あらすじ
まもなく国家の財政は破綻します!
出版社の営業・池内貴弘は急な異動で月刊誌の経済担当に。新たな職場に戸惑う最中、叔母から不動産運用に関して相談を受ける。執拗に融資を持ちかける担当者は、なんと仙台の地銀に勤務する池内の元恋人だった。
池内は面会するも、直後に彼女は自殺してしまう。一体なぜ? 周辺取材から見えてきたのは苦境の地銀と、過酷なノルマだった。彼女はその処方箋を求めて、ある男に会っていたという。
古賀遼、人は彼を金融界の掃除屋と呼ぶ。政界の重鎮の命を受け、日銀総裁人事にも関与していたようだ。池内は、古賀の暗躍を白日のもとに晒そうと奔走するが――。
この小説は経済記事よりリアルだ――解説・原真人氏(朝日新聞編集委員)
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Posted by ブクログ
日本の財政は破綻しますよ、アベノミクスで。という内容。反対派の立場から、問題点を描き、政策を変えようと、政権にまで歯向かっていく、という気骨ある小説だが、色んな登場人物で飽きずに読ませてくれる。
Posted by ブクログ
相場英雄『イグジット』小学館文庫。
これは、経済ホラーサスペンス小説と言っても良いのかも知れない。
はっきりとした結末は用意されておらず、前半で自殺した地方銀行の女性行員についても深堀りは無く、どうにもスッキリしない。ただ日本政府と日銀への不満と日本経済の未来に不安を煽るだけの小説であった。
今年、ついに日本はドイツにも抜かれ、GDPで世界4位に転落する見込みである。円安は止まらず、昨日1ドル150円台に突入した。バブル経済崩壊後、30年間も経済成長に伸び悩み続け、世界一の財政赤字を抱える日本に出口はあるのだろうか。
出版社の言論構想社で営業を担当していた池内貴弘は急な異動で出版社の顔とも言える月刊誌の経済担当になる。なかなか記事を書けずに戸惑う中、都内に住む叔母から不動産運用に関する相談を受ける。叔母の元に池内のかつての恋人で仙台の地方銀行に勤める千葉朱美が叔母に家の裏の空いている土地にマンションを建てることを勧めると言うのだ。
池内は千葉朱美と面会し、不動産運用の内容を確認すると、その直後に彼女は自殺してしまう。池内は周辺取材から地方銀行で彼女が置かれた苦境と過酷なノルマがあったことを知る。そして、彼女が最後に頼ったと言う金融コンサルタント会社コールプラニングの古賀遼という人物と面会する。
金融界の掃除屋と呼ばれる古賀遼は何故か池内を気に入り、池内の日本経済の疲弊の裏側をレクチャーし、池内の友人の実家の危機に手を差し伸べる。その後、池内は古賀遼が政界の重鎮の命を受け、日銀総裁人事にも関与していたことを知る。
先週、タイに出張することになり、円をバーツに両替するついでに4年前の中国出張で余った人民元を円に両替したところ32.000円にもなった。確か4年前は20,000円程度だったはずだ。今回の出張費が丸々浮いたのは助かったが、如何に円が弱くなったかを実感した。
最近、値上りを痛感するのが書籍の価格だ。少し前まで1冊700円程度で購入出来た文庫本が今では1冊900円である。海外翻訳物だったら、1冊で1,200円から1,500円は覚悟しないといけない。上下巻なら2,400円から3,000円だ。もしかしたら、本を買って読むという時代は終わったのだろうか。
また、銀行も金利など殆どゼロなのに休日だ、深夜だと言って、ATMの利用料をやたらと取り始めた。また自分が利用している岩手の地方銀行に至っては外資に身売りしてしまい、ダイレクトメールなどは熊本の会社にアウトソースしている。その地方銀行にはかなりの額の定期預金をしていたので危機感を覚え、解約した。熊本からのダイレクトメールに高齢者の間は詐欺ではないかとちょっとした騒ぎになったようだ。
バブル経済崩壊後に政府と日銀は企業ばかりを優遇し、見掛けだけの経済成長を演じて来た。そこに東日本大震災という自然災害と原発事故が重くのしかかり、ひと息ついたところに新型コロナウイルス感染禍が始まり、アベノミクスなる愚策が経済成長にとどめを刺した。散々無駄金をばら撒いた安倍が退いたと思ったら、何を言っているのか解らない菅が後を継ぎ、何も出来ぬままに消えてしまう。
そして、次に現れた史上最悪の岸田という税金の海外バラマキ無駄遣い男が火に油を注ぎ、日本経済を大炎上させた。そんな岸田を支持する国民が居るというのだから全く不思議だ。
瀕死状態の日本にはかつてのような繁栄は望めない。頼むから自分が死ぬまでの後20年か30年ばかりは何とか保てって欲しいと願うばかりだ。
本体価格930円
★★★★
Posted by ブクログ
ミステリーというより経済サスペンス
日本経済が破綻に向かっていることを示唆する物語
為替、日銀、銀行、国債の仕組みなどなど勉強になります。
実在の人物、政策をぼかしつつもこれは誰のことかわかっちゃうっていうのがミソ(笑)
出版社の営業だった池内は異動で月刊誌の経済担当へ。
その元恋人が仙台の地銀に勤めながらも、東京で営業。
そして自殺。
その背景には苦境にあえぐ地銀の姿、過酷なノルマ..
そんな彼女が最後に会った男が古賀。
池内はその古賀に会って、日本経済の裏側を聞くことに..
さらに、古賀が政界の重鎮からの指示で動いていて、日銀総裁人事にも絡んでいることを知る。
古賀の暗躍を記事にしようと奔走します。
異次元の金融緩和や国債発行により、日本経済は瀕死な状態。
さらにコロナが追い打ちをかける
その状況を日銀OBがクーデターと称して白日のもとに晒そうとしますが...
という展開です。
リアルな世界では、今現在の日本を取り巻く状況はすさまじい。
トランプによるイランとの紛争。
イランのホルムズ海峡封鎖による石油危機。
そんな中、円安が進み、対ドルでは155円、ユーロでは185円までになっています。
ざっと、5年前は110円と130円ぐらいだったと思うので、4割ぐらい円が安くなっている感じ。
一方で日経平均は29000円から63000円へ
物価は上がるが、給料上がらず、生活は苦しくなるばかり
そして、金利も復活。
さて、日本経済の出口はあるのか..
Posted by ブクログ
「世界中に火種はあるが、一番ヤバいのは日本だ」!
銀行は個人や企業から預金を集め、これを資金需要のある企業に融資という形で融通する。その際、預金には利子を付け、融資にはそれよりも高い利子を付けることで、サヤという収益を得ている。
千葉の自殺の背後に隠された事実があるかもしれない。確固たる情報はないが、自ら死を選ぶような後輩ではない……
月刊誌「言論構想」で経済分野を担当することになった元営業マン・池内貴弘は、地方銀行に勤める元・恋人が東京に営業に来ている事情を調べるうち、地方銀行の苦境、さらにこの国が、もはや「ノー・イグジット(出口なし)」とされる未曾有の危機にあることを知る。
金融業界の裏と表を知りつくした金融コンサルタント、古賀遼。バブル崩壊後、不良債権を抱える企業や金融機関の延命に暗躍した男は、今なお、政権の中枢から頼られる存在だった。そして池内の元・恋人もまた、特殊な事情を抱えて古賀の元を訪ねていた。
やがて出会う古賀と池内。日本経済が抱える闇について、池内に明かす古賀。一方で、古賀が伝説のフィクサーだと知った池内は、古賀の取材に動く。そんな中、日銀内の不倫スキャンダルが報道される。その報道はやがて、金融業界はもとより政界をも巻き込んでいく。
テレビ・新聞を見ているだけでは分からない、あまりにも深刻な日本の財政危機。エンタテインメントでありながら、日本の危機がリアルに伝わる、まさに金融業界を取材した著者の本領が存分に発揮された小説。
Posted by ブクログ
日経ビジネスで連載された際には途中まで読んだ『イクジット』。仙台の地方銀行に勤務していた同級生が追い詰められ自死したことを受け、その裏に潜む社会課題の取材を開始した雑誌記者の主人公。ネタバレで詳細は控えるが、アベノミクスを推し進める中で、リフレ派、反リフレ派の日銀内での内部対立がリアルに展開される。暗躍するフィクサーと対峙する主人公の行く末が興味をそそったが、やはり政治の力は絶大であると痛感せざるを得ない。我が国のイクジット(出口)はどうなるのか?今後の植田日銀に期待である。
Posted by ブクログ
フィクションでありつつも実在の人物をモデルにキャラクターを描いているためイメージしやすかった。ただ、小説としては少し盛り上がりが欠けている気がした。
Posted by ブクログ
金融界のフィクサーとして裏の仕事をする古賀遼。
『不発弾』の古賀遼、と、気づく。
仙台あけぼの銀行の行員である元恋人の死をきっかけに、苦境に喘ぐ地銀の取材を開始する月刊誌『言論構想』記者・池内貴弘。
金融コンサルタントとして取材した古賀が伝説のフィクサーと知り、池内は取材を進める。
その最中、日銀副総裁の不倫スキャンダルが発覚。
事態は政界をも巻き込んだ金融危機へ…
度重なる金融緩和政策や国債発行で日本は、もはや『ノーイグジット』とされる危機、瀕死の状態であると気付く。
池内や堀田が日銀のクーデターを記事にしようとするが…
結局、池内の元恋人の自殺の原因もよくわからず。
ただの銀行員がひとりで金融コンサルタント・古賀に会いに行き、相談をもちかけるのも??
池内の営業部からの異動理由も??
古賀は最後には姿を消し…
何か疑問が残りすぎる…
何か詰め込みすぎなのか、モヤモヤ感が残る…
古賀が主人公でよかったんじゃないか。
経済の詳細な話をするために、記者になりたての池内を登場させたんだろうが…
古賀の裏社会での暗躍をもっと見たかった。
古賀はまた帰ってくるんだろうが…