相場英雄のレビュー一覧

  • 楽園の瑕

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    樫山さん、真っ直ぐなままパワーアップしていてよかった。刑事部長か。「日本という楽園」誰にとって?もちろん兵頭たち格差を作って金儲けしてきた「フェイクフィクサー」たちにとって。この小説のように○中、○ソナ、○リックスなどの悪事が暴かれると爽快だけど、現実は見過ごされたり忘れたフリされるばかりで「お友達」は健在。新自由主義、規制緩和の名の下で行われた製造業への派遣労働解禁は未だに陰落とし、非正規雇用、格差社会へ。地方再生の美名のもと新たな騙し討ち起きてるのかなあ。○の屋も一役買ってるの?それほど悪いイメージなかったが…。

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    2025年11月12日
  • 震える牛

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    ネタバレ

    激しいイベントがあるわけではないものの、淡々とセオリーにしたがって地道な捜査をする、まさに私が読みたかった刑事ものでした!
    帯にハンバーガーが食べられなくなるおそれがありますとのキャッチーな注意書きがありましたが、読者としてでなく物語の中の消費者としてこの事件を知ったら食べられなくなるんだろうなと思えるくらい、内容は現実にあったら本当に嫌だけどありそうなラインですよね。
    恥ずかしながら続編の存在を知りませんでした。積読をある程度減らしたらぜひ購入したいです。

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    2025年11月10日
  • ブラックスワン

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    スケールが大きい、、

    アクション少なめ
    恋愛要素無しで

    なんか好きな作品

    歯磨きはいつ?
    美味しいものがたくさん出てくるので
    気になった

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    2025年10月26日
  • 震える牛

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    とても読み応えがあり面白かった。一事件から当時世間を賑わせた食品問題、大企業と政治、警察の複雑な要素が絡み合う。初めて読む作家だったが、徹頭徹尾伏線を回収し全ての小道具や人物像ですらうまく機能していたのには圧巻。主人公の田川が足で稼ぐタイプの古いデカという点も好感が持てた。
    タイトル、意味がそのままでもあるし大手スーパー名にも掛けてあるダブルミーニングも見事。日本の食品にかける安全システムが他国より優秀であること、企業は利益をあげるために何処までギリギリで運営しているのかと思うこと、表面の対外的な事実が事実とは限らないこと。複雑な思いが次々に湧いてくる。田川と記者・鶴田のその後の会話が気になり

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    2025年10月24日
  • ブラックスワン

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    相場作品の真骨頂、一気読み必至のハイテクミステリー小説。S級スパイ映画を観ているような語り口で、世界のパワーバランスを一変させる可能性のある全固体電池開発者のキーウーマンとその護衛をするPMCで元自衛官との逃亡劇を鮮やかに描く傑作。本筋とは関係ないが無言館は本当に一度行ってみたい。

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    2025年10月08日
  • 楽園の瑕

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    表記の女性は誰なのか?常にこれを意識しながら読むと物語の軸がぶれない。あからさまに次回作への伏線を張ってくれたラストには感謝しかない。次はいつ読める?

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    2025年09月29日
  • ブラックスワン

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    娘から沖縄に墓参に行く友人の警護を頼まれた城戸護は、何かしらの秘密を抱える真衣と共に行動するのだが…。

    日本の公安警察に入ったブラックスワンという謎の情報と、怪しい中国政府情報部の日本国内での動き、そして何故か全てを明かそうとしない真衣の存在。
    真衣の存在が国際情勢の機微に触れるからなのか、狙撃されるなど身に迫った危険から身を隠す2人の逃亡劇に読む手が止まらない。
    ただ、危険にさらされている割に幼く描かれる真衣に少し違和感があったが、本書にはそれを凌駕する面白さがあった。

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    2025年09月26日
  • 震える牛

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    数年前に地下鉄に乗っていた時に目の前に座っていた初老の男性が相場英雄さんの「覇王の轍」を読んでいた。その装丁がキレイで気になり調べ、相場英雄さんを知った。
    そこから本作を読むことにようやくなったのだが、大変失礼ながら期待しないで読み始めた本作は素晴らしい作品だった。刑事ものが好きなため読み始めたが、作家さんによりホントに描かれる刑事が違うもので楽しくて仕方ない。
    この作品も次作「ガラパゴス」があるとのことを知ったので、また読みたい。いつになるかは分からないが(-_-;)

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    2025年08月15日
  • 楽園の瑕

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    シリーズ2作。北海道から異動、山梨県警刑事部長となったキャリア樫山順子が地方創生の闇に迫る。フィクサーや政治家、悪徳企業が企む胡散臭い開発計画阻止に向け、隠遁生活を送る金融コンサルタント古賀遼も加わって…。愛する人と共に最後の力を振り絞った古賀の生き様に拍手!

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    2025年08月11日
  • 楽園の瑕

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    「覇王の轍」後、北海道から山梨県警・刑事部長に赴任した樫山順子シリーズ続編。地方創生を隠れ蓑にして、新自由主義で日本をダメにしたフェイクフィクサー・政商たる売国奴の暗躍を食い止めるための奮闘を描く、社会派ミステリーのこれまた傑作。警察小説としても政治小説としても十分楽しめる内容で頁をめくる指が止まらない。しかしこれ勿論架空名と断っているものの、モロ竹中平蔵・南部靖之とわかる人物像で、ニヤニヤしながら読めるが訴えられないか心配になるレベル。

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    2025年08月07日
  • ゼロ打ち

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    相場英雄『ゼロ打ち』ハルキ文庫。

    タイトルの『ゼロ打ち』とは、選挙の開票開始直後、開票率0%に近い時点で特定候補者の当選確実を報じることらしい。

    先日、参議院選挙があったが、投票日の投票締切り時間の20時の時点で続々と当選確実の一報が出ていたが、あれが『ゼロ打ち』かと納得。確か出口調査の結果などで当選の判定をするのではなかったか。

    自分の住む福島選挙区では投票締切り直後では立憲民主党の男性候補が出口調査の結果で1位だったのだが、開票が進むうちにカルトの旧統一教会と深い関係を築き、政治資金パーティーで集めた金を還流させて282万円の裏金を作り、ブライダル補助金の見返りにブライダル会社からは

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    2025年07月26日
  • 楽園の瑕

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    この本はフィクション(?) 一部ノンフィクションではないかと思ってしまうくらい
    派遣会社 ホテル業界 フィクサー 政治家など実在する会社や人物に当てはめながら読んでしまう。
    裏で悪事を働いてる人間が実際に存在してるのではないかと勘繰ってしまう。

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    2025年07月16日
  • 覇王の轍

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    あくまでフィクションではあるものの、出てくる会社のモデルはJR北海道。一利用者としては、利便性があって安ければ良いと思ってはいるが、根底に安全があってのものなんだなと改めて再確認した。この事件そのものにモデルはないかもしれないが、似たようなケースはいくらでもあり得ることではないかと想像した。最後のクライマックスのシーンでは全く想像していなかった登場人物の裏切りにかなり驚いた。

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    2025年06月07日
  • 覇王の轍

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    相場英雄『覇王の轍』小学館文庫。

    骨太の社会派警察小説。

    先に読んだ高村薫の合田雄一郎シリーズ『我らが少女A』よりは遥かに面白い警察小説であった。『我らが少女A』は主人公の合田雄一郎が積極的ではないし、未解決殺人事件も有耶無耶にされて消化不良も良いところだった。

    では本作の方はと言えば、現代社会に巣食う巨大組織による犯罪や重大事故の隠蔽や官僚天下り、贈収賄、政治のパワーゲームといった日本社会の闇に真っ向から斬り込み、二転三転するストーリーが非常にスリリングで面白かった。


    清廉潔白、潔癖、実直の警察キャリア官僚の樫山順子が着任したばかりの北海道警捜査二課で、国交省のキャリア技官の稲垣達

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    2025年05月16日
  • アンダークラス

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    ネタバレ

    「日本は日が昇る国だと、ベトナムにいる頃思ったね。でも、とっくに日が沈んだ国、貧乏人ばかりの国だよ。」
    「これから、日本人が景気の良いアジアに出て、仕送りする日が来るね。」

    「国民総中流社会」も今は昔、コロナ禍以降、分厚い中間層がごっそり下流へ滑り落ち、上流と下流にニ極化する新しい階級社会へ加速度的に移行しつつある現状を次々と突きつけられ暗澹たる気持ちに。劣悪な労働環境下で働く技術実習生たちの日々は、明日は我が身、に迫り来る。
    労働環境問題改善のために、大企業によるCSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)の取り組みが持つ重大性と意義を知る。前

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    2024年09月17日
  • 血の轍

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    ネタバレ

    「轍が違うんだ。公安と刑事の轍が交わることはない。」

    莫大な税金を使い、矜持を賭した刑事と公安の壮大な内輪揉め。同じ日本国の安寧を目指しつつも、立場の違いによる正義は決して重なることがない。最後にいいとこ全部持って行く監察官の格好良さよ。

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    2024年09月17日
  • 共震

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    ネタバレ

    「日付は止まったまま。日付が変わらずとも、沿岸の人間はなんとか生きていかなければならんのです。」

    物語の主人公と同じように、被災地を自分の足で歩き回り、自分の目で見、被災者に寄り添って、被災者の言葉に自分も同じように傷つきながら筆者が集めたエピソードの数々は、とてもリアルで胸にずしりと来るものがある。東日本大震災という一個の事実に対し、被災した人の数だけの真実があることをひしひしと感じた。
    絶望し、打ちのめされて、途方に暮れてもなお、懸命に前を向いて行こうとする被災地でさえ、容赦なく貧困ビジネスや詐欺、役人の不正や私欲に走るNPO団体が横行するのは、本当に許しがたい。
    ミステリーとしてはいま

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    2024年09月17日
  • マンモスの抜け殻

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    2024.09.03
    54歳のワタシだから星5つです。
    理由は2つ。
    1つ、自分の親も老いてきており、介護の問題が他人事ではないこと。自分も仕事の経験で介護の闇をよく理解しているから丁寧な描写に頷くばかり。
    2つ、主な登場人物と年頃が近く、特に面接のシーンを読み、私自身が作中に登場する応募者ならまず落とされると腑に落ちたこと。

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    2024年09月03日
  • アンダークラス

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    現在のところマイ・ナンバーワン相場英雄さん。社会派ミステリー。ベトナム人技能実習生がリアルすぎて可哀そう。旅行小説の楽しさもあり。最後しっかりハメてくれて、完成度高いです。

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    2024年08月16日
  • レッドネック

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    現実がうまく物語になっていると思う。
    収入どうこうではなく、今の自分は今の私が作った自分。人のせいにするみすぼらしさ。

    私は綺麗でいたい。

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    2024年05月04日