杉田敦のレビュー一覧

  • 丸山眞男セレクション
    丸山眞男は世間では「左翼知識人」という位置づけなのだろうか?しかし彼はマルクス主義では全然ない。ただ、兵士として原爆投下の日に広島にいたらしく、平和主義を主張していることは確かだ。
    周到で学問的な冷静さにあふれた丸山眞男の鋭い分析を、せめて昨今の頭の悪い右翼連中に論駁してもらいたいものだ。
    「政治的...続きを読む
  • 丸山眞男セレクション
    p.132(軍国支配者の精神形態)
    東京裁判で巨細に照し出された、太平洋戦争勃発に至る政治的動向は、開戦の決断がいかに合理的な理解を超えた状況に於て下されたかということをまざまざと示している。むしろ逆にミュンヘン協定のことも強制収容所のことも知らないという驚くべく国際知識に変えた権力者らによって「人...続きを読む
  • これが憲法だ!
    従来の議論においては、憲法というものは特別な地位を与えられていたように思われる。

    護憲派については、憲法が成立するまでの闘いや、憲法の規定の素晴らしさ等を強調し、それを根拠に護憲を訴えていたし、

    一方、改憲派については、特別な地位を与えていたからこそ、自分たちで決めなおそう、という主張になる。
    ...続きを読む
  • これが憲法だ!
    憲法学者と政治学者の対談。
    内容は深いけど、めっちゃおもしろい。

    朝日新書ということで、結局は護憲(というか改憲反対)なのはご愛敬。
  • 「自由」の危機 ――息苦しさの正体
    今、私が自由だと思っているものは本当に自由なのだろうかと考えた。秩序はたしかに大事だけれど秩序以上に大事なものを蔑ろにしていないか。
    国は私を守ってくれるが同時に傷付けも見捨てもする。安易にぬるま湯に浸かっていることの危険性。
    これから先の時間を生きる人が傷付き見捨てられないように今を大事にしようと...続きを読む
  • 歴史の逆流 時代の分水嶺を読み解く
    有識者3名による鼎談。歴史から学ぶ現代の施策の方向を見直すことが大切だと思った。多数意見に流される日本人の特質も歴史から成立している部分もあるとの指摘は新鮮だった。2012.11.6
  • 歴史の逆流 時代の分水嶺を読み解く
    まさに戦後の歴史の転換期に入ったなと痛感。読み応えあったが、過去から学ばないのがヒトという生き物。「ちょっと緩めると、とてつもなく邪悪で下劣なことの加担者になりかねない。どんな体制、制度であろうが、いつも気をつけていないといけない」しっかり声上げていく事が大事だけど…。
  • 丸山眞男セレクション
    丸山真男の代表的な論考14遍である。
    超国家主義の論理と心理
    軍国支配者の精神形態
    福沢諭吉の哲学
    戦争責任論の盲点
    日本の思想    等々
    かつて文庫本や新書等で何度かトライしたが、その都度よくわからずそのままになっていたものが多い。その他初めての論文も含めて通読するなかで、丸山真男に対して今回は...続きを読む
  • 歴史の逆流 時代の分水嶺を読み解く
     安部菅政権は全く否定している。
    今の岸田自民党政治は過去の歴史は否定、立憲政治も否定し集団的自衛権などは憲法違反、議会政治、民主政治は蔑ろにされていると断じている。
     今の選挙制度を見直し、政治を身近なものにして政治意識を啓発しなければと言っている。
  • 「自由」の危機 ――息苦しさの正体
    今から3年前2019年、当時の首相による日本学術会議の会員任命拒否問題は、政府による自由・学術・教育に対する介入であると大変な危機感をつのらせることになった出来事でしたが、自分の周りでこの件について同じようなことを考えていたり意見を交換したりということがあったのは、小学校教員である友人ただ一人との間...続きを読む
  • 「自由」の危機 ――息苦しさの正体
    一部ネットで嫌われてそうな論客たちからのメッセージ集。みなさん、日本から少しずつ自由が奪われていると危惧している。
    ある一面の行動・発言が切り取られて批判されることが多い方々だが、その考えに直に触れると、国の在り方や自由について真剣に考えているのが分かる。

    例えば表現の不自由展に携わった津田大介氏...続きを読む
  • 政治的思考
    政治哲学の本。
    10年くらい前に刊行されているが、今読んでも古びていない。

    誰が、いつ、政治的な決断をするのか。
    誰かが誰かを代表するとはどういうことか、可能なのか。
    権力の源泉は。そして自由とは権力をなくすことか。

    アトランダムに書き出したが、こんな原理的な問題が検討されていく。

    いま、ここ...続きを読む
  • 「自由」の危機 ――息苦しさの正体
    「知る」ことで「知らない」では感じられなかった物事が立体的に色彩を持って立ち上がってくる。
    ニュースを見て感想を抱くだけといった姿勢では流れに逆らうことはできないが、思考し行動することは人を新たな場所へ連れて行ってくれる。
    本書では各分野の著名人が各々の視点から考えを述べており、他人の視点、思考、背...続きを読む
  • 丸山眞男セレクション
    断っておきたいが、本書を全面的にレビューはしない。例えば「超国家主義の論理と心理」を取り上げてしまったら、それこそ五千字以上の論文にならないといけないと個人的には思うからである。

    先日5月3日の3年ぶりのリアル憲法集会に於いて本書の『「現実」主義の陥穽』(1952「世界」5月号)を話題にしていた。...続きを読む
  • 「改憲」の論点
    やや難しいなと思った章は読み飛ばし。
    第一章 木村草太氏の論旨が秀逸。
    その他読みやすいところだけでも、十分に自分で思考するベースができる。
  • 「自由」の危機 ――息苦しさの正体
    第二章 文化芸術の自由は誰のためにあるのか
    から読み始めました

    「芸術」の周辺にいらっしゃる
    人たちの 肌感覚による発言が
    そのままストレートに伝わってきます

    いつの世でも
    どの国でも
    「弾圧」「排除」は
    ピンポイントで行われる

    危うい この国では
    よほど意識しておかなければ
    いつのまにやら ...続きを読む
  • 「自由」の危機 ――息苦しさの正体
    初めて読む方の文章が新鮮で特に印象に残った。山田和樹さん、永井愛さん等。既によく読んでいる方の名前につられて本を手に取り、新しい方のご研究などに興味が広がっていくのがうれしい。
    この本を読んで逆に「自由」という言葉を簡単に定義し使うことが難しくなったが。
    自由を手放したくないし、奪われそうなら戦う!...続きを読む
  • 学問の自由が危ない
    法的に見て明らかに違法な任免拒否。
    国会での議論を行わず、解釈だけでも運用を変更してしまう内閣に底知れない怖さを感じる。
    また、これを見過ごして、何も考えずに自民党に投票してしまう国民が情けない。
    再び戦争を起こす事が無いよう、この本は全ての国民に読んで欲しい。
  • 丸山眞男セレクション
    丸山真男の論稿から代表的なものを掲載。50年代の第二次世界大戦の記憶がまだまだ生々しい頃の論稿において、日本における責任の所在のなさ(最終的に円の中心に天皇がいる)、現実を既定のものとして受け入れてしまう姿勢を論じていることに、時代を感じつつ、しかし今もアクチュアルに感じる議論が展開されている。
  • 「改憲」の論点
    全部理解するのは難しかったが読める範囲でさっと。骨抜きの議論(要するに呪いの言葉とかご飯論法的な手法)に気づいて乗っからないことがまず大事なのだとはよくわかった