杉田敦のレビュー一覧

  • 丸山眞男セレクション

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    丸山真男の論稿から代表的なものを掲載。50年代の第二次世界大戦の記憶がまだまだ生々しい頃の論稿において、日本における責任の所在のなさ(最終的に円の中心に天皇がいる)、現実を既定のものとして受け入れてしまう姿勢を論じていることに、時代を感じつつ、しかし今もアクチュアルに感じる議論が展開されている。

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    2020年12月27日
  • 「改憲」の論点

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    全部理解するのは難しかったが読める範囲でさっと。骨抜きの議論(要するに呪いの言葉とかご飯論法的な手法)に気づいて乗っからないことがまず大事なのだとはよくわかった

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    2019年09月06日
  • これが憲法だ!

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    憲法学者の長谷部恭男と政治学者の杉田敦の対談を収録しています。

    おおむね杉田が長谷部の考えに対して疑問をぶつけることで、いくつもの興味深い論点が浮き彫りにされていきます。まずは、「立憲主義」を「価値観、世界観の多元性を前提にした上で、その間の公平な共存を図るための手立てだ」とする長谷部憲法学の根本的な発想が確認され、それに対して杉田は、こうした発想は「相互に対立する利益集団のせめぎ合いとして政治をとらえる」考えに近いものとして受け止め、公共性をめぐる原則的な問題を提出することで、長谷部憲法学が二枚腰、三枚腰の構えで構成されていることが明らかにされていきます。

    杉田の問いかけによって、長谷部

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    2019年05月06日
  • 政治的思考

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    ネタバレ

    決定・代表・討議・権力・自由・社会・限界・距離という8つのテーマを通して、政治の捉え方、関わり方を記す。
    政治は皆のことについて決める営みである。納得はいかないが、受け入れなければならないこともある。政治に不愉快さ、押し付けがましさがつきまとうのはこのことによる。何を問題とするかを決めた時点で、責任を誰に問うかもある程度決まっている。したがって、いつ何を問題とするか決めることは慎重であるべきである。
    代表制が必要な理由には、規模の問題、専門性の問題がある。しかし、それだけではなぬ、政治家がそれぞれ意見を主張することで、知識の乏しい人々が争点や対立軸を理解するという政治劇(演劇)的な装置として代

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    2018年02月25日
  • デモクラシーの論じ方 ――論争の政治

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    テレビでヨーロッパを旅する芸能人が出会ったある老婆が「まだ未熟な民主主義を私たちは見守らなければならない」という言葉が非常に印象的だった
    民主主義が当たり前のように思っているが、そもそも民主主義とは何か。多数決で決めていくならば「未熟」と表現するのはおかしい。
    そこで民主主義とは何かを知るために、この著書をとった

    対話形式なので非常に読みやすい
    内容は深くなく、次々に話題が飛んでいくので十分な理解はできないが、民主主義というものがそんな単純ではないことはわかってくる。今まで意識してなかったのは、自分が知らず知らず「多数派」にいるからだろう
    国民とは何か。現在の政治システムは本当に民主主義なの

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    2017年04月14日
  • 丸山眞男セレクション

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    初めて丸山眞男の文章に触れた。難しい言葉を使ってるようで分かりやすい、面白い文章だった。第二次世界大戦期の日本人の精神その他についての彼の考えが目から鱗。こんな教授に出会いたかった。ほんのわずかだが自分がこの世に生を持った時間と彼がこの世に魂を残した時間が被っていることに感動。

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    2016年10月18日
  • 高校生と考える世界とつながる生き方 桐光学園大学訪問授業

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    「私は この小説を書くときに、読んでくださる人が小学六年生までの漢字を読む力があれば読んでもらえるものと思ってこの作品を書き始めました」
    と「氷点」を書いた三浦綾子さんがいってらっしゃいました。

    この本の中で出張授業をされる先生たちは
    もちろん、その道のプロフェッショナルの方たちです
    そして、聴いている対象者たちは 中学生、高校生たち
    その語り口が そのまま 一冊の本にまとめられました

    その「語り口」を読んでいて
    冒頭の三浦綾子さんの言葉を思い起こしたのです

    本当の専門家は
    ただ感心させるだけでなく
    それなら 僕も(私も) 何かやってみよう
    そんな気にさせてくれる方なのです

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    2016年07月05日
  • デモクラシーの論じ方 ――論争の政治

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    2人の人物の対話形式で、民主主義をめぐるさまざまなテーマを取り上げた本です。民主主義にまつわる問題を知るための、優れた入門書です。

    基本的には民主主義の本質が問題となっているものの、アクチュアルな問題を念頭に置きながら議論が進められているようで、思想史的な側面に関してはあまり詳しく扱われていません。この点に関しては、一般的な政治思想史の教科書で知識を補う必要があるように思います。

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    2016年06月01日
  • デモクラシーの論じ方 ――論争の政治

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    デモクラシーについての対話形式の本。ただ選挙に参加するのではなく、「デモクラシーとはなんぞや」という本質を学ぶための入門書になる本。
    2001年に出版のため、ネットデモクラシーはその当時より発達しているが、それ以外はあまり変わらずだし、憲法、原発、沖縄と今でも議論の俎上に乗せられる問題があげられている。
    デモクラシーは制度ではなく、不断な努力を要するものであることがよくわかるし、その考え方は政治だけでなく多様な局面で使える考え方であると思う。
    丸山眞男は「民主主義は制度ではなく、永久革命である」と断じたが、この本を読めばその意味がよくわかる。

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    2015年12月26日
  • 政治的思考

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    【読書その82】杉田敦氏による、政治に関する考え方を決定や代表、討議などのテーマに沿って論じた本。非常にわかりやすかった。

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    2014年03月30日
  • 政治的思考

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    今の政治家を批判している方々すべてに読んで欲しい。もちろん,今の政治家にも悪いところはあると思うけれど,では自分はどうか?ということに気付かされる。良書。

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    2013年02月08日
  • 丸山眞男セレクション

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    「超国家主義の論理と心理」を学生の頃に講義のテキストとして読んだことがあるので、思い出して再読した。
    まず日本の超国家主義は欧米とことなり政教分離が未発達のため精神の動員が起きたという。そして権威や権力の高低差は、天皇からの距離に応じて同心円状に広がるという。そしてそのような仕組みが戦争に荷担したという。
    今の私達は戦争が肯定された理由を当時の国際関係や国力比から説明しようとしがちだが、極端な精神論が語られた当時を生きた者にとって隣人があれほど戦争に対して肯定的であったのかこそがリアルな問題点だったのだろう。

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    2012年11月29日
  • 対論 憲法を/憲法から ラディカルに考える

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    改憲論議を柱とした、憲法学、政治学、社会学、法哲学など様々な分野の対談集。それぞれ異なった視点からの指摘は、示唆に富む。個人的には政治学者・杉田敦のツッコミが、もっともラディカルで刺激的。民主主義ってなんだろう⁇と改めて考えさせられる一冊。

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    2012年02月06日
  • これが憲法だ!

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    ネタバレ

    [ 内容 ]
    国の安全に関わる重要な問題を、内閣法制局や憲法学者だけに任せていていいのか?
    圧政に苦しむ人々を、助けに行かなくてよいのか?
    憲法で縛るより、国会でその都度議論すべきではないのか?
    日本国憲法をめぐる最重要論点を、いま最も注目の憲法学者と政治学者が徹底討論。
    憲法学の現状への痛烈な批判も飛び出す、スリリングで最先端の憲法対論。

    [ 目次 ]
    第1章 憲法はデモクラシーを信じていない
    第2章 絶対平和主義は立憲主義と相いれない
    第3章 憲法解釈はだれのものか
    第4章 絶対的な権利なんてない
    第5章 あらゆる憲法は「押しつけ憲法」である
    第6章 憲法をいま変えることは無意味である

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    2011年06月07日
  • デモクラシーの論じ方 ――論争の政治

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    読みづらい。
    対話形式は、一見わかりやすいが読みづらい。
    対話の中で論点が右往左往するからである。


    そこで、対話形式の本については、簡単な表を作ることをオススメする。
    ここではタグの使用ができないので、メモを書く。

    Bさん
     デモクラシーの本質=決定のための手段

    Aさん
     デモクラシーの本質=新しい価値観の発見(=目的)


    このデモクラシーに対する根本的な対立が、様々な論点についての結論の相違となる。
    今後、この本を読もうと思う方はこれを念頭において読んでみて欲しい。
    対話形式にもかかわらず、頭の中がすっきりとすることだろう。

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    2010年08月30日
  • これが憲法だ!

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    P157-の 憲法の及ぶ境界 の議論が個人的には面白い。「なぜ、われわれの範囲はネーションなのか。一級市民、二級市民とした方が 多くの価値が得られませんか?」や、境界線は移動するものなのに、なぜネーションという境界線を大切にするのか?という杉田さんの問い。長谷部さんを戸惑わせているけど、これから避けて通れない問題だと思う。

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    2010年06月08日
  • デモクラシーの論じ方 ――論争の政治

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    [ 内容 ]
    民主主義、民主的な政治とは何か。
    現代社会の基本的な価値理念であるデモクラシーが重要であることは間違いない。
    しかし、それを共有している社会において、いろいろな意見の対立や争点が生まれてくるのはなぜなのか。
    物事を「民主的」に決めるとは、どういうことか。
    古くて新しいこの難問について、対話形式を用いて考える試み。

    [ 目次 ]
    第1章 制度とデモクラシー
    第2章 安定性とデモクラシー
    第3章 国民とデモクラシー
    第4章 公共性とデモクラシー
    第5章 代表とデモクラシー
    第6章 討論とデモクラシー
    第7章 憲法とデモクラシー
    第8章 重層性とデモクラシー

    [ POP ]


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    2014年10月27日
  • デモクラシーの論じ方 ――論争の政治

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    この本のほとんどは、架空の2人による民主主義に関する議論である。
    デモクラシーの考え方の様々な対立軸について知ることができた。
    しかし、2人の対立という形をとったことで逆に読者の視野を限定することにはなっていないか。
    自分の意見をしっかりもてるよう、より様々な議論を経験していきたい。

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    2009年10月04日
  • デモクラシーの論じ方 ――論争の政治

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    目次
    第1章 制度とデモクラシー
    第2章 安定性とデモクラシー
    第3章 国民とデモクラシー
    第4章 公共性とデモクラシー
    第5章 代表とデモクラシー
    第6章 討論とデモクラシー
    第7章 憲法とデモクラシー
    第8章 重層性とデモクラシー

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    2009年10月04日
  • デモクラシーの論じ方 ――論争の政治

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    政治学畑の人間じゃないからよく知らないけど(そんなんばっか)、こういうのは学部生のゼミの教科書とかになりそう。いわゆる「戦後民主主義的言説」を体現しているかのようなBさんと、それを相対化しようとする「ポストモダン」系?なAさんの対話は、いろいろ刺激的でおもしろい。「AがいいかBがいいか」じゃなくて、両者の間を行き来するところからスタートする、ってことですよね?(200508)

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    2009年10月04日