相場英雄のレビュー一覧

  • 血の雫
    「震える牛」でファンになった相場英雄さんの作品。
    やっぱり好きだわ~。

    ネット社会と言われる現在
    匿名性を盾に垂れ流される愚痴と罵詈雑言
    事件の始まりは全く共通点のなさそうな3人の殺人事件
    事件を担当したのは中野署の田伏刑事
    実は彼はある事件からネットにトラウマを抱えていた
    そしてバディとなるのは...続きを読む
  • 血の轍
    刑事部と公安部の公開殴り合いに発展する展開が凄まじい。特にプロローグでのやり取りが終盤で効果的に明かされる場面は鳥肌ものです。
    元警官二人の殺人が不正な株取引や上席のスキャンダルを孕む展開でどんどん深みを増していくストーリー。兎沢の食券の件はちょっと脇甘過ぎで違和感があるかな。組織安泰の為に殺人犯を...続きを読む
  • 血の雫
    ハードカバーで約400頁。寝る時間、家事の時間、テレビの時間を削ってほぼ2日で一気読み。もう肩がゴリゴリだ。
    思わずスーパー銭湯にほぐしに行く、肩凝らし必至の小説だ。犯人の動機が絞れず捜査が難航する。ひとつひとつのピースを検証していく作業は読んでいて疲れる。捜査員の疲労がリアルに伝わる作品だ。途中、...続きを読む
  • ガラパゴス 下
    「一万円選書」第6冊目!

    6冊目にして、やっと自分の好みの作品と出会えた。感謝。

    WOWOWドラマWで以前見た『震える牛』の原作者による続編が本書。続編といっても、主人公が同じだけで、内容は全くの別物だ。

    ドラマW版『震える牛』は映像だったせいもあり、あまり自分の好みではなかったが、本書『ガラ...続きを読む
  • 血の雫
    著者らしい骨太な刑事物。時事問題も加わって読み応えのあるものに仕上がっている。トラウマを抱えた主人公や一癖ある脇役はシリーズ化の伏線か?と思わせるほど次への期待ができる内容だった。
  • 血の雫
    何もかもほっといて一日で読んでしまった、、。ネットの闇と社会問題を絡めた深いミステリーでした。重いです。ネットに明け暮れる我々はこういう話を読んで、自分の振る舞いを客観視する必要があるかもしれません。アレンジしてても、実在の企業と重なり過ぎです。ゲームオーバーって、SAWじゃないですか。
  • ガラパゴス 下
    派遣労働者の実態、そして液晶ディスプレイやハイブリッドカーなど日本の製造業が直面した問題をミステリーとうまく絡めて読み応えのある作品だった。
    「震える牛」でもそうだっだけど、ストーリー展開上に現代社会・企業の問題を織り込みつつもそれぞれの登場人物が丁寧に描写されているのでヒューマンドラマとしても没入...続きを読む
  • ガラパゴス 下
    激しい衝撃を覚えた。
    日本の有名な企業が、なぜ不正事件が頻繁に起こるのか?
    パート、派遣、請負労働など、想像もしない速さと深さで
    日本に潜入している。実に、2000万人を超えるという。
    正社員になることも、難しい時代に。
    そして、それに漬け込んだ悪辣な仕組み。
    不正を隠蔽しようとする体質。
    あぁ。日...続きを読む
  • ガラパゴス 下
    震える牛も凄かったですが、こちらも凄かったです。語彙と表現力が足りないので、この衝撃をうまく文章に出来ないのが歯がゆいです。
    自分の知識がニュースで何となく知った気になっていただけだった事がよく分かりました。
    今、仕事があって健康保険を使えて住む所がある事の有り難みをすごく感じました。
  • 震える牛
    本を持っているのに出先でどうしても読みたくなり買ってしまいました。
    面白さは皆さんが書かれている通り、折紙付きです。
    ネタバレにならないと思いますが、何かを食べながら読まない方が良いです。
  • ガラパゴス 下
    グイグイと話の展開に引き込まれた。
    読んでいて明快な結末にはならないと思ったが最後に一縷の望みが出てきた。
    人を殺める場合、その行為を分担すると一般の人でも出来てしまうとも思った。
    被害者の仲野という人物の短い人生を思うとなんとも言えない寂しさを感じる。
  • ガラパゴス 下
    「ガラパゴス(下)」
    これは本当にフィクションか。


    エディション通商(旧スキルビズ)に向かう交通の手段として、田川は妻・里美が乗り心地が悪いと愚痴っていたレンタカーを選ぶ訳ですが、何故乗り心地が悪いのか、燃費が悪いのかが明らかになっていきます。エコカー減税、クリーンエネルギー自動車補助金を持ち出...続きを読む
  • 血の轍
    面白かった。刑事部と警備部の対立を中心に、それぞれがいろいろなものを抱えてエスカレートしていく。緊迫感充分。
  • 共震
    文庫版を再読。東日本大震災の被災地で震災復興を支えるベテラン県庁職員が殺害された事件を発端に明らかになる被災地を食い物にする詐欺事件。震災から5年が過ぎ、震災の記憶も風化していくなかで多くの人に読んでもらいたい作品。
    文庫版あとがきに書かれた東京オリンピック決定の知らせを聞いた著者の「もしかしたら、...続きを読む
  • 株価操縦
    著者の得意分野である経済小説。ネットを利用した詐欺など身近で起こりそうな犯罪がリアリティがあり読み応えがあった。小難しい話だけにならないようプロレスラーの登場人物やプロレス団体をエッセンスとしてくわえられており、興味深く読むことができた。
  • 追尾~みちのく麺食い記者・宮沢賢一郎~
    「みちのく麺食い記者シリーズ」。
    岩手に向かう進学塾の合宿のバスがバスジャックされ、身代金を要求される事件が発生。偶然にもそのバスには捜査二課の田名部が乗り合わせていた。東北道を北上するバスと事件を追いながら、麺食い記者・宮沢の推理が冴えわたる。
    バスジャックという犯罪をスリリングかつスピーディーに...続きを読む
  • みちのく麺食い記者・宮沢賢一郎 奥津軽編 完黙(小学館文庫)
    「みちのく麺食い記者・宮沢賢一郎」シリーズ。
    青森と東京で発生した殺人事件を麺食い記者の宮沢と警視庁操作二課の田名部が真相を探っていくというストーリー。
    派遣切りなどの雇用問題も絡めていてミステリーだけでなく、社会問題も掘り下げた読み応えのある内容だった。
  • 震える牛

    食品と大型SC

    本作では、流通大手の店舗大型化と地方商店街の疲弊をリンクさせて、大型店舗の画一的なつくりが結果として町の色を消したと訴えている。一方、タイトルの通り、BSEを巡る風評被害や食品偽装など、流通の前段階に対する不信感、そうした動きに流通も加担しているのではないかという疑念が本作を読むにつれ脳裏に浮かぶ。...続きを読む
  • ゼロ打ち
    「ゼロ打ち」(相場英雄)を読んだ。

    時事ネタがらみの社会派エンタメですかね。

    投票締切と同時に当確速報を出す『ゼロ打ち』というより各社鎬を削る開票速報の裏側にメスを入れるという感じかな。
    ただ、大和新聞がNHR(日本放送連盟)に取って代わるためのカラクリがもうひとつ弱くないか。

    ゼロから選挙事...続きを読む
  • ゼロ打ち
    衆議院選挙で選挙報道センターに配属された大和新聞の社会部記者片山芽衣は激戦区の東京一区を担当。そんな中、ある都議会議員の不審死に関心を抱くが。政界の暗部、マスコミとの癒着…闇は深い。終末はあっけなく。