相場英雄のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
相場英雄『復讐の血』実業之日本社文庫。『鋼の綻び』を改題、大幅加筆修正、文庫化。警察小説と金融小説とが見事に融合した面白い作品。さらに日本人が決して忘れることの出来ないあの大事故までもが物語に絡み、思いも寄らぬ展開が待ち受ける。
新宿歌舞伎町で起きた金融ヤクザの惨殺事件から物語は始まる。殺人を教唆した金融ブローカー・矢吹巽と加害者のホストは『棄民』という言葉でつながる。一体、何に対する復讐なのか、どういう手段で復讐を果たそうとするのか。
相場英雄の小説は、市勢の人びとをないがしろにする巨悪の正体を静かな怒りをもって描いたものが多く見られる。この作品もまた『棄民』として政府に切り捨てられた市 -
購入済み
食品と大型SC
本作では、流通大手の店舗大型化と地方商店街の疲弊をリンクさせて、大型店舗の画一的なつくりが結果として町の色を消したと訴えている。一方、タイトルの通り、BSEを巡る風評被害や食品偽装など、流通の前段階に対する不信感、そうした動きに流通も加担しているのではないかという疑念が本作を読むにつれ脳裏に浮かぶ。
さて、以上2点を消費者という観点で整理すると、全く違った結論となる。すなわち、前者は消費者が選択できる一方で、後者は選択の余地がない。
後者は業者の行為は悪そのものであり、情状酌量の余地はない。
しかし、前者は大型店舗が一方的に批判されるべき筋合いではないと思う。こうなってしまった原因は、消費者の -
Posted by ブクログ
中野の居酒屋で、強盗が58万円を奪った挙げ句、客2人を持っていた包丁で斬殺するという事件。2年経っても犯人の目処が立たずお蔵入りかと思われていたところ、ロートル刑事田川にお鉢が回ってきた。聞き込みを行っていくと、どうやら大手スーパーオックスマートと何らかの関係があることが浮かび上がってきて…。
タイトルがずっと気になっていた、名作とされるミステリ。2年間未解決の事件を、それまでの捜査と異なった視点から解き明かしていく。
この作家は初めてで、話のスタートは森村誠一みたいだったので、証拠モノか?と思ったが、むしろ動機を探すみたいな話だった。この手の話で失敗するのは、だいたい殺し方や証拠に引きず -
Posted by ブクログ
ネタバレ面白かった。昔から表紙がインパクトあって覚えてたけどやっと読めた。
中年窓際刑事が2年前のお蔵入り事件をジワジワと解明してく話。タイトルはよくあるただの抽象的であんま内容とは関係ないのかなと勝手に思い込んでたけど、全然本編関係ありありだった。文字通り、震える牛=BSE。最初は全く関係無いような殺人事件だったけど、主人公刑事が粘り強く捜査するうちに段々朧げに繋がっていき、犯人まで辿り着く。最後は上司の裏切りでイラッとしたけど、地元商店街の雰囲気や部下とのほんわか会話、主人公の誠実な人柄もあってとても良い読み心地だった。登場人物は多いけど話は分かりやすくきちんとキャラも立ってるのでとても読み易かっ