杉田敦のレビュー一覧

  • 政治的思考

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    政治の向き合い方へのスタンスって学校で習えないけど重要なことだと思った。社会で生きていくために大事なことはほとんど学校で教えてくれないことだけどね基本。化粧の仕方とか人との付き合い方とかもそうだけど。政治っていうのは社会の最大公約数の妥協点を探ることで個人の理想を追求するものではないという事が書いてあった。政治というものにはある種の押し付けがましさ不愉快さが付きまとうもの。過度の期待は政治への絶望に繋がり、政治そのものへの興味を失うから気をつけた方がいいらしい。


    杉田 敦(すぎた あつし、1959年4月30日 - )は日本の政治学者。 法政大学教授。 専攻は、政治理論、政治思想史

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    2023年07月30日
  • 歴史の逆流 時代の分水嶺を読み解く

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    憲法学、政治学、歴史学と3つの視点から今を読み解く。あまりにも刺激的で、新書をこんなに真剣に読み込んだのは本当に久しぶりである。

    地に足がついた議論。
    日本は防衛費増税だの、敵基地攻撃能力の保持だの様々な論点がいきなり飛び出してきた。きっちり議論も分析も、歴史に学ぶこともない、とてもふわふわした捉えどころのない首相、政府の見解に、どうしようもない不安と怒りを感じているけれど、こうやって、ひとつひとつ立ち止まって考えたい。

    戦争は始まってしまったらすぐには終わらないのだ。たくさんの人の生活、命が左右されるのだ。そのことにもっと冷静に想像力を働かせたい。

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    2023年01月06日
  • 歴史の逆流 時代の分水嶺を読み解く

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    加藤陽子氏は歴史学者の視点で現代社会を分析する力が秀逸。故に政府に警戒されたとも思えるが、このような見識を敵に回すのは愚か。菅総理は歴史に悪名を残す。

    日本の政治
    歴史に学ばず 合理性の欠落 日米開戦と同じ
    権力型・・・命令と服従 ←「説明と納得」できない
    小選挙区は組織力の闘い 宗教↑ 労働組合↓

    歴史の逆流 誰もが政治に関心を持つ
    たがが外れた時代 侵略・暴力の時代 →自己防衛
    制度・組織・論理の再検討・再構築へ

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    2023年01月05日
  • 政治的思考

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    今の政治システムは完全なものではない。全員の意見を汲み取ることは不可能だし、構造上の欠陥があるのは事実である。だからといって、闇雲に制度を批判したり、政治参画を放棄しても良いわけではない。そもそも政治から逃れることは不可能で、どのように向き合っていくか、問題に対してどのようにアプローチをするのか、深く考えることができた。

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    2022年09月24日
  • 「自由」の危機 ――息苦しさの正体

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    忖度か、同調圧力か、権力の逸脱か。最近、表現の自由が失われつつある風潮がある。26人の研究者、作家、芸術家、ジャーナリストが自由について考察し、声をあげる。

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    2021年11月03日
  • 「自由」の危機 ――息苦しさの正体

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    まず著者群の面子を見て、少なくとも既知の名前において、それぞれの発信することばを追いかけている人が多いことを確認。演繹的に、その他の著者についても、かけ離れた立場にはないであろうと判断。あわよくば、今後の人生指針になり得る存在と出会えることも期待。前置き長いけど、そんな考えの下、発売前から気にかけていた本書。日本学術会議任命拒否問題についても、どこかでちゃんと読まなきゃと思っていたけど、その欲求も本書で満たされた。中曽根時代から綿々と受け継がれて今に至るってのも、何とも根深くて嫌な感じ。そのあたりまで遡って、ちゃんと勉強しなきゃ。あとは、己でさえままならない自由の取り扱いを、更に次世代に伝える

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    2021年07月28日
  • 「自由」の危機 ――息苦しさの正体

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    26名による日本学術会議任命拒否問題に端を発した、自由への権力の介入に関しての論考集。息苦しさの正体にはさまざまな形での!自由を禁じようとする動きがあったことに改めて気がつく。
    それぞれの立場で見た自由への介入は、幅広いものがあり、私たちの生活がじょじょに狭められてきていることが分かる。
    誰かの問題なのではなく、自分の問題として、さまざまなやり口で介入しようとしてくる権力にはNOを突きつけたい。

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    2021年07月16日
  • 学問の自由が危ない

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    どの論考にも強い危機感が示されている。なかでも内田樹氏の論考はもっとも説得的だった。私が近年感じている「政権はまじめにやっていない」という印象はなぜ引き起こされるのか、これを読んで得心した。異議申し立てという人間の力を奪う数々の営みが粛々と進んでいる。

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    2021年02月28日
  • 学問の自由が危ない

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    学問の自由は私たちの生活とも関係している。学問をすることが自由なのもあるが、学問はそれ自体国の権力から自由で独立したものでなくては、また再び、戦争に使われる可能性がある。過去の過ちを繰り返さないという学者の決意から生まれた学術会議の経緯を知っていれば、今回の件は学者集団にとって、赤信号であるとともに、私たちの身にも危険が近づいていることを示している。
    さまざまな学会から声明が出され、報道を賑わせたが、最近また忘れられそうになっている気がしてならない。しかし、このことは決して忘れてはならない。
    個人的には内田樹さんの部分が、自分が薄々感じていたことをはっきりと明文化して提示されたようで戦慄が走っ

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    2021年02月17日
  • 丸山眞男セレクション

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    丸山眞男セレクション (平凡社ライブラリー ま 18-1)
    (和書)2012年09月27日 12:28
    丸山 眞男 平凡社 2010年4月10日


    数ヶ月前に、柄谷行人さんの講演を聴きに行った。その時、丸山真男さんの話題が出た。デモについてでしたがなかなか面白い話だった。そして最近、片山杜秀さんの本を読んでいて又、丸山真男さんの話題が出た。柄谷行人や浅田彰以上の影響力を持った知識人だという話でした。

    そうか今まで一冊しか読んでいない。佐藤優さんのお勧めで読んだ一冊きりだ。そしてあまり意味が分からなかったときた。それで入門編を兼ねてこの本を手に取った。そしたらなかなか面白いではないか!苅部正

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    2020年09月26日
  • 政治的思考

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    平易な文章で書かれており、大学で政治学を学ぶ前、政治とは何だろうと考える際に一読するのが良いのかもしれない。柔らかい文体ではあるが、ところどころ思い切り突き刺してくる。

    読みおわってなるほどなと思った後に、あとがきを読んで思わず笑ってしまった。

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    2020年05月30日
  • 政治的思考

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    十人十色の考え方や意見の相違を調整するのが政治の営みである。ゆえに誰もが政治から逃れることはできない。政治の問題は、すべて自分自身の問題に帰するのである。

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    2020年01月11日
  • 丸山眞男セレクション

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    「超国家主義の論理と心理」をはじめとした彼の代表的な文章をうまくまとめてあります。丸山眞男を持ち歩くのにとても良い本。
    安保闘争を知っている世代はまさに体験として彼を知っているのだろうが、私は彼を原体験として知っているわけではなく、大学の授業で習ってはじめて知った。
    しかし、昨今の日本の政治家の発言を聞いていると、氏が示した戦前の日本戦争に突入していった特殊性が根本では解消できていないことに気づく。
    例えば、国家、国体を区別できない政治家。また、国家を「形式的秩序」としてとらえられない政治家。だからこそ「教育勅語はいいところもあった」などというのだろう。そういった、一級品の戦前の日本の課題の分

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    2019年05月19日
  • 丸山眞男セレクション

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    丸山真男の著作(講演も含む)集。

    政治的な「思惟方法」について、その在るべき姿が模索される。
    日本の伝統的な思惟方法の問題点として、際限のない「無責任」(これは、日本において、中核・機軸となる思想が欠落していること、自由な主体的意識が生まれていないことに一因を帰する)や、「現状追認」(「現実」という言葉が「既成事実」と同義に用いられ、現状の盲目的受容がなされてきた日本の政治にありがちな風景)といった点が、様々な著作において、微妙に形を変えながら指摘される。

    講演録である『政治的判断』では
    ・政治的な責任というものは徹頭徹尾結果責任である
    ・政治から逃避する人間が多いほど、専制政治を容易にす

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    2017年08月14日
  • 憲法と民主主義の論じ方

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    国連憲章では「武力の行使」はだめで「自衛権の行使」は良いとするなら「自衛権の行使」は戦争ではないとなる。以前読んだ木村草太さんの本でも「自衛戦争」はだめで「自衛権の行使」と書いていたっけ。ややこしい。

    自衛隊員が外国に出兵して現地で偶発に撃ち合いになり運悪く相手が死んだ場合法律的にはどうなるんだろう。

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    2016年03月31日
  • デモクラシーの論じ方 ――論争の政治

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    多数決型デモクラシーv.s.コンセンサス型デモクラシーの対話形式。
    時折話題が飛ぶこともあるが、政治学におけるそれぞれの立場の見解がわかりやすく示されており、頭の整理の助けになった。
    どちらが正解だと結論づけられてはいないため、中立な視点からデモクラシーを考えるための入門書となる。

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    2014年11月24日
  • 丸山眞男セレクション

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    「日本軍国主義に終止符が打たれた八・一五の日はまた同時に、超国家主義の全体系の基盤たる国体がその絶対性を喪失し今や始めて自由なる主体となった日本国民にその運命を委ねた日でもあったのである。」(丸山[1946=2010:80])

    丸山眞男は戦後すぐに記した『超国家主義の論理と心理』の末尾を以下の一文で締めくくる。その3年後に記された『軍国支配者の精神形態』の末尾はこうだ。

    「これは昔々ある国に起こったお伽噺ではない。」(丸山[1949=2010:184])

    以後この調子が続く。ここに丸山の失望を読むことは簡単だ。が、もし失望してしまったのであれば、トゥホルスキーのように口をつぐみ、唖者とし

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    2013年11月28日
  • 政治的思考

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    「なるほど!」とおもわず口に出したくなる素晴らしさ。

    政治とは何かについてとても分かりやすくまとめてい、読んだ後に政治に興味が湧いてくる。

    マスメディアの政治批判に流される前に、一度は読んでおきたい一冊

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    2013年07月16日
  • 政治的思考

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    腐敗や堕落といった言葉がいつしか似合う言葉となってしまった『政治』のそもそもを考えるのに好適な1冊。代議制や民主主義などの根本的なところから優しく解説されている。著者の述べるように「政治からは逃げられない」のであるから、どう対峙するかという自分の軸をしっかり持たねばならないと改めて気づかされた。

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    2013年06月20日
  • これが憲法だ!

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    憲法学者である長谷川氏の自説に対して政治学者の杉田氏がツッコミを入れ、それに長谷川氏が反論するという形を取っており、長谷川憲法学を立体的に理解できるようになっている異色の憲法本。
    長谷川憲法学の特徴は、なんといっても文言解釈に拘らない点。憲法の「コトバ」よりも憲法が何を守れるか、いかに機能しえるかという観点からダイナミックな解釈を展開しています。
    また、杉田氏のツッコミも鋭く長谷川氏がうろたえる場面も見受けられますが、何とか答えようとする姿に自説の自信も感じられます。

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    2013年01月10日