大沢在昌のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
新宿鮫シリーズ4作目。直木賞受賞作というので大いに期待して読んだ。アイスキャンディという名の新手の覚醒剤の流通ルート解明に例によって執念深く迫っていく鮫島。本作はいつもの警察内部での孤立、抗争だけでなく、麻薬取締官との確執に加え、犯罪者側でもスリリングな主導権争いが繰り広げられ序盤から中盤にかけては引き込まれるようにして読んだ。しかしながら、場面変わっての終盤は昌を鮫島が救うという劇的な展開を描くためのご都合主義的な展開で正直乗り切れなかった。
思うに昇という人物の掘り下げが物足りなかったことで全体的に感情の盛り上りに欠けてしまったのではないか。 -
ネタバレ 購入済み
《肌合い》が違う…。
前作の『毒猿』か強烈だったせいで、何となく見劣りしてしまう残念な作品。
ストーリーとしては決してつまらない訳では無いのだが、前作とこの後の『無間人形』がスゴ過ぎて、スーッと読み終えてしまう感じで、今ひとつ喰い足りない読後感…。
正直『新宿鮫』シリーズで採り上げなくても、別のシリーズや単独でも良かったような気がしてしまう。
前後作の《分かり易い狂気》ではなく、《ひたひたと迫る女性の狂気》かテーマなのでそう感じてしまうのかも…。
従って、星3つの評価。これは人それぞれ感じ方の問題か。 -
購入済み
青春の想い出…。
2024年3月読了。33年振りの再読。
正直1作目はそんなに好きじゃなかったのでw、こんなに間が空いたけど、これだけの時間が過ぎたのだなぁと云う感慨に包まれ、そして自分も大好きだった新宿歌舞伎町が目の前に広がって、何とも言えない気持ちで読み終えた。
携帯電話はデッカくて、公衆電話はまだまだ何処にでもた〜くさん有った時代、留守電は着信時刻が分からなかった時代w、そして何より《歌舞伎町はヤバいけど、と〜っても刺激に満ちていた時代》だったなぁと、読んでいて泣きそうになった。
まだまだ生意気な大学生が、噴水広場で歌ったり騒いだり。たまに本職の方々が通る時はス〜っと除けてたあの頃。渋谷や池袋なんか目 -
Posted by ブクログ
『ボディーガードキリ』シリーズ第1巻。何年振りかの大沢 在昌作品。
600ページ以上の長さがあるけれども、センテンスが短くテンポがイイので、余り長さを感じさせることなく読むことが出来ます❗
オカルトチェックな展開は大沢さんの得意(?)なジャンルなので、色々あちこち振り回されながら、楽しむことが出来ました♫
キリの人間性も、変にアウトローっぽくなく、余り大沢作品には見られない、キャラクターで新鮮な感じがします✨
途中若干の中弛み感はありますが、難しいことを考えずに純粋にエンターテインメントを楽しむなら結構オススメの作品です❗キリのその後が気になるので、次の『爆身』も追いかけます。 -