相場英雄のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
元自衛隊レンジャー部隊隊長で傭兵上がりの凄腕ボディガード城戸護。
過去のある事件で日本にいられなくなり現在は台北に住む城戸の許に、カナダに住む養女アグネスから友人警護の依頼が舞い込む。
対象は日台混血の応用化学研究者福本真衣。
真衣の台湾、沖縄訪問を護衛することになった城戸だが、初めに訪れた台湾プロ野球の球場で狙撃され、いきなり急展開に。
真衣が抱える秘密に日中米政府の思惑が重なり、一連の事件の背景にブラックスワンと呼ばれる巨大な謎が展開する。
城戸のテクニックを駆使した逃亡劇は面白いし、現行の数千倍のエネルギー密度を持つ全固体電池が発明されれば確かに至るところでゲームチェンジャーにはなると思うが、スナイパーの目的は結局よくわからず、治外法権に守られていたはずの中国人スパイがスナイパーに撃ち殺されても何故か大ごとにならず、真衣が頑なだった理由も微妙だったりと尻すぼみ感は否めない。 -
Posted by ブクログ
「世界中に火種はあるが、一番ヤバいのは日本だ」!
銀行は個人や企業から預金を集め、これを資金需要のある企業に融資という形で融通する。その際、預金には利子を付け、融資にはそれよりも高い利子を付けることで、サヤという収益を得ている。
千葉の自殺の背後に隠された事実があるかもしれない。確固たる情報はないが、自ら死を選ぶような後輩ではない……
月刊誌「言論構想」で経済分野を担当することになった元営業マン・池内貴弘は、地方銀行に勤める元・恋人が東京に営業に来ている事情を調べるうち、地方銀行の苦境、さらにこの国が、もはや「ノー・イグジット(出口なし)」とされる未曾有の危機にあることを知る。
金融業界の裏と表を知りつくした金融コンサルタント、古賀遼。バブル崩壊後、不良債権を抱える企業や金融機関の延命に暗躍した男は、今なお、政権の中枢から頼られる存在だった。そして池内の元・恋人もまた、特殊な事情を抱えて古賀の元を訪ねていた。
やがて出会う古賀と池内。日本経済が抱える闇について、池内に明かす古賀。一方で、古賀が伝説のフィクサーだと知った池内は、古賀の取材に動く。そんな中、日銀内の不倫スキャンダルが報道される。その報道はやがて、金融業界はもとより政界をも巻き込んでいく。
テレビ・新聞を見ているだけでは分からない、あまりにも深刻な日本の財政危機。エンタテインメントでありながら、日本の危機がリアルに伝わる、まさに金融業界を取材した著者の本領が存分に発揮された小説。