杉田敦のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
日本の極端国家主義の特徴は、精神的な権威と政治的な権威が分かれていないこと。この極端国家主義が、国民を永きにわたって苦しめ、戦争に駆り立てたのだ。教育勅語で国家が倫理を押し付けるなんてけしからん。国家は宗教や信仰、思想に中立であるべきだ。▼慎ましやかでないし、むき出しの権力でもない。偉そうなのに小物。それが日本的な政治。東条英機などがその例だ。
※過度な一般化。歴史上の短期間の現象や特定の政治家の特徴を強調しすぎており、複雑な全体を一面的に切り取っている。
※日本特殊論。ここが変だよ日本人。日本人はこれこれの特徴をもつと指摘するのは喝采され、外国人がこれこれの特徴をもつと指摘すると「差別」「偏 -
Posted by ブクログ
明治期における運用の時代に構築されていった政治制度。読んでいてもピンとこないのは政治について疎いからではと思い手にとった。
本書は政治というより政治に対しての姿勢を論じている。政治は万人にとっての正しさを追究するものでなく、少しでも納得いく形で何かの決定をするためのインフラ。価値観の多様化や決定が及ぼす領域の拡大により、決定することがより難しくなっている。その難しさを外部のせいとしている単純化した風潮が見られるが、まずは自分を含めた内部に目を向けるべきではという主張。
平易な言葉で現代政治に対する問題意識を絡めながら論が展開されているのは良かったが、政治制度の歴史的成り立ちをもう少し記載し -
Posted by ブクログ
ネタバレ〈2者が討論していくディベート形式〉
多数決で行くべきかどうかを、多数決で決めても良いものかどうか。p10
決め方をどう決めるか。p16
多数派が横暴に振る舞うようになると。19世紀にトクヴィルやJ•S•ミルが憂慮したような「多数者の専制」という事態になりかねない。つまり、ある一団の人々が常に自分たちの意見を押し通し、少数派の権利をないがしろにする状態に。p26
【欠乏と過剰】
僕が危惧しているのは、民意が無視される状態、つまり民意の政治への反映がゼロの状態だ。一方、君が憂慮しているのは、民意が暴走している状態、つまり民意が無限大の状態だからね。p34
デモクラシーというものは、本来