相場英雄のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
労働環境を背景とした社会派ミステリー。以前読んだガラパゴスに続いて田川警部が解決に動く。
相場英雄さんの作品なので、「アンダークラス」という表題は経済的か社会的か下層を意味する。決して教室の床下ではない。日本経済は正にアンダークラスに向かっているように感じるのは私だけだろうか?
技能実習生として外国から日本の技術を学びに来る真面目な学生も多い。日本企業の人手不足を補い、技術を出身国に持ち帰るのが本来の目的なのに、違法に安い労働力としてしか見ていない一部の会社もある。田川警部とその企業との戦いが描かれているものの、本質は制度にあるように思う。
今やベトナムの富裕層はどんどん増加している。日本人が海外で安い賃金で酷使される日も来るのかもしれない。安い賃金でないと成り立たない事業もあるのは事実なのだろう。だからといって人としての限界を超える仕事はどの国の人であってもあってはならないと思うのである。完全な制度はない。韓国や台湾の制度の方が秀逸であるなら、学びとることも厭わない姿勢が政治や官僚に求められる。 -
Posted by ブクログ
登場人物たちの人間関係に違和感があると思っていたら、シリーズものでした!
そんなシリーズものなのに、東日本大震災を下敷きとしたミステリー。
しかし、とくにミステリーとして面白いところはなく、物語の主軸は東日本大震災の復興に伴うところ。
それがあまりにリアルで、ミステリー要素はおまけです。
トリックなんかも、なんだかなって感じ...
震災の復興に尽力してきた宮城県庁の課長の早坂が他殺体で発見されます。
恨まれることなどなかった早坂がなぜ殺されることになったのか?
大和新聞の遊軍記者の宮沢賢一郎がこの事件を追うことに。さらに、早坂のメモには、警視庁捜査二課の田名部の名前が残されていました。
で、田名部と宮沢が事件の真相を追っかけることになっていきます。
そして、復興予算を食い物にする組織の存在が明らかになっていきます。
殺害のトリックはおいておいて、被災地の真実、事情、苦悩、被災者の想いがリアルに語られています。
それだけでお腹いっぱいの物語。そして胸が熱くなる物語。
もう、あれから10年以上。風化させていはいけない!
お勧めです -
Posted by ブクログ
前半は「日本の産業構造の黒い真実に迫る」みたいなノリだったのに…ふたを開けてみれば弱者を踏みにじって覇権を狙う大会社の経営者達のわかりやすい悪だくみに、実直な末端労働者が犠牲になったという、なんとも矮小化された顛末だった。しかも悪役たちの「俺たち悪者だぜ」ってような稚拙な人物描写もこの作品を安っぽいエンタメ小説に貶めてしまってる。
あとしょうもないことですが、自動車産業が描かれる作品からか、事件当事者以外のメーカー名・車名も当初架空のものでそろえられていたのに、終盤になって「セドリック」「スバル・レガシィ」という実在の車名が登場したのはなぜでしょうか。
それだったら前半から(事件に関するもの以外は)実在の名前を使ってた方がリアリティを演出できたのに… なんかモヤっとした。
まあ自分の正義を貫く手練れの刑事が黒幕たちを追い詰めていく勧善懲悪ストーリーは読んでて気持ちいいし、キーマンの一人である悪徳刑事のキャラづくりなんかもいいスパイスになってる。それなりに見どころはあります。 -
Posted by ブクログ
相場英雄さんというと、社会派ミステリーを想起させられるが、ガラパゴスという題名が何を物語るのか、興味が湧いてくる。
派遣労働の闇、自動車整備工場の黒い側面を通じて、警視庁捜査一課継続捜査班・田川刑事が過去の事故として処理された案件を相棒で鑑識課の木幡とあぶり出す。
現在の日本経済の低迷は、社会システムの老朽化によるものだと思う。そういった意味で「ガラパゴス」という題名なのだろうか、田川が使っているのがガラケーだからだろうか。
ある生い立ちを背景にもつ名古屋弁の鳥居刑事は、元上司の森と何を考えどう動くのかもポイントになる。
背景に政治と金がついて回るミステリーだ。最後に派遣労働の闇を提起して上巻は終わった。 -
Posted by ブクログ
**トップリーグ**
相場 英雄【著】
**内容説明**
「トップリーグ」とは、総理大臣や官房長官、与党幹部に深く関わるごく一部の記者を指す。大和新聞の松岡は、入社15年目で政治部に異動し、瞬く間にそのトップリーグ入りを果たす。一方、同期入社の酒井は週刊誌のエース記者として独自の道を歩んでいる。酒井が「都内の埋め立て地で発見された一億五千万円」の謎を追う中、昭和史に残る巨大な疑獄事件が浮かび上がり、官邸のタブーに迫る―。政治の裏側を描いた本作は各紙誌で絶賛され、続々と重版された問題作である。
**感想**
政治サスペンスというジャンルに最近ハマっている私にとって、本作はとても魅力的でした。特に、アメリカのホワイトハウスを舞台にしたドラマ『ハウス・オブ・カード』をNetflixで観ていたこともあり、日本の政治の裏側を描いたこの作品にはすぐに興味を持ちました。政治の世界は一筋縄ではいかない、非常に複雑で奥深いものだということを改めて感じさせられます。作中で描かれる政治家と記者との緊張感のある関係性も非常にリアルで、現実の政治に対する理解が深まりました。政治の世界を知ることが、私たちがその未来に積極的に関わっていく上で重要だと感じさせてくれる一冊です。今後、現実の政治にももっと関心を持ち、理解を深めていきたいと思います。