相場英雄のレビュー一覧

  • 不発弾(新潮文庫)

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    少々冗長だが、バブル期の企業の不正をモチーフに描く、至極のエンターテインメント作品。会社創業の目的から逸脱した事業に手を染めることによる凋落...。人の、世の中の、社会の役に立つ仕事をしよう。
    「儲け話には必ず裏がある。もし誘いに乗りそうになることがあったら、一旦その場を離れて冷静に考えてみるんだな。」当たり前のことを当たり前に行えない人達が、不発弾を抱え、いつか爆発するのだろう。

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    2019年08月21日
  • トップリーグ

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    『命の保証はない』
    政界の深い闇に切り込んだ記者の運命は…
    永田町激震の大スクープ‼️
    小説でしか描けない官邸最大のタブー、東京オリンピックを控えた都内の埋め立て地で発見された1億5千万円、昭和史に残る一大疑獄事件との関連は…次々に明らかとなる闇に蠢く影は何か。
    トップリーグとは、総理や官房長官、与党幹部に食い込んだごく一部の記者を指すとのこと。

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    2019年08月19日
  • みちのく麺食い記者・宮沢賢一郎 奥津軽編 完黙(小学館文庫)

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    派遣切りがテーマの旅情ミステリー。トリックはやや捻りがあり、違和感がある。奥津軽の文化に触れられているのはいい。病気や怪我によって陥る負のスパイラル。そこに救いの手を差し伸べる人たちの心情と背景にあるものを描く。弱者に優しくない社会構造、価値観、思想...。この国はどこに向かうのか...。

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    2019年08月14日
  • ナンバー

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    警視庁捜査二課を舞台としたストーリー、短編4編。

    捜査二課は、殺人などを担当する捜査一課と違い、詐欺や横領、贈収賄などの知能犯罪を担当する。

    相手が狡猾な知能犯ゆえ、捜査や行確、内偵などもかなり神経を使う。

    所轄から配属された西澤警部補。
    様々な失敗に戸惑いながら、一歩一歩進んでいく姿に、共感します。

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    2019年07月24日
  • ナンバー

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    あまり警察小説を読まないので新鮮でした。日常の警察の方には感謝を思う反面、結局内部軋轢が出てくるのが王道?と言うのが64もそうですが、興味が削がれます。

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    2019年07月23日
  • 血の轍

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    ネタバレ

    周到に準備された仕込みは、悪意以外のなにものでもない...。水面下の暗闘から互いに露骨に打ち合う怒涛の後半は、そこまでやるか、の応酬で途轍もない。タイトルに納得。最後のシーンに少し救われる。

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    2019年07月08日
  • リバース

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    シリーズ初の長編と謳いながらも、章ごとに違う人物の視点で描かれており、過去作同様テンポよく読める。ミステリーだけでなく福島原発事故を題材とし、被災者の想いを掬い取る良作。バラバラになった「三知」が個々に成長を遂げ(怪しい人物もいるが)、最終章に至る流れにテンションが揚がる。真藤の男気、人間性の暴露ネタに共感。分度、推譲...。人並みに生きよう。

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    2019年07月04日
  • トラップ

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    短編連作でさーっと読めた。警察や検察、犯罪の起こる構造を詳細に描いた秀作。そんな落とし穴があるのね、と感心することがちらほら。組織の原理・価値観を超えるのって本当に難しい...。

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    2019年06月26日
  • 偽金 フェイクマネー

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    仮想通貨がテーマだが、その他の要素を盛り込み過ぎ...という印象。正直、お腹いっぱい、というより深読みし過ぎて疲れた感じ。伏線を気にし過ぎた...。
    ただ、話の流れはスムーズでテンポよく読める。丹念な調査による構成もお見事。

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    2019年06月21日
  • 血の雫

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    ミステリー仕立てだったけど、テーマが分散してしまっているので、何をしたかったのかがわかりにくくなったような印象です。

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    2019年06月13日
  • ナンバー

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    短編のタイトルによる伏線をきっちり回収し、スッキリする短編連作。200頁ぐらいでさーっと読め、読後感も良好。職場が変わり、異動先の職場環境、価値観などに振り回されながらも、イチ職業人としての成長記録と読むのが無難か..。短編にも関わらず、どんでん返しが盛り込まれ、満足いく一冊。

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    2019年06月12日
  • 共震

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    ネタバレ

    震災当時やその後の様子がありありと目に浮かぶ...。石巻や南三陸など震災から約3週間後に目にした光景は、未だに脳裏から離れない。
    当事者同士だから分かり合えるものがある。そうした意味では自分は無能だ。
    ミステリーとしては、様々な社会問題や犯罪行為を織り交ぜつつ、真相に迫っていくが...。これで落ちるのかなぁ...。

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    2019年06月02日
  • 血の雫

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    説明
    内容紹介
    スマホをタップした瞬間、あなたもターゲットになる――。ネット社会の深層領域に迫る衝撃作。東京都内で連続殺人事件が発生。凶器は一致したものの被害者同士に接点がなく捜査は難航する。やがて事件は、インターネットを使った劇場型犯罪へと発展していく――。前代未聞の「殺人ショー」に隠された犯人の真の目的とは。地道な捜査を続ける刑事たちの執念と、ネット社会に踏みにじられた人々の痛みが胸に迫る社会派ミステリ。



    犯人ひまわりの腹だたしさはわからなくもないけど だから殺人を犯すという気持ちは私にはわからない。
    人を殺したいと思うまでの憎しみを感じたことがないからなのかもしれないけど...

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    2019年04月29日
  • 血の雫

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    3月-17。3.5点。
    包丁でメッタ刺しにされた被害者。連続殺人へ。
    被害者同士に共通点はあるのか。
    過去にSNSで晒された刑事が、サイバー捜査出身の新米と捜査する。

    イマドキの事件。サラッと読める。

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    2019年03月29日
  • 血の雫

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    ネタバレ

    ネット犯罪のお話かと思っていたのですが、次第に震災被害のお話に変わっていった感があります。そういう意味ではそれぞれ深堀りされない、全体として中途半端になってしまったような印象があります。
    また、ひまわりが連続殺人をする動機、なぜあの4人が惨殺されなければならなかったのか?という意味では、少し疑問も感じ、例えば卓越した知識のあるSEであれば、中傷した本人を突き止めたり、復讐や自分の気持ちを伝える術はあったのではないか?と思われました。
    そして、物語の結末は掲示板のテーマの抜粋のみでしたが、最後はひまわりの意志が無残にももみ消されて、あっという間に風化してしまったことを示していて、相場さんの他作品

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    2019年03月08日
  • トラップ

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    『ナンバー』の続編。警視庁捜査2課。経済犯・知能犯を取り扱う。横領したり、詐欺をする知能犯は、自分が罪を犯したと思っていない。詐欺とは詐欺だと思ってするものではない。嘘と現実の境界線がないのだ。『土管』『手土産』『捨て犬』『トラップ』の4編。
     高校の時は野球部で活躍した西澤辰巳警部補に対する上司の真藤警部のアドバイス。このアドバイスが、実に暗示的で、要点をついている。西澤は、その言葉を噛み締めながら、徐々に成長していくが、結局は、自白だけで、検察にあげるが、その自白を覆されて、釈放されてしまう。
    証拠を固め、逮捕状を上司に求めるが、上司は「まだだ」と冷静に告げる。立件に自信を持っている西澤は

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    2019年02月18日
  • 血の雫

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    裏アカを持ってる人ってどれくらいいるのだろうか?便利になればなるほど歪んだ世界になっていくような気がする。葛西が殺されなかったということは馬目が殺すべき対象と判断しなかったということなのだろうか?終わりはややスッキリしなかったな。

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    2019年02月14日
  • 血の雫

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    連続殺人事件の発生。共通するのはSNS。そのSNSに苦しめられた刑事、田伏とSNSに強いが癖のある相棒の刑事、長峰が殺人事件に挑む。SNSの裏側の世界、犯人の挑発と過激な殺人など劇場型の展開にぐいぐいと引き込まれた。そんな中でリアルな社会問題も見せているところは作者からのメッセージだろうか。とりわけ福島の風評被害とはこんなにひどいものだったのかとショックだった。そのせいか田伏の娘の言葉が心に染みた。怒濤の展開は面白かったが、相棒の長峰が最初はくせ者で面白かったのに後半は、あまり目立つことなく存在感が薄くなってしまったところは残念だった。

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    2019年02月12日
  • 血の雫

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    SNS時代の劇場型犯罪を扱ったサスペンス小説。
    いわゆる炎上とは何か、TORとは何かなど、ネット初心者でもわかりやすい説明が親切。
    話の風呂敷を広げすぎていて、ちょっと回収しきれていない感じ。

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    2019年01月18日
  • みちのく麺食い記者・宮沢賢一郎 奥津軽編 完黙(小学館文庫)

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    シリーズ3作目。筆者得意の派遣労働者モノ(こんな社会じゃない方が良いのだろうが)。謎解きとしては少しユニークかな。ミステリーと対をなすメインテーマの食に関してもシンプルな描写で食欲を湧き立たされる。津軽の文化も含めて充実の1冊に仕上がってると思う。

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    2019年01月15日