相場英雄のレビュー一覧

  • ガラパゴス 下
    田川によって身元不明死体から、殺人の被害者として見出された903、仲野定文は、宮古島の模合から借金して九州の高専を卒業した優秀なエンジニアだったが、推薦された就職先ソラー電子を親友に譲るために面接を欠席した為、指導教師の反感を買い、就職できなかった。
    派遣労働者として、過酷な労働条件の下、地方の工場...続きを読む
  • 血の轍
    刑事と公安の蹴落としあいを中心に話が進んでいきます。警察って部署が違うだけでこんなに協力体制ないんだろうかって現実の警察組織のことを考えてしまいました。

    率直に言って面白い作品だと思います。話の展開も、えっ??そこ??って思うようなどんでん返しもあるので読み応えはありました。フィクションって感じが...続きを読む
  • 共震
    まもなく震災から10年経ちますね。私は当時東京で経験はしましたが、津波被害や原発事故に直面された人と見れば悲愴感はないと思います。トリック事態はまずまずでしたが、実際に、他人の不幸でお金儲けする輩はいるのでしょうか。それを知らしめるためにも読む価値はあると思いました。
  • ガラパゴス 上
    震える牛に続いて面白い。
    今回は身元不明遺体から自動車業界と派遣労働者にスポットを当て、前作同様「力を持つ側」の欺瞞を描く。

    この作品が書かれてから5年弱が経ったものの、依然として厳しい状況は変わらないだろう。
    規制も進んで以前ほどの無法地帯よりはマシになったと聞くが、それでも不安定なことに変わり...続きを読む
  • ガラパゴス 下
    上巻と同様、いやそれ以上に過酷な派遣の現実と、そこから正社員になっても結局上役の顔色を伺い続け、気が休まることのない悲惨さを描き出す。

    一番印象的なのは、作中の飲食店での田川と小島のやり取り。
    自社利益のためのコスト削減と規制緩和が行き過ぎた結果、派遣やアルバイトにしわ寄せが行き、騒ぎになってから...続きを読む
  • トップリーグ
    話と関係ありませんが、ハルキ文庫紙が薄いのかとても読みづらい。。

    話自体はとても面白く、一気に読んでしまいました。新聞記者と政治、手に汗握る展開で一気にひきこまれました。

    政治の裏側、きっと色々あるんだろうなぁ。

    終わり方が憎い!
  • 不発弾(新潮文庫)
    貧しい炭鉱街の暮らしから妹を救うため、体力頼みの場立ち要員として証券会社に就職。
    狂乱のバブルを己の才覚のみでのし上がった主人公は、ある事件をきっかけに復讐を始める。飛ばしの斡旋に明け暮れ、外資証券会社のデリバティブやT芝やOLP事件などが話のリアリテイを増す。欲望に踊らされた男たちの終わらない闘い...続きを読む
  • トップリーグ2 アフターアワーズ
     この総理の体制も、とうとう終わったので、「3」として、新たな政権のことを。
     「エピローグ」みたいな開放感は、まだ全く無いから。
  • トップリーグ
    描写もうまくとても読みやすいです。ちょっと松岡さんの政治部でうまくいきすぎるのが出来過ぎな感がありますが、結末含めとても良かったです。
  • トップリーグ
    面白いと噂には聞いていましたが、予想以上。
    「トップリーグ」とは、総理大臣や官房長官、与党幹部に食い込んだごく一部の記者。
    先日、一緒に仕事をしたことがあり、現在は国政をカバーしているD紙のI記者が、コラムで「トップリーグ」に触れていました。
    実在するのでしょう。
    さて、本書は、大手紙「大和新聞」の...続きを読む
  • リバース
    前作から間髪置かず読んだのが良かった。散り散りになった仲間が成長して再結成するのが良い。短編だが一連の流れになっているので読み応えもあった。一応の完結だが第二幕にも期待。
  • ガラパゴス 下
    前作に続き田川さんの地道な捜査が最高でした。労働者側と一定の地位を持った側双方ともあると思うと本当に恐ろしい。
    どうでもいい話として、いくつかの刑事小説で事件が起こると験担ぎで長いものは食べないと見たが、三重でミソ焼き。岩手でカレー南蛮と田川さんはきにしない。それが田川さん。
  • ガラパゴス 上
    今回も事件はフィクションでも背景はノンフィクションでは、と考えさせられます。
    田川さんの地道な捜査で明らかになって行く過程が先を急がせます。
  • 血の轍
    登場人物や肩書きがややこしくて最初戸惑う。
    しかも現在と過去が断りもなく入り乱れるのでますますわかりにくくなる。

    しかし話が動き出すと連続殺人事件と、過去の恐喝事件、そして警視総監襲撃事件が見事に一本の糸に収束していく過程は面白い。

    しかもそれだけでも一本のボリュームがあるのに、そこに刑事課と公...続きを読む
  • トップリーグ2 アフターアワーズ
    前作から5年後。昭和の一大疑獄事件に再び迫ることが出来るのか、5年前の踏み絵を再び踏むことになるのか。
  • トップリーグ
    総理大臣や官房長官付きの選ばれた記者、『トップリーグ』
    永田町で生きる政治家、官僚のタブーに迫ることが出来るのか?!現政権とリンクする登場人物や背景のリアルさと、仕事を持つ働く人全てが程度の差はあれどぶち当たる問題に共感。続編への伏線が張り巡らされていると思うとワクワクします。
  • 共震
     東日本大震災の復興に尽力する宮城県震災復興企画部の課長が東松島市の仮設住宅で殺害され、大和新聞記者の宮沢と、警視庁刑事部捜査二課の田名部管理官が被災地を歩き回り、その真相に迫る話。
     災害廃棄物、被災家屋の解体、高台移転に伴う用地確保などの膨大な復興予算を狙い、あらゆる復興事業に闇社会が手を伸ばし...続きを読む
  • トップリーグ2 アフターアワーズ
    ドラマ化と同時にしれっと発売された感が否めない「トップリーグ」の続編。
    いきなり文庫で発売されたのと、前作の終わり方が非常に残念だったので、発売から読むまで少し時間がかかった。
    その結果…
    公式なあらすじでも、レビューでも見受けることが出来なかったのだが、前作と今作の間に「KID」の話があるようで、...続きを読む
  • トップリーグ2 アフターアワーズ
    トップリーグを読んで、阪/菅義偉の手法があからさまに
    明らかになった。
    続編のトップリーグ②は、その後に松岡がトップリーグとなり、
    酒井が、京都で塾の先生になっているところから始まる。
    松岡は、郷里に戻って、松岡の父親のことを知ることになる。
    松岡の父親は、政治家の私設秘書であり、
    その時の同僚が、...続きを読む
  • 復讐の血
    なんとも相場さんらしい作品でした。本当にこんな事が私のような下々の者が分からないところで起きているのではないかと思ってしまいました。TVでよく見るあの人がちらついて仕方ありませんでした。棄民とはなんと嫌な言葉です。