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貧乏の鎖は、俺で最後にしろ。
二年前、都内団地の一室で自殺に偽装して殺害された沖縄県宮古島出身の非正規労働者・仲野定文。警視庁捜査一課継続捜査担当の田川信一は、仲野が勤務していた三重県亀山市、岐阜県美濃加茂市を訪れる。そこで田川が目にしたのは国際競争に取り残され、島国で独自の進化を遂げる国内主要産業の憂うべく実態だった。仲野は、過酷な労働環境のなかでも常に明るく、ふさぎがちな仲間を励ましていたという。田川は仲野殺害の背景に、コスト削減に走り非正規の人材を部品扱いする大企業と人材派遣会社の欺瞞...続きを読む
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Posted by ブクログ 2023年03月29日
所謂「就職氷河期」というような頃に社会に出た人達の中に見受けられる、過酷な情況と、その過酷さが拡がり深まるような様、そういう様子に翻弄される人達という様に、田川刑事達は出遭ってしまうことになる。「非道?」というやり方まで出て来る。本当に「何時の間にかそういうことになってしまった?」という様子である。...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年10月18日
「震える牛」の続く社会派ミステリー。
今回も引き込まれたました。タイトルの意味、ガラパゴス化はガラ携の世界に限ったことでなく日本の社会全体に及んでいるとの警告です。
派遣労働者の劣悪な環境と搾取される様が描かれ後半、案の定政治家のお出まし…。そして今度は元署長って…。なかなか正義は通らないで、本当...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年01月02日
「一万円選書」第6冊目!
6冊目にして、やっと自分の好みの作品と出会えた。感謝。
WOWOWドラマWで以前見た『震える牛』の原作者による続編が本書。続編といっても、主人公が同じだけで、内容は全くの別物だ。
ドラマW版『震える牛』は映像だったせいもあり、あまり自分の好みではなかったが、本書『ガラ...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年10月19日
派遣労働者の実態、そして液晶ディスプレイやハイブリッドカーなど日本の製造業が直面した問題をミステリーとうまく絡めて読み応えのある作品だった。
「震える牛」でもそうだっだけど、ストーリー展開上に現代社会・企業の問題を織り込みつつもそれぞれの登場人物が丁寧に描写されているのでヒューマンドラマとしても没入...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年09月17日
激しい衝撃を覚えた。
日本の有名な企業が、なぜ不正事件が頻繁に起こるのか?
パート、派遣、請負労働など、想像もしない速さと深さで
日本に潜入している。実に、2000万人を超えるという。
正社員になることも、難しい時代に。
そして、それに漬け込んだ悪辣な仕組み。
不正を隠蔽しようとする体質。
あぁ。日...続きを読む
震える牛も凄かったですが、こちらも凄かったです。語彙と表現力が足りないので、この衝撃をうまく文章に出来ないのが歯がゆいです。
自分の知識がニュースで何となく知った気になっていただけだった事がよく分かりました。
今、仕事があって健康保険を使えて住む所がある事の有り難みをすごく感じました。
Posted by ブクログ 2018年07月20日
「ガラパゴス(下)」
これは本当にフィクションか。
エディション通商(旧スキルビズ)に向かう交通の手段として、田川は妻・里美が乗り心地が悪いと愚痴っていたレンタカーを選ぶ訳ですが、何故乗り心地が悪いのか、燃費が悪いのかが明らかになっていきます。エコカー減税、クリーンエネルギー自動車補助金を持ち出...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年07月09日
相場英雄『ガラパゴス 下』小学館文庫。
あの社会派ミステリーの傑作『震える牛』に続く、シリーズ第2作の下巻。日本のメーカーのコンプライアンスと雇用制度に一石を投じた読み応えのある問題作だった。
警視庁捜査一課継続捜査担当の田川信一と同期の木幡祐司は地道な捜査により徐々に事件の核心へと迫る。そして...続きを読む