あらすじ
会社の都合で、不当な依願退職を余儀なくされた男・椎名は、怠惰な日々を送るも、あることをキッカケに復活を期す。それが電子マネーだ。オンライン将棋ゲームのサイトを立ち上げ、ネットマネー、プリペイドカード、企業ポイントなどの<偽金=フェイクマネー>を利用し、一攫千金を狙う。一方、スクープを探すフリーの女子アナ・田尻は、<陸マイラー>をヒントに、企業ポイントを徹底取材。しかし、カネや特ダネを追い求める彼らの影で、国境を越えて暗躍する現代ヤクザの手が伸びて、事件が錯綜する――。カネとは何か、仕事とは何か、自然とは何か、生きるとは何か。現実(リアル)がわかりづらい世の中で、少し先の未来が見えてくる。一気読み必至の傑作エンターテインメント小説。怒濤の結末に驚愕! ラスト、涙を流す!! 解説/田口幹人(さわや書店 フェザン店) ※本書は、『偽装通貨』(東京書籍)を大幅に改稿、改題したものです。
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Posted by ブクログ
お金に関する若干生々しい話です。私にとっては少し難しい話でしたが、ゆっくり読んでいけば分かりました。他の方も書いていらっしゃいますが、この話は「現実にない形のお金」が世間で広く知られる前に書かれたものなんですよね。先見の明のある著者だと思いました。
Posted by ブクログ
2015年の当時で、これだけのことが起こり
作品にしていたというのは、すごいなぁ。
その先見性に、驚く。
ビットコインが、注目されtのは、
2017年のことだった。
確かに、仮想通貨はマネーロンダリングに最適だった。
銀行をつかわないという発想がポイントだが、
仮想通貨は、現実に着地した時には、税金としてカウントされる。
日本では、購入することで、様々なポイントがつく。
このポイントは、一定集まることと、そのカードしか使えない。
ポイントが、共通化して、お金に換金できれば
実に無駄がなくていいのだが、と思っていた。
現状のポイントは、実に面倒である。
その上、カードやスタンプカードが増えるばかりだ。
それをうまく、仮想通貨に関連させて、
説明をしていく手法は、実に巧妙である。
ネットゲームで、ポイントも換金できれば、
ゲームにハマる人も増えるだろう。
椎名は、銀行から、できすぎたゆえに、
合併の際に、出向を命じられ、やめる。
七海ファイナンス サラ金の会社に入り、
会長の王様に気に入れられ、活躍するが、
会社を乗っ取られることで、首になる。
あまり運も良くないよだ。
椎名は、新潟地震で、里帰りしていた
身ごもった嫁と娘を失った。
その時、娘は ドラえもんの歌を歌っていた。
椎名は、気がつかないけど、
自然とドラえもんの口笛を吹いている。
ゲームのクリエーター 城所。
将棋センターの香子。
それをチーム化して、「お金の越境」をさせる。
そのお金は、税金もかからなくなる。
タックスヘブンの国を使用しないところが、いいと思う。
五味という正体不明の男が、椎名につきまとうことに。
サラ金の王様は、気をつけろと いう。
レーザー兵器は、ちょっと 無理があるね。
お金を ポイントに帰る時、銀行を使えば、
やはり、脱税に なってくるのでしょうね。
中国の資金規制は、かなり厳しく、銀聯を使うというのも
制限されているので、フィクションの中で、
いくつかの 瑕疵があるが、それは見逃すことができるでしょうね。
Posted by ブクログ
2008年の単行本「偽装通貨」を現状に合わせて大幅改稿したそうで、7年前の時点で電子マネーの問題点に目を付けたというその眼力には恐れ入りました。マイナンバーですべての電子マネー&ポイントを集約するなんて話もじゅうぶんあり得るのかもしれませんね。
Posted by ブクログ
企業などのポイントが物語の中核に据えられている。ポイントやマイルがこれだけ当たり前になっている現代に読むとさほど新しさを感じないという感覚ではあったが、そのストーリーに報道の観点やヤクザの視点も交わらせた点は面白かった。
Posted by ブクログ
仮想通貨がテーマだが、その他の要素を盛り込み過ぎ...という印象。正直、お腹いっぱい、というより深読みし過ぎて疲れた感じ。伏線を気にし過ぎた...。
ただ、話の流れはスムーズでテンポよく読める。丹念な調査による構成もお見事。
Posted by ブクログ
会社の思惑で依願退職を余儀なくされた男は、オンラインゲームの電子マネーに目をつけ、一攫千金を狙う。キャスターを目指すフリーの女子アナは、企業ポイントを取材、特ダネを探す。“偽金フェイクマネー”を追いかけるふたりの陰で、現代ヤクザが暗躍。巨額マネーをめぐる、拉致・脅迫から国際紛争まで事件は広がり、怒涛の結末へー。