相場英雄のレビュー一覧
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面白いと噂には聞いていましたが、予想以上。
「トップリーグ」とは、総理大臣や官房長官、与党幹部に食い込んだごく一部の記者。
先日、一緒に仕事をしたことがあり、現在は国政をカバーしているD紙のI記者が、コラムで「トップリーグ」に触れていました。
実在するのでしょう。
さて、本書は、大手紙「大和新聞」の経済部から、畑違いの政治部に異動となり、直後に官房長官に気に入られてトップリーグ入りする中堅記者の松岡が主人公の一人。
そして、もう一人の主人公が、かつて松岡と同期で大和新聞に入社し、現在は退社して特大のスクープ報道を売り物とする週刊誌で記者をしている酒井。
この2人の視点で物語は進みます。
松岡は -
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ネタバレ登場人物や肩書きがややこしくて最初戸惑う。
しかも現在と過去が断りもなく入り乱れるのでますますわかりにくくなる。
しかし話が動き出すと連続殺人事件と、過去の恐喝事件、そして警視総監襲撃事件が見事に一本の糸に収束していく過程は面白い。
しかもそれだけでも一本のボリュームがあるのに、そこに刑事課と公安の確執を描きこみ相対する主人公達の立ち位置が丁寧に描かれて、本作のテーマである「立場の違いによる正義」が見事に描かれる。
それぞれの思いを引きずりながらも捜査に打ち込む主人公達の姿はひたすら熱い。
ただ、兎沢の娘が白血病で亡くなり、その医者を公安が捕まえてとか、米村の奥さんの浮気相手が兎沢の上 -
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ネタバレ東日本大震災の復興に尽力する宮城県震災復興企画部の課長が東松島市の仮設住宅で殺害され、大和新聞記者の宮沢と、警視庁刑事部捜査二課の田名部管理官が被災地を歩き回り、その真相に迫る話。
災害廃棄物、被災家屋の解体、高台移転に伴う用地確保などの膨大な復興予算を狙い、あらゆる復興事業に闇社会が手を伸ばしていることは被災地ではよく知られているので、本作のテーマそのものは被災地の人にはあまり目新しくない。
でも、本作に出てくる被災者の言葉や、宮沢記者と田名部管理官が感じる葛藤の様子に、単なるミステリーとしての一作品ではなく、震災の復興、被災者の心の復興を心から願う作者の熱意が伝わったし、読み応えがあっ -
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ドラマ化と同時にしれっと発売された感が否めない「トップリーグ」の続編。
いきなり文庫で発売されたのと、前作の終わり方が非常に残念だったので、発売から読むまで少し時間がかかった。
その結果…
公式なあらすじでも、レビューでも見受けることが出来なかったのだが、前作と今作の間に「KID」の話があるようで、「KID」を先に読んでいたので、大畑の成長、それから大畑と阪との関係がより良く分かった分、さらに面白さも増した。
前作から5年。
前作で刺された酒井は京都で学習塾を開いていた。
そこに現れた、パワーアップした大畑。
5年前に酒井を裏切って、出世の階段を順調に上がっている大和新聞の松岡に復讐しようと持 -
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トップリーグを読んで、阪/菅義偉の手法があからさまに
明らかになった。
続編のトップリーグ②は、その後に松岡がトップリーグとなり、
酒井が、京都で塾の先生になっているところから始まる。
松岡は、郷里に戻って、松岡の父親のことを知ることになる。
松岡の父親は、政治家の私設秘書であり、
その時の同僚が、阪だった。それは、クラスター事件の収賄のお金を
清廉潔白な森山議員ももらっていて、もみ消そうとした。
松岡の父親は、それを告発しようとして、自動車事故を装って、
殺されることとなった。そのことを知った松岡は、
阪の企んでいる仕掛けを全面的に告発することだった。
上司の阿久津専務の所業も暴かれることに -
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初めて相場英雄の小説を読みました。
新聞記者の主人公松岡直樹36歳が政治部に転属になって、政治の表裏、暗部にまで入り込んでいくフィクション小説だが、現代の政治家をモデルにしたと思われる人物が次々にリアルに描かれ、ノンフィクション小説かと勘違いしてしまう。
物語の核は、お台場で聖徳太子の肖像画の古いお札が入った大金が発見されたことから始まり、それが大昔のロッキード事件を明らかにモチーフした裏資金であることである。
そしてもう一人の主人公、松岡の元同僚で今は週刊誌記者の酒井祐治が命をかけてそのネタを追いかけ、最後は松岡にその思いを託す。
昔のロッキード事件の時の首相や商社の幹部、政商、右翼の大物、 -
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ネタバレ東京都内で連続殺人事件が発生。凶器は一致したものの被害者同士に接点がなく
捜査は難航する。やがて事件は、インターネットを使った劇場型犯罪へと発展していく――。
初読みの作家さんでした。
SNSの悪意が事件解決のカギを握る。
悲しい犯罪だけれど、どんな理由も人を殺していい理由にはならない。
一気に読まされた。
オタクでコミュ障の長峰君が実はイケメンって、
ありがちだけどよい設定!
人間らしく怒りを感じるところだって益々興味津々だ。
要するに長峰ファンということだけれど、
田伏氏の家族の絆がとってもつよいところも魅力的だった。
田伏氏もそろそろ、スマホに変えてもいいのかもね。
SNSも、「