あらすじ
大和新聞の菊田美奈子が詰める東京証券取引所に、レストランチェーン・西大后に対するTOB(株式公開買い付け)情報が入った。報道により、西大后の株価は乱高下する。だが、すべては違法な仕手戦により巨万の富を得ようとした金融ブローカーの罠。魔の手はネットを通じて個人の資産にも向かう……。マネー犯罪の深部をえぐる経済ミステリ。
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Posted by ブクログ
プロローグは地方の工場の描写から始まる。そこからプロレスの現場、そして兜町の記者クラブの話に展開していくので一体どういうストーリーが繰り広げられていくのか掴みづらいスタートだった。しかしながら、後半に入って全体の繋がりが見えてきてから面白さが増していった。
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ネットや株取引などが手軽に知れる内容。用語解説は入れて欲しいところだが...。プロローグで「格差」をプロットし、そこを軸に登場人物を切り分けていく。自分以外のことに無関心、鈍感な者への復讐劇、と言ったところ。プロレス団体の挿入は、昭和のプロレス大好きな著者のご愛嬌か、はたまた現在のプロレス団体への警鐘か...。頁数も適当でさっと読める。
Posted by ブクログ
経済の事もプロレスのことも株のことも何もわからないのに、面白かった。
そして、恐ろしかった。
これを読むと、ほんま日本って…あかんなぁ。
自分も、自分のことしか考えれてなくて誰かを傷つけてたら嫌やな。
しかし、ほんまに色々と勉強になる小説やった。
Posted by ブクログ
株価操縦というよりも、ネットのセキュリティーの怖さの方が印象に残りました。そういう意味では双子の悪魔という題名に変わったことは理解できます。ストーリー展開としても楽しめたのですが、沼島に同情してしまう部分があるため主人公に100%感情移入できず。プロレスや洋楽に興味がないことも残念ではありました。沼島の怨念がそこまで深く暗いものであるとは。。。。
Posted by ブクログ
『震える牛』で社会事件を取り上げた秀逸な作品の著者が、既に起こっている?、益々拡大する可能性がある犯罪を題材にした作品を書いている。
貧富の差が拡大、人口が減り、外国人訪日者増え、スマホにいろんなものが突っ込まれる便利な時代。
顧客数が減少するので、商品価値を高めようと努力する企業。結果、あらゆるものをひとつに集約することを実現。
便利さを実感すると後戻りは困難。
そこに完全なセキュリティは存在せず、その隙をついて犯罪を成り立たせる。
リスクとリターンの観点で考えるべきだが、ありうるなぁ、自己防衛力を高めないと。
Posted by ブクログ
○新潟県出身で、時事通信で記者をしていた相場氏の著作。
○特定株式への介入(仕手戦)を中心とした株式市場を舞台とし、企業の買収やTOBといった経済社会の問題(?)やインターネット犯罪(スキミング等)などの現代的な闇を描いた作品。
○現代社会の課題をあぶり出しつつ、一方で、在日差別といった前近代的なキーワードを絡ませる展開がおもしろい。
○分量も少なく、割と短時間で読める作品。
○分量が少ない分、展開が急な場面も多く、特に「英里」の役割については、もう少し背景のストーリーがあっても良いのではと感じた。