あらすじ
「ゼロ打ち」とは選挙の開票開始直後、開票率0パーセントに近い時点で特定候補者の当選確実を報じること――。 大和新聞の社会部記者・片山芽衣は、唐突な解散後の衆議院選挙で、選挙報道センターに配属された。担当は激戦区の東京一区。そんなある日、片山は取材中に「ある都議会議員の不審死」を知ることに。一方、国会議員の秘書歴十年の中村は、同じく民政党東京一区の新人・大学教授である若宮の事務所の応援に駆り出された。苦しい選挙戦のなか、若宮の女性スキャンダルがネットで拡散され…… 小説でしか描けない政界の暗部とマスコミとの危険な癒着。ノンストップエンターテインメント。
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Posted by ブクログ
タイトル通りに選挙のストーリーかと考えさせつつ、読み進めるほどに思わぬ展開に。選挙運動、選挙報道の裏側もわかる1冊。記者出身の作者ならではの作品。トップリーグシリーズ同様一気読みしました
Posted by ブクログ
選挙開票直後に当確を打つ「ゼロ打ち」に社運を賭けた大和新聞は、社会部の片山を政治部に友軍させ速報に注力させる。
一方で衆議院東京1区に出馬する候補者を助けるため、某代議士秘書の中村は神津と共に選挙戦に取り組むが…。
ピンク歯の病死で見つかる都議、突然外部から来たのに選挙戦を取り仕切る中杉は都知事や区長と謎のパイプを持っていた。
主に片山と中村の別々の視点から描かれていくが、ある時2つの視点が交差して謎の正体が朧げに見えてくる。
しかし事件の闇は深く小説の終わり方も含みがあり、それまでの物語をより現実的な落し所となっていた。
政治の力に抗う困難さを、ため息をつきながら見せつけられた一冊だった。
Posted by ブクログ
裏金作りの実態を見たような気がします。実際に問題になっているにもかかわらず、解明されていないセンセーショナルな問題です。登場人物の名前が実在の人物を少し混じっただけなので、かなり現実味があります。ゼロ打ちより、都議会議員の裏金づくりの実態や国会議員選挙の関係などが興味深かったです。本当にあるとしたら、怖い話です。
Posted by ブクログ
突然の解散総選挙…
大和新聞社会部の敏腕記者・片山芽衣は突然、選挙班に駆り出される…
慣れない選挙班での日々だったが、取材中にある都議会議員の不審死を知り独自で調査を始める
一方、民政党の新人候補の応援を任された国会議員の秘書・中村は苦しい選挙戦に悩まされる
物語はこの二人の視点で進む
そして都議会議員の不審死を通して結びついていく
『ゼロ打ち』とは選挙開始直後後、開票率0%な近い時点で特定候補者の当選確実を報じること…
これ、いつも不思議だったし、開票が終われば当選は分かるのになぜ早さを競う必要があるのか?
と思っていたが、納得…
そして
政治に結びつく「金」「犯罪」
やっぱり表に出せないことはたくさんあるわね…
怖い!怖い!
これからは選挙の見方も変わりそう…(笑)
それにしても「NHR 」「大池ゆかり東京都知事」とか…ちょっと笑ってしまった…
Posted by ブクログ
生々しい選挙とマスコミの癒着の構図か。よくあるテーマだけど情報操作と裏金がリアルでいかにもありそう。そんな悪人ばっかりじゃないと思うけどね。主人公が2人になってるのでちょっとブレを感じたかな。
Posted by ブクログ
「ゼロ打ち」とは、選挙の開票開始直後、開票率ほぼ0%の段階で候補者の当確を打ち出すこと。
本書では、それにこだわる新聞社の選挙報道センターのヘッドクオーターが登場するが、主人公は彼ではなく、そこに配属される女性記者。
タイトルの「ゼロ打ち」は興味を注ぐ狙いで付けられたものでり、本書の中核を成すのは、女性記者が取材中に知った「ある都議会議員の不審死」の真相を探ろうとするミステリーである。
だが、本書は国政選挙や政治に関する内幕にメスを入れており、単なるミステリー小説ではなく、一般人が知り得ない選挙事務所の舞台裏、秘書活動、タイムリーな裏金問題に突っ込んでいる。この点が非常に興味深い。
選挙剰余金の使い方、地方議員が国政選挙で担う役割も現実味があって勉強になった。
また、主人公の勤務する大手新聞社の実情を通して、購買部数が減少する新聞が選挙速報の面からもネット版の拡充を余儀なくされている現実が認識できた。「提灯記事」とはどんなものか、NHKと与党が癒着する構図も垣間見れて新たな知見を得た。
ただ、p131に主人公・片山の名前を樫山とする明らかな誤植があったのは残念。
Posted by ブクログ
単純に面白かった。
選挙報道におけるマスコミのあり方を『ゼロ打ち』に絡めて描いているのを表の顔とすれば、選挙における政党・政治家の欲望を『選挙余剰金』に絡めて描いているのを裏の顔として、そこに記者や政治家秘書、そして選挙に絡む者たちの心情の揺れ動きを上手に描写したエンターテイメント作品に仕上げていると感じた。
個人的には選挙特番は自然にNHKを観ることが多いが、どこが正確に速報しているかなんて考えたことはないし、仮にどこかの報道局が不正をして報道したとして、じゃあ他の報道局を選ぼうと思う前に「どこの報道局も似たり寄ったりなことをしてるんじゃない?」って思ってしまいそうな気がするな。
Posted by ブクログ
選挙の開票時間と同時に当選確定を出すという「ゼロ打ち」というマスコミ用語がタイトルになっている本作は、当然ながら、ある衆議院議員選挙の選挙区が舞台となっており、その選挙区を担当することになった主人公の社会部記者が、選挙戦を通じて、汚職に絡んだ殺人事件を見つけ、選挙戦と絡みながら、殺人事件の真相を暴こうとするという内容で、なかなかスリリングな展開で面白い作品でした!
Posted by ブクログ
メディアと政治の癒着。あるあるのオンパレードで、「そんなものだろう」と驚きもしないのは、スレテシマッタセイ?「仮にも報道機関なのに…」「ちょうちん記事で票入手」「記者の矜持を捨て尻尾を振ってしまった」取材通じて得た情報に変わりなく、要は気の持ち用。最後はエールで締めているところに記者出身の相場さんの愛を感じたが、現実は、もっと劣化しているのでは?今回の都知事選の舞台裏でも小説以上の闇の闘争が繰り広げられたんだろうなぁ。
Posted by ブクログ
「ゼロ打ち」(相場英雄)を読んだ。
時事ネタがらみの社会派エンタメですかね。
投票締切と同時に当確速報を出す『ゼロ打ち』というより各社鎬を削る開票速報の裏側にメスを入れるという感じかな。
ただ、大和新聞がNHR(日本放送連盟)に取って代わるためのカラクリがもうひとつ弱くないか。
ゼロから選挙事務所を立上げていく場面とか新人候補者が臨戦しながら意識が変わっていく様とか遊説場面とか選挙そのものの臨場感は素晴らしいな。
ゼロ打ちのストーリーと微妙に絡むある都議会議員の不審死を追う顛末がありきたりな気もするけど。
なんだかんだ言いながらも楽しく読みました。
Posted by ブクログ
衆議院選挙で選挙報道センターに配属された大和新聞の社会部記者片山芽衣は激戦区の東京一区を担当。そんな中、ある都議会議員の不審死に関心を抱くが。政界の暗部、マスコミとの癒着…闇は深い。終末はあっけなく。
Posted by ブクログ
いやぁ…コワコワですね。
そもそも、なんで選挙速報がスクープ合戦みたくなる意味がよくわからない。
そりゃ当事者は早く結果を知りたいだろうけどねぇ。
速報でハラハラするよりも、私は確実な結果が知れればいいよ…。
Posted by ブクログ
新聞社社会部から突然政治部で東京1区の選挙を取材せよと命じられた記者。都議死の件は殺人ではという情報を。東京1区で立候補する教授の選挙を手伝うことになった他議員の秘書。どちらも何かおかしいと感じる。
面白かった。一気読み。最近の裏金事件のことも連想する。
Posted by ブクログ
選挙の開票開始直後、当選確実を報じること
ゼロ打ち(開票率ほぼ0%)
たまにありますよね
テレビで20時の時点で当確が出ること、まさにあれですね(^^)
唐突な解散による衆議院選挙
激戦区の東京一区
都議会議員の不審死
新人の大学教授の出馬
女性スキャンダルのネット拡散
次々に勃発する案件に…
小説だからこそ描ける細かい描写…
Posted by ブクログ
下々の者は、上層部のみ知る情報や駆け引きの事はわからず良い人だと思って投票する。選挙の時にありきたりの綺麗事を言ってる議員とか、何も心に響いてこないんだけど。
Posted by ブクログ
「ゼロ打ち」に何の価値も見出だせない一般視聴者の私には理解できない選挙特報。
一方利権の絡み合う都、警視庁、都議会議員の内情はサモアリナンと面白く読んだ
Posted by ブクログ
選挙をめぐる「政治」と「カネ」の深い闇。
帯にある説明文の方が的確なタイトルのように思えた。
ゼロ打ちは確かに出てくるが、どちらかというと民放がNHRを追い越し、ゼロ打ちをいかに早く出すかということが話の中心だった。
汚職と癒着、国政と都政、民放と公共放送、ネットニュースと新聞社、それぞれ相対する視点は面白かった。
Posted by ブクログ
投票結果をそんなに早く知りたいかな、当事者でないほとんどの国民はどうなんだろう。それにかかる労力や経費考えたら、もう選挙管理委員会発表のみでいいのに。
Posted by ブクログ
選挙の裏側に仕組まれた罠。
テレビ局(想定はNHK)よりも先に当確を出すために新聞社が打つ手とは。
ゼロ打ち、は投票が終わり開票した瞬間(開票率ゼロ)で当確を打つこと。その為に大変な努力をして事前に情報を集める。
Posted by ブクログ
選挙について、新聞記者と候補者の事務所スタッフからの視点が交互に構成されて進んでいきます。
その裏で殺人事件や政治家の裏金等がからみますが、私的には大きな盛り上がりを感じられず終了。
タイトルの「ゼロ打ち」=開票率0%での当選確実、
の掘り下げではなかった。
Posted by ブクログ
中盤まではハラハラの展開だったが各種の謎の真相と動機が予想外に陳腐で拍子抜け。どうせならラストシーンに続く後日談まで書いてスッキリさせてほしかった。
Posted by ブクログ
題材は非常にいいと思うのだが、エンディングに難ありと感じた。新聞社として、選挙締切後開票率0%で当確を打つことを指示された新聞記者が、選挙の闇絡に走り回る。
読み終えた後、何か物足りなく感じるのは私だけだろうか。話をもっと膨らませた長編としたほうが良かったと思う。