相場英雄のレビュー一覧

  • 共震
    震災当時やその後の様子がありありと目に浮かぶ...。石巻や南三陸など震災から約3週間後に目にした光景は、未だに脳裏から離れない。
    当事者同士だから分かり合えるものがある。そうした意味では自分は無能だ。
    ミステリーとしては、様々な社会問題や犯罪行為を織り交ぜつつ、真相に迫っていくが...。これで落ちる...続きを読む
  • 血の雫
    説明
    内容紹介
    スマホをタップした瞬間、あなたもターゲットになる――。ネット社会の深層領域に迫る衝撃作。東京都内で連続殺人事件が発生。凶器は一致したものの被害者同士に接点がなく捜査は難航する。やがて事件は、インターネットを使った劇場型犯罪へと発展していく――。前代未聞の「殺人ショー」に隠された犯人の...続きを読む
  • 血の雫
    3月-17。3.5点。
    包丁でメッタ刺しにされた被害者。連続殺人へ。
    被害者同士に共通点はあるのか。
    過去にSNSで晒された刑事が、サイバー捜査出身の新米と捜査する。

    イマドキの事件。サラッと読める。
  • 血の雫
    ネット犯罪のお話かと思っていたのですが、次第に震災被害のお話に変わっていった感があります。そういう意味ではそれぞれ深堀りされない、全体として中途半端になってしまったような印象があります。
    また、ひまわりが連続殺人をする動機、なぜあの4人が惨殺されなければならなかったのか?という意味では、少し疑問も感...続きを読む
  • トラップ
    『ナンバー』の続編。警視庁捜査2課。経済犯・知能犯を取り扱う。横領したり、詐欺をする知能犯は、自分が罪を犯したと思っていない。詐欺とは詐欺だと思ってするものではない。嘘と現実の境界線がないのだ。『土管』『手土産』『捨て犬』『トラップ』の4編。
     高校の時は野球部で活躍した西澤辰巳警部補に対する上司の...続きを読む
  • 血の雫
    裏アカを持ってる人ってどれくらいいるのだろうか?便利になればなるほど歪んだ世界になっていくような気がする。葛西が殺されなかったということは馬目が殺すべき対象と判断しなかったということなのだろうか?終わりはややスッキリしなかったな。
  • 血の雫
    連続殺人事件の発生。共通するのはSNS。そのSNSに苦しめられた刑事、田伏とSNSに強いが癖のある相棒の刑事、長峰が殺人事件に挑む。SNSの裏側の世界、犯人の挑発と過激な殺人など劇場型の展開にぐいぐいと引き込まれた。そんな中でリアルな社会問題も見せているところは作者からのメッセージだろうか。とりわけ...続きを読む
  • 血の雫
    SNS時代の劇場型犯罪を扱ったサスペンス小説。
    いわゆる炎上とは何か、TORとは何かなど、ネット初心者でもわかりやすい説明が親切。
    話の風呂敷を広げすぎていて、ちょっと回収しきれていない感じ。
  • みちのく麺食い記者・宮沢賢一郎 奥津軽編 完黙(小学館文庫)
    シリーズ3作目。筆者得意の派遣労働者モノ(こんな社会じゃない方が良いのだろうが)。謎解きとしては少しユニークかな。ミステリーと対をなすメインテーマの食に関してもシンプルな描写で食欲を湧き立たされる。津軽の文化も含めて充実の1冊に仕上がってると思う。
  • みちのく麺食い記者・宮沢賢一郎 奥会津三泣き 因習の殺意(小学館文庫)
    2時間ドラマにぴったりな作品。何となく怪しいと思う人物はいたが、クライマックスまでうまく隠していたと思う。その土地の気質、文化をきっちり取り込んでいて読み応えがあった。裁ちそばすっごく食べたい。
  • 血の雫
    モデルの女性、タクシーの運転手、隠居老人が相次いで殺された。共通点は、Twitterの利用者であること。悪意のあるツイートがもたらす悲劇とは・・・

    「ガラパコス」などの社会派ミステリーと較べるとややスケールが小さめ。でも動機にはやや深いものがある。

    作者の最高傑作とまではいかないような気がするけ...続きを読む
  • 血の雫
    社会派ミステリーが得意な作者さんの今回のテーマは、SNSやネットを使った劇場型犯罪。
    いかに現代の人たちがSNS依存症なのかに警鐘を鳴らし、それによる連続殺人、その連続殺人もネットの世界に晒されていく…
    そんな現代への反論的な作品化と思っていたら、途中で、話が福島の風評被害へと主軸が変わっていく。
    ...続きを読む
  • 血の雫
    SNS問題と福島避難民問題を絡めた社会派サスペンスミステリー。

    テーマとしては重いものを警察バディ風味にして読みやすく工夫されていました。
    犯人の偽装行動はありがちだし、犯行動機は理解できるものの行動に一貫性がないようにも感じました。
    また、若いバディが真犯人を特定するシーンが唐突で、その理由の説...続きを読む
  • ガラパゴス 上
    とある事件からストーリーが企業の人材派遣労働者への非人道的な問題へと発展。
    刑事ものかとおもいきや、前作「震える牛」を彷彿とさせる。
    後篇の展開に期待!
  • ガラパゴス 上
    古い団地の一室で、自殺に偽装して殺害された心優しき青年。遠き故郷を離れ、日本各地を転々とする派遣労働者だった彼は何故殺されたのか。現代の生き地獄を暴露する長編ミステリー。
    資本主義経済は搾取する側とされる側の下成り立っている。ただひと昔前は、そこに我が国独特の家族的な労使関係が存在していた。その妥協...続きを読む
  • ガラパゴス 下
    過酷な労働条件の中で、常に明るく他人に優しかった宮古島出身の青年。一方、非正規の人材を部品扱いする大企業と人材派遣会社。現代日本の不都合な真実を暴き出す長編ミステリー。
    誰かを蹴落とさなければ生きていけないという哀しい現実。人類は常に戦うことでしか己の存在価値を見出だすことができないのかと、気が滅入...続きを読む
  • リバース
    シリーズ完結編。本作で初めて主人公・西澤以外の視点が挿入され、五人の三知メンバーそれぞれの視点が最終的に大事件を炙り出す。ピースが出揃う終盤はシリーズ三冊分の鬱憤を晴らすが如くカタルシス全開だが、ラストは読者の想像に委ねられる形で終幕。福島原発を発端とする詐欺・汚職事件が一貫したテーマで綿密な取材の...続きを読む
  • 不発弾(新潮文庫)
    大手企業の粉飾決算の裏で暗躍する一人の金融コンサルタントを捜査二課が追う―という粗筋は「ナンバー」シリーズを連想するが、バブル期から現代までの日本経済を描く大河小説でもある。証券市場や金融商品の仕組みが自分には難解過ぎたが、炭鉱町から裸一貫這い上がった証券マンがバブル期の狂乱を経て混沌渦巻く巨大な暗...続きを読む
  • トラップ
    シリーズ二作目。前作「ナンバー」は主人公・西澤警部補の脇の甘さばかり目についてしまったが、本作では成長の兆しが伺える。それでも情報提供者を盲信してしまう危うさはのっけから健在。今回はシリーズ初登場の若手キャリア・小堀が新風を吹き込んでいた。長編なら徐々に登場人物に厚みが出るのだが、短編ゆえにメインキ...続きを読む
  • ナンバー
    警視庁捜査二課。殺人などの凶悪事件を担当する捜査一課とは違い、横領や詐欺といった狡猾な知能犯と対峙する。その二課に所轄署から配属された西澤警部補は、独特の捜査方法や同僚をライバル視する捜査員に戸惑いながらも眼前の犯罪に立ち向かっていく。人はどんな時に人を騙し、裏切り、真実を隠蔽するのか。細かく作り上...続きを読む