土方奈美のレビュー一覧
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ネタバレ<目次>
第1部 知能の落とし穴~高IQ、教育、専門知識がバカを増幅する
第2部 賢いあなたがきをつけるべきこと
第3部 実りある学習法~「根拠に基づく知恵」が記憶の質を高める
第4部 知性ある組織の作り方
<内容>
昔から言われてきたことだが、賢いヤツほど実はバカ。世界の例がたくさん載っているが、日本でも「オウム真理教」などが最たる例だろう。第2部でそうならないための知恵が、またかゆいところに手が届くように、第4部では個人ではなく、組織になるとバカになる例が載っていて、それへの対処法(こちらが一番難しいかもしれないが)が載っている。頭の良さだけではなく、組織内の人間関係が影響されるからだ。こちらは特に日本がヤバいかも。東日本大震災の際の東京電力などがそうだろう。いつになってもなくならないこうした話。世界どこでもあることだとわかった。 -
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『ティッピング・ポイント』とは、社会が大きく変わる転換点のこと。小さな変化の積み重ねが、突然大きな変化を引き起こす。2000年に出版された同書では、「少数者の法則」「粘りの要素」「背景の力」の三原則が働いており、複雑系の世界ではそれが重要な要素だ、という話。
2025年に出版された本書『超新版 ティッピング・ポイント』、原題は『Revenge of the Tipping Point』では、世の中を動かす裏の三原則として、「空気感」「スーパースプレッダー」「ソーシャル・エンジニアリング」が提唱されている。
それぞれの詳細について、面白エピソードと科学的エビデンスで説明される。
最後に、
「第4部 結論
第9章 空気感、スーパースプレッダー、集団構成」でアメリカのオピオイド危機を例に取り上げて、社会的伝染病がいかにして起こるかを、裏の三原則を引き合いに出して解説している。
まず、アメリカの州ごとにオピオイド使用にかなりの差があることを見ていく。異なる医療政策(三枚複写かそれ以外か)がそれぞれ別の空気感を生み出した。
p.350「空気感はとても重要だ。それは人間が生み出すことができる。広く拡散することがある。協力で、数十年にわたって持続することもある。」
そしてほんの一握りの医師が、スーパースプレッダーとなって、大量のオピオイドの処方箋を書いた。「圧倒的少数者の法則」が、オピオイド危機という社会的伝染病を引き起こした。
p.376「社会的伝染病には原則がある。境界がある。伝染病は空気感に影響を受けるが、その空気感を生み出すのは私たち自身だ。
伝染病がティッピング・ポイントに到達すると、規模や様相が一気に変わるが、ティッピング・ポイントにいつどこで到達するか予測できる。伝染病は様々な人が拡散させるが、彼らを特定することは可能だ。伝染病をコントロールするための手段はある。私たちの手の届くところに。それが不道徳な輩の手に渡ることもある。だが、私たちが手を伸ばし、より良い世界を作るために活用することができるのだ。」
前作では、ティッピング・ポイントの法則をビジネスに活かせば大流行を生み出せていいね!という感じだとすると、本作では、パンデミックやオピオイド危機や自殺の流行など、起きてほしくない伝染病を防ぐには?または介入して被害を抑えるにはどうするか?という観点がメインだろう。
本書は、社会的差別解消など、より良い社会を目指す人々にも価値ある洞察をもたらしてくれる。 -
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ネタバレ著者の『逆転』は10年くらい前に読んでいて、ダビデとゴリアテのように逆転劇はどのように成し遂げられるかについてなどあり、企画書に使わせてもらっていた。本書は、25年前に書かれてヒットした前作を同じタイトルながら、全く書き直している。いかにマイナーなことがメジャーになるかについてさまざまな事例を挙げながらそのポイントを解説しているが、25年前は「少数者の法則・粘り・背景のチカラ」だったが、本書では「空気感・集団構成・スーパースプレッダー」と説く。登場する事例が面白く、銀行強盗だったり、コロナだったり、麻薬だったりする。ちょっと馴染みがない事例も多いがデータを踏まえていて納得させられる。今の言葉でいうとバズらせる方法なので、仕事でも参考になるかも。
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ネタバレこの本は
①、我々の知識の殆どは他人(環境)任せ
②、我々はその事を理解出来ていない
③、しかし①である方が効率的
④、しかし②を理解していないと問題が多発する
と言う事を、例を挙げて解説する内容が終始延々と記述されており、恐らく誰しも何となく思っていた事が殆どに感じます。
それでも良い本だと思うのは、あとがきに書いてあるとおり、『改めて考えてみるまで、こうした考えを明らかだとは思わないから』。
内容は具体的な事柄に対しての対策と言うよりも人生の各事柄(生活、勉学、人間関係)のどの事にも言える汎用的なもので、且つふわふわと思っていた事が明確化された事で各事柄に対するより良い選択や方向性の決定に寄与してくれる内容であり、人生を豊かにしてくれるものだと感じます。
コミュニティにおける効率と言う強みを重視し過ぎており、少々スタンドアローンの重要性を軽視し過ぎているきらいはありますが、本の内容(コミュニティ)を鵜呑みにしないと言うのも、当の本に記述されている事だと言うことを加味して、人生(文明社会での生活)の基礎力を高めてくれる良本だと思います。 -
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ネタバレ1. 「知性」は必ずしも賢明な判断に結びつかない
・高いIQ、教育、専門知識を持つ人が、逆に誤った判断や愚かな決断をすることがある。
・実際に、IQ190以上の天才でも平凡な人生を歩んだり、専門家が陰謀論や非科学的な信念に陥ったりする事例が紹介されている。
2. 主な認知バイアス:「動機づけられた推論(マイサイド・バイアス)」
・知識や知性がある人ほど、自分の信念を正当化するために知能を使いがちで、都合の良い情報だけを選び取る傾向がある。
・専門家には「獲得されたドグマ主義」(acquired dogmatism)や「知識の呪い」が存在し、自分の専門分野以外を過小評価したり、新しい視点を受け入れにくくなることがある。
3. 愚行を避けるための処方箋
・知的謙虚さと思い込みに対する自覚:「自らの知識の限界と不確実さを認識する」姿勢が重要。
・自己の距離化(視点の転換)により、一歩引いた見方を持つことで判断ミスを防ぐ。
・感情の自己認識を高め、感情に判断を支配されないようにすることが大切。
・また、外国語で考えることで論理的思考力が向上し、情緒が介在しづらくなるという工夫も紹介されている。
4. 賢明な思考を育てる学習法(第3部に詳しい)
・「努力に勝る天才なし」という考えのもと、記憶の定着や理解度向上のために「望ましい困難(desirable difficulties)」を取り入れた学習戦略を推奨。
・具体的な方法としては以下のようなものが紹介されている:
-学習を分散して行う
-難易度の高い教材を使い、複数の解き方を考える
-自習後に自分にテストを行う
-同じ場所で学ばない、内容を他者に説明する、複数分野を交えて学ぶ、間違いの原因を分析する など。
5. 知性ある組織の成立(第4部で展開)
・頭の良い人ばかりを集めたチームが必ずしも生産性が高いとは限らず、「天才チームは生産性が低下する」ケースも存在する。
・組織が陥る「機能的愚鈍(functional stupidity)」の問題も論じられており、組織全体で偏った思考に陥ると、衰退や失敗を招く可能性がある。
まとめ:本書の主張を簡潔に言うと…
「単に頭が良いだけでは十分ではない。真の知性とは、自己のバイアスや感情に気づき、謙虚に思考し、他者や異なる視点を積極的に取り入れて学ぶ姿勢にこそ宿る。」 -
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ネタバレ優れた知性と優れた洞察力は同じではない。キャリー・マリス、ポール・フランプトン、アーサー・コナン・ドイルなど。
知能水準が高い人は、他人のアドバイスを受け入れず、自らの判断を正当化する主張が得意。その結果自分の見解に固執する。医療現場では深刻。
「ジャックはアンを見ており、アンはジョージを見ている。ジャックは既婚だが、ジョージは違う」一人の既婚者が一人の未婚者を見ているのか。
認知反射を測定するもの。陰謀論、フェイクニュースに騙されやすい。
大抵の人はモノを考えているつもりで、先入観を組み替えているに過ぎない。
フリン効果=年々IQが上昇し続ける問題。教育が進化して低年齢化しているから。
心の知能指数=EQ。有効とはいえないという批判もある。
分析的知能、創造的知能、実務的知能に分類できる。それぞれを測定する必要があるが、2つ以上にわたる能力が必要な場合もある。
CQ=文化的知能。=文化的規範に対する感受性を測る。
P57 -
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ネタバレ本書で最後に紹介されていた投資の10カ条
1.完璧な投資家は存在しない。それでも投資をしないという選択肢はない
2.投資にタイミングはない。あるとすれば手元に資金があるときである
3.話題の投資には要注意。あくびの出る話に投資せよ
4.基本は「長期・分散」、複利効果でお金に働いてもらうこと
5.インデックスファンド・ETFに勝てるプロはまずいない
6.高い手数料は致命傷。金融機関は隠し事の天才
7.方針を決めたら変えない。ただし、年に一度はリバランス
8.市場の調整に動じない。たいていは「何もしない」が正解
9.投資は続けることが大事。上がれば万歳、下がったらより多く買えると考える
10.投資は人間修養である -
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人類学で用いられるアプローチがビジネス現場でも有用であることを説く内容。
人類学というと希少部族への参与観察を通じた文化理解、というイメージが強かったが、近年ではビジネス現場(工場など)に対しても現状理解として活用されていることを知った。
ビジネス推進の当事者になると、どうしても当事者としての観点に凝り固まってしまいがちだが、人類学のように、特定集団の現状や文化を俯瞰的に、かつ、相対的に捉えるものの見方を身につけることで、より多角的な視点からビジネス推進を行える。そうすることで、様々な問題点および解決のヒントを得やすくなる、ということだと理解した。