相場英雄のレビュー一覧
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ネタバレ「トップリーグ」のその後。
トップリーグに上りつめた松岡は、社の方針に従って記事を書き続ける。政治について語る講演会なども開催し、注目を浴びている。地元に帰ればヒーロー扱いだ。だが、政治部に異動したばかりの頃に持っていた記者の魂は捨てたも同然だ…元・同僚も裏切り、心に鉛を抱えているようだ…。でも彼の本質は完全に変わったわけではなく、どんなに偉くなってもハイヤーの運転手にも礼儀正しく接し、奢ることはない。まだ記者としての誇りが残っている。
そこにいくつかの偶然が重なり、若くして亡くなった自分の父親と永田町との因縁がわかってくる。また、同じように深い事情を抱えた後輩記者がトップリーグ入りを果たし、 -
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テレビでよく見る官房長官の記者会見。記者の質問に淡々と答える。私たちが知る政治家と記者のやりとりは、実は茶番で、本当はトップリーグと呼ばれる一部の選ばれし記者たちが、政治家とやりとり…というか、取り引きしている?っていう話。
大手新聞社は昔から、世論の形成に深く関与してきた。ならば、政治家はマスコミをうまく操らなければならない…ってことか。
新聞社の政治部に異動になった松岡は、なぜか官房長官の阪に取りたてられ、あれよあれよという間にトップリーグの仲間入りをする。政治の中枢に足を踏み入れれば、記者があるべき姿とは実態がかけ離れていて葛藤する。
現政権の裏側を暴いた元同僚は命さえ狙われる。松岡はそ -
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前作『震える牛』での社会派ミステリての圧倒的な存在感が印象に残っており、メモ魔、田川刑事シリーズ二作目を手に取る。
日本を支える一大産業、自動車産業、そしてその効率・生産性を支えた人材業界の薄暗い闇を描く作品。
身元不明者で、自殺と処理されていたとある遺体。
田川の鋭い観察眼により、他殺であったと判明する。
殺されたのは誰なのか。
なぜ殺されたのか。
どうやって殺されたのか。
ひとつひとつの謎を解きほぐしていくうちに、みえてきたのは巨大企業の歪み、そして闇。。
田川刑事の捜査は見応えがありました。ただ、動機はなんとなく腑に落ちなかったかな。。悲しい結末には、現代社会の暗闇がありました -
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詐欺や横領事件を捜査する警視庁捜査二課。知能犯捜査係シリーズの3弾。
なんだけど、私、「ナンバー」は読んだけど次の「トラップ」読んでなくてこっちの作品を先に読んじゃったよ…。
まあいいか…。
福島の原発事故。多額の保証金、そして賠償金、復興のためという土木作業や除染にかかるお金。
そこに群がる有象無象がお金の匂いに引き寄せられてやってくる。復興詐欺や利権…。知能犯たちに立ち向かうのはかつて煮え湯を飲まされた三知チーム。今回の敵は思いのほか巨大な敵で…
自分たちのふるさとを追われた住民たち。
原発という国からの事業を背負ったリスクはあまりにも大きい。
それでも原発を誘致する県がある。
そし