相場英雄のレビュー一覧
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前半は「日本の産業構造の黒い真実に迫る」みたいなノリだったのに…ふたを開けてみれば弱者を踏みにじって覇権を狙う大会社の経営者達のわかりやすい悪だくみに、実直な末端労働者が犠牲になったという、なんとも矮小化された顛末だった。しかも悪役たちの「俺たち悪者だぜ」ってような稚拙な人物描写もこの作品を安っぽいエンタメ小説に貶めてしまってる。
あとしょうもないことですが、自動車産業が描かれる作品からか、事件当事者以外のメーカー名・車名も当初架空のものでそろえられていたのに、終盤になって「セドリック」「スバル・レガシィ」という実在の車名が登場したのはなぜでしょうか。
それだったら前半から(事件に関するもの以 -
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相場英雄さんというと、社会派ミステリーを想起させられるが、ガラパゴスという題名が何を物語るのか、興味が湧いてくる。
派遣労働の闇、自動車整備工場の黒い側面を通じて、警視庁捜査一課継続捜査班・田川刑事が過去の事故として処理された案件を相棒で鑑識課の木幡とあぶり出す。
現在の日本経済の低迷は、社会システムの老朽化によるものだと思う。そういった意味で「ガラパゴス」という題名なのだろうか、田川が使っているのがガラケーだからだろうか。
ある生い立ちを背景にもつ名古屋弁の鳥居刑事は、元上司の森と何を考えどう動くのかもポイントになる。
背景に政治と金がついて回るミステリーだ。最後に派遣労働の闇を提起して -
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**トップリーグ**
相場 英雄【著】
**内容説明**
「トップリーグ」とは、総理大臣や官房長官、与党幹部に深く関わるごく一部の記者を指す。大和新聞の松岡は、入社15年目で政治部に異動し、瞬く間にそのトップリーグ入りを果たす。一方、同期入社の酒井は週刊誌のエース記者として独自の道を歩んでいる。酒井が「都内の埋め立て地で発見された一億五千万円」の謎を追う中、昭和史に残る巨大な疑獄事件が浮かび上がり、官邸のタブーに迫る―。政治の裏側を描いた本作は各紙誌で絶賛され、続々と重版された問題作である。
**感想**
政治サスペンスというジャンルに最近ハマっている私にとって、本作はとて -
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帯に「目で見る物語。心の眼で捉える想い。焦点が合うその刻を、見逃すな。」と書いてある。警察小説とも書いてある。目と眼を使い分けている。目は目全体を指し、眼は眼球を指すが、心が付くことで意味は大きく変わる。
警察小説というと横山秀夫さんを思い浮かべるが、読んでいて、これって横山さんだっけ?と感じる場面もある。
内容は、見当たり捜査班に配属された片桐は成果を出せないでいた。ベテラン刑事の稲本は次々と成果を上げていく。違いは何か?
その稲本が言った言葉が「心眼で物事や人を観察しろ。絶対に本質だけが浮かび上がってくる。」と、片桐はそれをモノにできるだろうか?
見当たり捜査は地道な捜査だが、新たに捜 -
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元々他人の作る料理を信用していないので
基本的に外食はしないんだけど、これを読んだら
尚更外でご飯食べるのを避けたくなっちゃう。笑
ただの殺人事件かと思いきやBSEに関わる事件へ
広がり、こんな展開になるとは思わなかった。
いい意味で裏切られました(。•~•。)
田川、滝川、鶴田、それぞれの視点で
見たら見え方が変わり、真相が明らかになる…
やたらと現実味があって…これは1部現実なんじゃないか…と
思ってしまうし、仮に現実だとしたら怖すぎるよね。
まぁ今の時代、衛生管理はしっかりしてるし
基準も高くなってるので、信じたい…。
まぁこれからも外食は基本的にしませんけど…。笑