相場英雄のレビュー一覧
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『ガラパゴス』というのは少し不思議な語感の題名かもしれない。
ガラパゴス諸島―「ゾウガメの島々」という意味らしい…―という南米の東太平洋上の島嶼が在って、大陸と陸続きになった歴史を持たず、島々の生物は飛来したか海を渡って漂着したものの子孫に限られ、他では見受けられない固有種になっている様子が多く見られるのだという。但し、主に19世紀頃から多くの人々が入り、外来の生物も持ち込まれ、様子が変わってしまったということも在るようだ。
このガラパゴス諸島の名から転じて「ガラパゴス」という言い方が在る。周囲から隔絶した環境の中で独自に進化しているかのように、様々な国や地域での基準を外れてしまったような状態 -
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刺激的なタイトルだが、ITリテラシーがそれなりにあればわかる内容をエンタメ要素強めに描いている。しかし一流外資系広告代理店勤務の主人公である矢吹蛍子のIT常識の無さは荒唐無稽と言ってよく、読者に話が分かりやすくするように敢えて無知なキャラクタに設定しているのは理解できるが、少し酷過ぎて現実味が薄れた。低所得の貧困層がターゲットにされプロパガンダによって洗脳されていくことは昔からあることだが、そこにIT・AIの力が加わると加速度的に拡散し、本小説のストーリになることも非現実的ではない、まさにトランプがそうだったし。。低所得の貧困層でなくても活字離れがすすみ、読解力が低下し続けている現在の状況が更
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相場英雄『ファンクション7』実業之日本社文庫。
北朝鮮、韓国、日本を舞台に描かれた社会派サスペンス小説。『越境緯度』を改題、文庫化。
プロローグに、新宿で起きたVXガスを使った無差別テロと北朝鮮から姉弟を残して韓国に亡命したイ・スーフンの2つのドラマが描かれるが、本編ではどのような展開になるのか。果たして、ヤクソクは果たされるのか……
相場英雄作品ではいつものことなのだが、ストーリーはかなり面白いのに、全体的に粗さを感じた。
日本とは文化や思想も異なる謎に満ちた韓国と北朝鮮。同じ韓民族なのにアメリカとソ連により北と南に分断されるという不条理。両者の中でも北朝鮮は日本人拉致問題に始まり、 -
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この国には出口戦略がない。
なにか事を始めたら、終わりがないまま突き進み、いつかくる強制退場というExitにぶち当たるまでは止まらない。
不発弾に続くシリーズの位置づけの本作で主軸となるのが、営業から経済記者への急遽の転属となった新米記者の池内と、前作不発弾で金融会のフィクサーの古賀。
地方銀行の銀行員の自殺を端に発し、リフレ派に舵を切った日銀の国債発行の弊害について、池内が古賀に迫っていく。
高校時代の彼女が訪問し、今は駐車場の土地にマンションを建てないかという営業に来たと、叔母から池内に連絡があった。
仙台の地銀に務め、今は殆ど連絡をとっていないのに、なぜ吉祥寺の叔母のとこ -
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前回、政権に転ぶか、記者としての矜持を保つか、松岡がどっち選択したの!?ってのが分からず中途半端なところで終わってしまったので、もやもやしてました。
しかし、本作はそこの答え合わせから始まり、一気に陰謀ら隠蔽工作が暴かれて、灰原という新キャラや、意外な人物の関わりが見えてきて、最後は二転、三転、四転と、目まぐるしい攻防が繰り広げられた後、ちゃんと決着します。
これ、1と2というよりは、上と下ですね。出版社の策略なんでしょうけど、とりあえず1だけ買った人は、間違いなく2も買うことになります。ただ、2冊買っても後悔しないことは断言します。それくらい面白かった。終盤は一気読みでした。
芦原=安倍、阪 -
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文句なく面白い。
警察OBの殺人事件を受けて、刑事部の兎沢と公安の志水2人の主人公が互いの正義を掛けて一生懸命にはたらく物語。
以前読んだ「KID」に出てくる公安の人間も志水って名前だったので、おそらく同じ人物だろう。その志水が公安に入るきっかけが描かれている。
かつては同じ所轄で先輩、後輩だった2人が違った道を進み、一つの事件で互いに対立する。決して交わることがなかったはずの二つの轍がふたたび交差するのか。
事件の真相を互いの角度から明らかにしていく過程がスリリングでとても読み応えがある。
刑事部の殺人犯は許さないという正義、公安の国家の安全を守るという正義。お互いの正義がぶつかり合 -
購入済み
北町奉行所VS微行組
荻原重秀のことは本書で初めて知った。早くから貨幣経済の本質を見抜くなど、相当な切れ者だったようだが、若くしてあれだけ出世してしまうと周囲の反発や嫉妬も相当なものだったろう。敵も多かったに違いない。新井白石の気持ちもわかる気がする。北町奉行所VS微行組の対決は、相場さんの警察ものに出てくる捜査一課VS二課、公安を連想させる。それぞれが信じる正義のため、死力を尽くしてぶつかる諜報戦が面白かった。