素を豊富に含んだ表土の回復、施肥の改善、消費者に排出量の低いタンパク源の摂取を促し、牛肉の消費を減らすよう働きかけること、そして食品廃棄を減らすことだ(第3章)。
    「自然保護」とは森林、土壌、海洋への介入と保護を指す(第4章)。
    「産業をクリーンにする」とは、すべての製造業、とりわけセメント産業と鉄鋼業での劇的な排出削減を指す(第5章)。
    「炭素除去」とは、自然界および技術的なソリューションを活用した大気中の二酸化炭素の除去と長期的貯留を指す(第6章)。

    4つの加速要因とは、以下の取り組みによってここに挙げたソリューションの実施を速めることを指す。
    →重要な公共政策の実施(第7章)
    →ムーブメント(社会運動)からアクション(行動)への転換(第8章)
    →強力なテクノロジーの発明とスケール(第9章)
    →大規模な資本投入(第10章)


    ■メアリー・バーラ ゼネラル・モーターズ CEO
     市場のリーダーであるためには、まずは顧客にしっかり集中する必要がある。次に気候変動や公平性といった企業の社会的責任を考えるべきだ。正しいことをしたいという意志が必要であり、実は従業員もそれを期待している。


     2019年、ドイツでは発電量の1%を再生可能エネルギーが占めるようになった。主要な産業国で史上初めて、再生可能エネルギーが「発電量の過半数」を占めるまであと一歩となったのだ。そして2020年夏、それが実現した。新型コロナウイルス感染症のパンデミックによって電力需要が全体的に落ち込むなか、太陽光発電はほぼフル稼働した。人口およそ8000万人のドイツで、再生可能エネルギーは平均55%を占める最大の電源となった。
     シーア法が可決されて以降、ドイツの発電による炭素排出量はほぼ半減した。父が生きてこの日を迎えられれば、とニナ・シーアは話す。

    ■ムーブメントを アクションに変える
     グレタ・トゥーンベリの場合、それは怒りから始まった。スウェーデンのティーンエイジャーであるトゥーンベリの怒りは、気候危機について学ぶほど強まっていった。地球の気温が数分の1℃上がるごとに、嵐や洪水や山火事が激しさを増す。今のペースで温暖化が進めば、2030年までにさらに1億2000万人が極度の貧困に陥る。トゥーンベリの生まれたストックホルムを含めて、多くの都市が今世紀末には海中に沈む可能性がある。
     気の滅入るような報告書を読み、その意味するところを理解した学生はトゥーンペリだけではない。気候変動に怒りを覚えている若者は他にもいる。だがトゥーンペリは気落ちしただけでは終わらなかった。そんな状況に反発したのだ。15歳になると、学校をサボるようになった。2018年にはスウェーデン議会の前で、黒い大きな文字で「SKOLSTREJKFÖRKLIMATET(気候のための学校ストライキ)」と書いたプラカードを持って座り込みを開始した。最初はたった1人で始めた抗議行動に、他のティーンエイジャーが次々と加わり、まもなくムーブメント(社会運動)になった。人と群れるのを避け、有名になるのを嫌うたった1人の少女の行動から、すべてが始まったのだ。
     2019年1月、トゥーンベリはスイスのダボスで開かれた世界経済フォーラムに招かれ、講演した。「大人はよく「次の世代に希望を与えなければならない」と言います」。集まった企業経営者や世界の指導者に、トゥーンベリはこう語りかけた。「でもみなさんの希望なんていりません。みなさんにはパニックになってほしい。私と同じ恐怖を感じてほしい。それも毎日。そして行動してほしい。自分の家が火事になったときのように行動してほしい。なぜなら、それが今まさに起きていることなのですから」
     ソーシャルメディアによって拡散されたトゥーンベリの言葉は、世界中の何千人という若者の心を揺さぶり、それぞれの住む場所で気候変動ストライキを起こすきっかけとなった。2019年9月20日、世界で400万人が参加する史上最大の環境保護デモが行われた。続いてトゥーンペリは、再び大勢の大人たちの前に立った。今度の舞台は国連だ。「みなさんは空疎な言葉で私の夢と子供時代を奪いました。それでも私はまだ幸四なほうです。多くの人が苦しんでいます。亡くなっています。生態系そのものが崩壊しかかっています。私たちは大量絶滅のはじまりに直面しているというのに、みなさんが口にするのはお金や永遠の経済成長といったおとぎ話ばかり。どうしてそんなことができるのですか」
     その後、トゥーンペリがイギリス議会で演説をしてからほどなくして、同議会は主要国として初めて、2050年までにカーポン・フットプリントをゼロにする法律を可決した。ローマ教皇を含む世界の多くの指導者と対話を重ねたことで、トゥーンベリは自分の運動が本当の変化を生み出そうとしていることに気づいた。トゥーンベリ自身の気持ちも、怒りから慎重な楽観主義へと変わりはじめた。学校に戻ったトゥーンベリはクラスメートにこう語った。「明日なんてないかのように生きることはできないね。だって明日はたしかにあるのだもの」
    「地球が直面する最も重大な問題についての最も説得力のある発言者」として、トゥーンベリは2019年、「タイム」誌の選ぶ「今年の人」に選ばれた。しトゥーンベリの主催する団体「フライデー・フォー・フューチャー(未来のための金曜日)」は、いまや世界各地に広がった。権力の座にある人々も、トゥーンベリのメッセージを真摯に受け止めている。「若者たちが毎週、そんなメッセージを掲げてデモ行進している姿を見ると、国家の指導者として中立ではいられない」。フランスのエマニュエル・マクロン大統領は「タイム」誌にこう語った。「彼らのおかげで、私は変わることができた」。指導者は圧力に反応する。圧力はムーブメントから生まれる。ムーブメントは何千人という個人がつくりあげるものだ。ただときには、たった1人から始まることもある。


     2020年12月7日、「エクソンの再生」と銘打ったキャンペーンの一環として、モノ言う株主は手紙爆弾を落とした。「石油とガスの歴史上、エクソンモービルほど影響力のあった会社はない。しかしエクソンが身を置く業界と世界は変化しており、会社は変革を迫られている」。この手紙では、エクソンモービルの取締役会には再生可能エネルギー分野に経験のあるメンバーは独りもいないことが指摘されていた。それに対応してエクソンは初めて自社の排出状況と、気候への悪影響を抑える取り組みの詳細を発表した。
     だが株主はそれでは満足せず、大胆な変革を求めた。化石燃料からの脱却である。バイオ燃料、水素、洋上風力発電に多角化したヨーロッパの石油・ガス会社があるではないか、と。2021年5月、エンジン・ナンバーワンという小さなヘッジファンドが株主の反乱を主導し、独立取締役を3人送り込んだ。非営利の投資家ネットワーク、セレスのアンドリュー・ローガンは「エクソンの業界にとって画期的な出来事だった」と語る。同日には同じく石油大手シェブロンのモノ言う株主が取締役会に反旗を翻し、投票によって製品からの温室効果ガス排出削減を認めさせた。ほぼ同時期にはオランダの裁判所が世界最大の非上場石油会社であるシェルに、2030年までに炭素排出を2019年比45%減らすよう命じた。オックスフォード大学の経済学者ケイト・ラワースはこれを「化石燃料のない未来に向けた社会的転換点」と呼んだ。
     業界トップクラスの石油会社でさえこのような適応を迫られるのなら、変革を逃れられる者はいないことは明確だ。アル・ゴアのような気候リーダーは、かねてからこんな日が来ることを予想していた。ゴアはIPCCのデータを引用しながら、化石燃料企業にはまだ採掘されていない炭素資産が28兆ドルと指摘する。このうち75%に相当する22兆ドルは永遠に地中に埋もれたままになる可能性がある。「化石燃料企業は埋蔵資源の評価額を下方修正している。有害で質の低い資産であり、日の目を見ることはないだろう。こうした企業にとってはまさに破滅的な事態だ」
     化石燃料企業の経営陣は新たな現実を受け入れ、全力を挙げてクリーンエネルギーへの移行を加速しなければならない。ネットゼロ経済を強化するだけでは不十分だ。時代遅れの経済の残骸を葬り去る必要がある。

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    2024年02月10日
  • Measure What Matters(メジャー・ホワット・マターズ) 伝説のベンチャー投資家がGoogleに教えた成功手法 OKR

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    アイデアを思いつくのは簡単、実行がすべてだ。

    会社が飛躍的な成長を実現するにはそれを明文化する必要があるが、評価と紐づいていると社員は思い切ったことを言わなくなる。MBOでもOKRでも、それを明文化し実行に向けて一歩でもいいから前進させることがキモなんだろう。

    そのために、我々は以下の『主要な結果』を尺度として、この『結果』を達成する、と心理的安全性をもって皆が言える体制をつくることで、『危機を糧にする』最高の会社になれるのだろう。

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    2024年01月27日
  • レオナルド・ダ・ヴィンチ 上

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    voicyパーソナリティさんの土方奈美さんの訳と知り、再読!!
    人体〜自然現象まで幅広く数学的要素を加え、時折カラーでの絵画解説もあり読み応え大!!

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    2023年11月23日
  • ビジョナリー・カンパニーZERO ゼロから事業を生み出し、偉大で永続的な企業になる

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    企業活動におけるファンダメンタルな原理原則が収められていると思う。最も大切なのは正しいビジョンよりも正しい人材である。これが一番今までにない観点で面白い。意思決定は「しない」なら「誤る」方がマシも、芯を食っていると思う。

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    2023年09月15日
  • 知ってるつもり 無知の科学

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    理解していると思っていたのに、いざ説明を求められるとどう答えればいいか分からない。そんな「分かったつもり」の状態になっていることは自分も多々あるが、それは人間が、様々な知識を持った人々が集まり形成する知識コミュニティの中で生きているために起こる錯覚である。知識を共有してもらうことで、外から得た知識を「自分の頭の中にもともとあるもの」と混同してしまうらしい。それ故に己の無知にも気がつかない。

    大事なのは、全てのことを知るのは到底無理であると理解すること。自分が無知であるということを自覚すること。自分がどれだけ理解できているかを確認すること。そして謙虚に学ぶこと。

    本書を読んで、なるほどと思う部分も多々あったが、きちんと理解できているようには感じないので再読の必要あり。

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    2023年07月19日
  • Measure What Matters(メジャー・ホワット・マターズ) 伝説のベンチャー投資家がGoogleに教えた成功手法 OKR

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    Intel元CEOアンディ・グローブ氏が生み出し、Googleのムーンショット的成長に貢献したOKR解説本。ORKは「フォーカスとコミットメント」「アラインメントと連携」「トラッキングとストレッチ」機能があり、それらをCFRで回すことにその優位性がある。OKRは非常に意欲的な枠組みである一方、社員のモチベーションや能力の高さが求められる部分はあり、評価・報酬との位置付けをどうするかは課題に思える。常にNo.1だった天才揃いのGoogleではKPIや相対評価よりチャレンジングなOKRのほうが機能したのが窺える。KPIと混同しがちだが、達成率の赤・青・黄のなかで赤色と青色が多すぎてはBadでほぼ黄色がGoodという感覚が持てるかがポイントに思える。

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    2023年05月29日