あらすじ
新宿で無差別テロ勃発! 真の正義を問う衝撃作!!
北朝鮮に生まれながら、韓国に亡命し巨大企業を興したイ・スーフン。
生き別れた妹との約束を果たすため、北朝鮮の解放を画策する。
一方、北朝鮮は最高司令官の理想を果たすため、日本の大学へテロリストを留学生として送り込み、無差別テロを断行。
その留学生を担当していた元日銀マンの大田原教授は事件に巻き込まれる。
北朝鮮、韓国、日本を舞台に、人々の生きざまが錯綜する社会派サスペンス。慟哭のラスト!! (『越境緯度』改題)
【目次】
プロローグ
第1章 焦燥
第2章 軌跡
第3章 破裂
第4章 解放
エピローグ
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
相場英雄『ファンクション7』実業之日本社文庫。
北朝鮮、韓国、日本を舞台に描かれた社会派サスペンス小説。『越境緯度』を改題、文庫化。
プロローグに、新宿で起きたVXガスを使った無差別テロと北朝鮮から姉弟を残して韓国に亡命したイ・スーフンの2つのドラマが描かれるが、本編ではどのような展開になるのか。果たして、ヤクソクは果たされるのか……
相場英雄作品ではいつものことなのだが、ストーリーはかなり面白いのに、全体的に粗さを感じた。
日本とは文化や思想も異なる謎に満ちた韓国と北朝鮮。同じ韓民族なのにアメリカとソ連により北と南に分断されるという不条理。両者の中でも北朝鮮は日本人拉致問題に始まり、日本海域へのミサイル発車訓練など暴力的な異常行動が目立つ危険な存在である。そんな北朝鮮の最高指導者を盲信する国民の異常さはカルト宗教団体にも似ている。
北朝鮮から韓国に亡命したイ・スーフンはやがて韓国を代表する巨大企業のトップとなり、生き別れた妹との約束を果たすために北朝鮮の解放を画策する。
一方、北朝鮮は最高司令官の理想を果たすため、日本の大学にテロリストのリ・ソンスを留学生として送り込み、無差別テロを断行。大学でリ・ソンスを担当する元日銀社員で出世の道を絶たれた大田原教授は次第に北朝鮮を巡る事件に巻き込まれていくが……
タイトルの『ファンクション7』とはそういうことだったか。
定価913円
★★★★★
Posted by ブクログ
うーん、解説通りかな。中国や北朝鮮を絡めて、犯罪小説や、ミステリーを書かれると、まさに手に汗を握る展開となり、そんな相場さんの、懐の広さに感謝です。