相場英雄のレビュー一覧
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秋田県能代市で、老人施設入居者85歳の死体が近隣の水路から発見された。雪荒ぶ現場、容疑者として浮上したのは、施設で働くベトナム人アインである。外国人技能実習生のアインは、神戸の縫製工場で働きながら、僅かな収入を母国の家族へ送金する日々を送っていた。劣悪な労働条件に耐えかね失踪。列島を転々として東北にたどり着いた。重篤なガンを患っていた入居者に請われて、自殺を幇助したとの自供を始める。これで解決か……。捜査官らは安堵したが、ひょんなことから捜査に加わった警視庁継続捜査班の田川信一は、死体の「手」に疑いを抱いた。捜査線上にあがったのは、流通業界の覇者として君臨する世界的IT企業サバンナだった――。
田川刑事のシリーズは、2作目の「ガラパゴス」は未読だが、織田裕二主演のドラマは観た。「踊る」の青島刑事よりも枯れた感じでなかなか良かった。この小説もドラマ化されるとのこと。楽しみである。
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突然の解散総選挙、激戦区の東京1区、選挙応援に駆り出される都知事、地元に顔のきく古参都議会議員、選挙情勢を必死に取材する大手マスコミの新聞社とテレビ局。名称は架空にしてあるが、誰でもモデルはわかるようになっている。元テレビタレントの女性知事って誰よ。いろいろなネタが満載、開票速報ってそうやって出されるのね。
開票番組が始まった途端に出る当選確実というやつにはいつもやれやれという感じがしていたが、それで争っているマスコミに正直関心はない。当確、ゼロ打ち、全部マスコミ村の勝手な競争じゃないですか。主人公の新聞記者が言う言葉もそのとおり。で、この話はどう落とし前つけるのか。
世の中の真実を知りたいと言う民衆の期待に応えるのが報道の果たす意味なんて、思い上がりもいいとこ、という気持ちを投げつけたくなるエンディング。大手新聞社では取材した真実を書けないから文春や新潮もどきの週刊誌で書くことを選ぶって、ギャグでしかない。
ストーリー展開は面白かったし、スリリングでもあった。多分文章も上手い。でも通信社記者から作家になったこの人の本をまた読むかはわからない。 -
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ミステリーというより経済サスペンス
日本経済が破綻に向かっていることを示唆する物語
為替、日銀、銀行、国債の仕組みなどなど勉強になります。
実在の人物、政策をぼかしつつもこれは誰のことかわかっちゃうっていうのがミソ(笑)
出版社の営業だった池内は異動で月刊誌の経済担当へ。
その元恋人が仙台の地銀に勤めながらも、東京で営業。
そして自殺。
その背景には苦境にあえぐ地銀の姿、過酷なノルマ..
そんな彼女が最後に会った男が古賀。
池内はその古賀に会って、日本経済の裏側を聞くことに..
さらに、古賀が政界の重鎮からの指示で動いていて、日銀総裁人事にも絡んでいることを知る。
古賀の暗躍を記事にしようと奔走します。
異次元の金融緩和や国債発行により、日本経済は瀕死な状態。
さらにコロナが追い打ちをかける
その状況を日銀OBがクーデターと称して白日のもとに晒そうとしますが...
という展開です。
リアルな世界では、今現在の日本を取り巻く状況はすさまじい。
トランプによるイランとの紛争。
イランのホルムズ海峡封鎖による石油危機。
そんな中、円安が進み、対ドルでは155円、ユーロでは185円までになっています。
ざっと、5年前は110円と130円ぐらいだったと思うので、4割ぐらい円が安くなっている感じ。
一方で日経平均は29000円から63000円へ
物価は上がるが、給料上がらず、生活は苦しくなるばかり
そして、金利も復活。
さて、日本経済の出口はあるのか.. -
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ネタバレ台湾情勢、EV覇権、中東の火種など、現代の地政学リスクを鮮やかに切り取った国際謀略エンタメ。
元自衛官の傭兵、公安、他国のスパイなど、登場する各陣営のプロフェッショナルたちが放つ圧倒的な有能さが心地よい。保護対象である無垢な少女とのコントラストが、謎多き主人公の経歴に対する説得力を持たせ、物語の推進力をさらに際立たせる構造。
特筆すべきは、日常に溢れる些細なニュースや断片的なデータから、世界の裏側で蠢く真実を紡ぎ出していくインテリジェンスの描写。情報戦ならではの知的興奮と、世界を股にかけたスピーディな攻防の連続。
現実世界のニュースの見方も少し深くさせる、リアリティと熱量に満ちた一冊。
終盤の鮮やかな収束にはエンタメ特有の飛躍も垣間見えるてしまうが。。