相場英雄のレビュー一覧

  • ガラパゴス 下

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    前半は「日本の産業構造の黒い真実に迫る」みたいなノリだったのに…ふたを開けてみれば弱者を踏みにじって覇権を狙う大会社の経営者達のわかりやすい悪だくみに、実直な末端労働者が犠牲になったという、なんとも矮小化された顛末だった。しかも悪役たちの「俺たち悪者だぜ」ってような稚拙な人物描写もこの作品を安っぽいエンタメ小説に貶めてしまってる。
    あとしょうもないことですが、自動車産業が描かれる作品からか、事件当事者以外のメーカー名・車名も当初架空のものでそろえられていたのに、終盤になって「セドリック」「スバル・レガシィ」という実在の車名が登場したのはなぜでしょうか。
    それだったら前半から(事件に関するもの以

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    2024年10月28日
  • ガラパゴス 上

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    相場英雄さんというと、社会派ミステリーを想起させられるが、ガラパゴスという題名が何を物語るのか、興味が湧いてくる。
    派遣労働の闇、自動車整備工場の黒い側面を通じて、警視庁捜査一課継続捜査班・田川刑事が過去の事故として処理された案件を相棒で鑑識課の木幡とあぶり出す。

    現在の日本経済の低迷は、社会システムの老朽化によるものだと思う。そういった意味で「ガラパゴス」という題名なのだろうか、田川が使っているのがガラケーだからだろうか。

    ある生い立ちを背景にもつ名古屋弁の鳥居刑事は、元上司の森と何を考えどう動くのかもポイントになる。
    背景に政治と金がついて回るミステリーだ。最後に派遣労働の闇を提起して

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    2024年10月24日
  • トップリーグ

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    **トップリーグ**
    相場 英雄【著】

    **内容説明**
    「トップリーグ」とは、総理大臣や官房長官、与党幹部に深く関わるごく一部の記者を指す。大和新聞の松岡は、入社15年目で政治部に異動し、瞬く間にそのトップリーグ入りを果たす。一方、同期入社の酒井は週刊誌のエース記者として独自の道を歩んでいる。酒井が「都内の埋め立て地で発見された一億五千万円」の謎を追う中、昭和史に残る巨大な疑獄事件が浮かび上がり、官邸のタブーに迫る―。政治の裏側を描いた本作は各紙誌で絶賛され、続々と重版された問題作である。

    **感想**
    政治サスペンスというジャンルに最近ハマっている私にとって、本作はとて

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    2024年10月11日
  • 心眼

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    ネタバレ

    ナレーターが杉田智和さんだったことをきっかけにオーディブルで聴いた。
    片桐が稲本の姿を通して成長していき、初めて検挙できた時「よかったな片桐...!」と言いたくなる気持ちになった。
    視野を広くしていろんな視点から物事を捉えて本質を見抜くことの難しさと大切さを改めて実感した。

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    2024年09月26日
  • ゼロ打ち

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    「ゼロ打ち」に何の価値も見出だせない一般視聴者の私には理解できない選挙特報。
    一方利権の絡み合う都、警視庁、都議会議員の内情はサモアリナンと面白く読んだ

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    2024年09月22日
  • サドンデス

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    現実のお金持ちもこんな感じだったら怖いなあ〜

    お金持ちになるとよく派手なパーティを行うって話を聞いたり、危ないこともあるって聞くし、結局お金持ちの人はその世界に入っていってしまうんだろうか。

    そこまで年収高くない家庭の方が幸せ指数が高いという話は本当なのかも。

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    2024年09月20日
  • 御用船帰還せず

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    ネタバレ

    まずまず。
    五代徳川将軍の時代。武士の役割は終わり、商業の時代になってきており、金の産出も減少したため、小判の金比率を下げなければいけなかったようだ。
    エンターテイメントのよくできた作品。

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    2024年09月14日
  • ファンクション7

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    うーん、解説通りかな。中国や北朝鮮を絡めて、犯罪小説や、ミステリーを書かれると、まさに手に汗を握る展開となり、そんな相場さんの、懐の広さに感謝です。

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    2024年09月04日
  • ゼロ打ち

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    ネタバレ

    選挙をめぐる「政治」と「カネ」の深い闇。
    帯にある説明文の方が的確なタイトルのように思えた。
    ゼロ打ちは確かに出てくるが、どちらかというと民放がNHRを追い越し、ゼロ打ちをいかに早く出すかということが話の中心だった。
    汚職と癒着、国政と都政、民放と公共放送、ネットニュースと新聞社、それぞれ相対する視点は面白かった。

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    2024年08月01日
  • 心眼

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    帯に「目で見る物語。心の眼で捉える想い。焦点が合うその刻を、見逃すな。」と書いてある。警察小説とも書いてある。目と眼を使い分けている。目は目全体を指し、眼は眼球を指すが、心が付くことで意味は大きく変わる。
    警察小説というと横山秀夫さんを思い浮かべるが、読んでいて、これって横山さんだっけ?と感じる場面もある。

    内容は、見当たり捜査班に配属された片桐は成果を出せないでいた。ベテラン刑事の稲本は次々と成果を上げていく。違いは何か?
    その稲本が言った言葉が「心眼で物事や人を観察しろ。絶対に本質だけが浮かび上がってくる。」と、片桐はそれをモノにできるだろうか?

    見当たり捜査は地道な捜査だが、新たに捜

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    2024年07月31日
  • ゼロ打ち

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    投票結果をそんなに早く知りたいかな、当事者でないほとんどの国民はどうなんだろう。それにかかる労力や経費考えたら、もう選挙管理委員会発表のみでいいのに。

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    2024年07月09日
  • レッドネック

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    いま都知事選で色々騒がれているのもあり興味深く読めました。日本でのレッドネック層である報われない可哀想な人達に珍しく同情出来ない描かれ方でした。ミソノさんが食べてる唐揚げ…我が家の犬以下のご飯だよ(笑)主人公の女の人がなんかずっと好きになれなかったなぁ。
    同著者のガラパゴスに出てきた非業の死を遂げた青年の恩師が出てきて切なくなった。

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    2024年07月05日
  • サドンデス

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    闇金ウシジマくんぽくて、私の好きなジャンル。
    読みやすかったけど、もうちょっとハラハラしたかったな〜

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    2024年06月15日
  • ゼロ打ち

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    選挙の裏側に仕組まれた罠。
    テレビ局(想定はNHK)よりも先に当確を出すために新聞社が打つ手とは。
    ゼロ打ち、は投票が終わり開票した瞬間(開票率ゼロ)で当確を打つこと。その為に大変な努力をして事前に情報を集める。

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    2024年06月14日
  • ゼロ打ち

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    選挙について、新聞記者と候補者の事務所スタッフからの視点が交互に構成されて進んでいきます。
    その裏で殺人事件や政治家の裏金等がからみますが、私的には大きな盛り上がりを感じられず終了。
    タイトルの「ゼロ打ち」=開票率0%での当選確実、
    の掘り下げではなかった。

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    2024年06月04日
  • ゼロ打ち

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    中盤まではハラハラの展開だったが各種の謎の真相と動機が予想外に陳腐で拍子抜け。どうせならラストシーンに続く後日談まで書いてスッキリさせてほしかった。

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    2024年05月27日
  • サドンデス

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    うーん…面白く読んだんだけど、やっぱり色々雑って言うか粗が目立つ。トントン拍子な展開とか。相場さんで言えば「震える牛」を越えるインパクトはまだないかも

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    2024年05月12日
  • マンモスの抜け殻

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    高齢化が進むマンモス団地とヤクザと老人介護ビジネス。過去に起こった事件が謎を解くキーになる。予想外と言えばその通り。でも、そこまで意外でもなく、それはないよねと思いました。

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    2024年04月27日
  • 震える牛

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    元々他人の作る料理を信用していないので
    基本的に外食はしないんだけど、これを読んだら
    尚更外でご飯食べるのを避けたくなっちゃう。笑
     
    ただの殺人事件かと思いきやBSEに関わる事件へ
    広がり、こんな展開になるとは思わなかった。
    いい意味で裏切られました(。•~•。)
     
    田川、滝川、鶴田、それぞれの視点で
    見たら見え方が変わり、真相が明らかになる…
     
    やたらと現実味があって…これは1部現実なんじゃないか…と
    思ってしまうし、仮に現実だとしたら怖すぎるよね。
    まぁ今の時代、衛生管理はしっかりしてるし
    基準も高くなってるので、信じたい…。
    まぁこれからも外食は基本的にしませんけど…。笑

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    2024年04月25日
  • ゼロ打ち

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    題材は非常にいいと思うのだが、エンディングに難ありと感じた。新聞社として、選挙締切後開票率0%で当確を打つことを指示された新聞記者が、選挙の闇絡に走り回る。
    読み終えた後、何か物足りなく感じるのは私だけだろうか。話をもっと膨らませた長編としたほうが良かったと思う。

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    2024年04月19日