相場英雄のレビュー一覧

  • みちのく麺食い記者・宮沢賢一郎 奥会津三泣き 因習の殺意(小学館文庫)

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    2時間ドラマにぴったりな作品。何となく怪しいと思う人物はいたが、クライマックスまでうまく隠していたと思う。その土地の気質、文化をきっちり取り込んでいて読み応えがあった。裁ちそばすっごく食べたい。

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    2019年01月06日
  • 血の雫

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    モデルの女性、タクシーの運転手、隠居老人が相次いで殺された。共通点は、Twitterの利用者であること。悪意のあるツイートがもたらす悲劇とは・・・

    「ガラパコス」などの社会派ミステリーと較べるとややスケールが小さめ。でも動機にはやや深いものがある。

    作者の最高傑作とまではいかないような気がするけれど、ネット社会の怖さは伝わってきた。

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    2018年11月23日
  • 血の雫

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    社会派ミステリーが得意な作者さんの今回のテーマは、SNSやネットを使った劇場型犯罪。
    いかに現代の人たちがSNS依存症なのかに警鐘を鳴らし、それによる連続殺人、その連続殺人もネットの世界に晒されていく…
    そんな現代への反論的な作品化と思っていたら、途中で、話が福島の風評被害へと主軸が変わっていく。
    あらすじでも、SNS犯罪を謳っているし、主人公となる刑事・田伏も誘拐事件の捜査の際に、ツイッターで顔写真を公開され、結局、警察に知らせたことを知った犯人が、誘拐した少女を殺してしまう。田伏は「間抜け刑事」のレッテルを貼られ、しばらく休職した後も、PTSDに悩まされていた。
    そして、本来サイバー犯罪専

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    2018年11月13日
  • 血の雫

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    ネタバレ

    SNS問題と福島避難民問題を絡めた社会派サスペンスミステリー。

    テーマとしては重いものを警察バディ風味にして読みやすく工夫されていました。
    犯人の偽装行動はありがちだし、犯行動機は理解できるものの行動に一貫性がないようにも感じました。
    また、若いバディが真犯人を特定するシーンが唐突で、その理由の説明もなかったのが不親切でした。
    とはいえ、この社会問題に対する提議としては良いアプローチだと思います。
    もう少し不条理感を打ち出した方が重厚になり、読み応えがあったかも

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    2018年11月10日
  • ガラパゴス 上

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    とある事件からストーリーが企業の人材派遣労働者への非人道的な問題へと発展。
    刑事ものかとおもいきや、前作「震える牛」を彷彿とさせる。
    後篇の展開に期待!

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    2018年10月08日
  • ガラパゴス 上

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    古い団地の一室で、自殺に偽装して殺害された心優しき青年。遠き故郷を離れ、日本各地を転々とする派遣労働者だった彼は何故殺されたのか。現代の生き地獄を暴露する長編ミステリー。
    資本主義経済は搾取する側とされる側の下成り立っている。ただひと昔前は、そこに我が国独特の家族的な労使関係が存在していた。その妥協点を消滅させた国際間競争や政策によって起こる悲劇。読み進めるのがとても苦痛に感じる。でも目を背けてはいけない。

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    2018年08月29日
  • 不発弾(新潮文庫)

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    大手企業の粉飾決算の裏で暗躍する一人の金融コンサルタントを捜査二課が追う―という粗筋は「ナンバー」シリーズを連想するが、バブル期から現代までの日本経済を描く大河小説でもある。証券市場や金融商品の仕組みが自分には難解過ぎたが、炭鉱町から裸一貫這い上がった証券マンがバブル期の狂乱を経て混沌渦巻く巨大な暗部の住人となる一代記は読み応え充分。過去と現在の時系列がやがて統合される構成はこういう物語に最適だ。結末は相場作品のお約束展開だが、その場しのぎの隠蔽体質が次世代に【不発弾】という負債を残すのはやり切れない…。

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    2018年06月20日
  • リバース

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    シリーズ完結編。本作で初めて主人公・西澤以外の視点が挿入され、五人の三知メンバーそれぞれの視点が最終的に大事件を炙り出す。ピースが出揃う終盤はシリーズ三冊分の鬱憤を晴らすが如くカタルシス全開だが、ラストは読者の想像に委ねられる形で終幕。福島原発を発端とする詐欺・汚職事件が一貫したテーマで綿密な取材の影が伺える。被災者やその家族の切なる願いに胸が締め付けられる。クライマックスへの起爆剤とはいえ、真藤警部の取り扱い方はあまり好きじゃない。本作以上の事件を取り扱うのも困難に思えるので完結巻としてやり切った印象。

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    2018年06月20日
  • トラップ

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    シリーズ二作目。前作「ナンバー」は主人公・西澤警部補の脇の甘さばかり目についてしまったが、本作では成長の兆しが伺える。それでも情報提供者を盲信してしまう危うさはのっけから健在。今回はシリーズ初登場の若手キャリア・小堀が新風を吹き込んでいた。長編なら徐々に登場人物に厚みが出るのだが、短編ゆえにメインキャラの人物像に厚みが出ないのが難点だろうか。一人の刑事の成長をじっくり描く丁寧さは良いが、毎回ひっくり返されるのが分かっているのも何処か味気ない。シリーズ完結編「リバース」に文字通り三知の復活を期待したい。

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    2018年06月20日
  • ナンバー

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    警視庁捜査二課。殺人などの凶悪事件を担当する捜査一課とは違い、横領や詐欺といった狡猾な知能犯と対峙する。その二課に所轄署から配属された西澤警部補は、独特の捜査方法や同僚をライバル視する捜査員に戸惑いながらも眼前の犯罪に立ち向かっていく。人はどんな時に人を騙し、裏切り、真実を隠蔽するのか。細かく作り上げられた事件と、人間の奥深い心理を圧倒的なリアリティーで描くこれまでにない警察小説。

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    2018年06月17日
  • 偽金 フェイクマネー

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    会社の思惑で依願退職を余儀なくされた男は、オンラインゲームの電子マネーに目をつけ、一攫千金を狙う。キャスターを目指すフリーの女子アナは、企業ポイントを取材、特ダネを探す。“偽金フェイクマネー”を追いかけるふたりの陰で、現代ヤクザが暗躍。巨額マネーをめぐる、拉致・脅迫から国際紛争まで事件は広がり、怒涛の結末へー。

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    2018年05月28日
  • 双子の悪魔

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    株価操縦というよりも、ネットのセキュリティーの怖さの方が印象に残りました。そういう意味では双子の悪魔という題名に変わったことは理解できます。ストーリー展開としても楽しめたのですが、沼島に同情してしまう部分があるため主人公に100%感情移入できず。プロレスや洋楽に興味がないことも残念ではありました。沼島の怨念がそこまで深く暗いものであるとは。。。。

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    2018年05月25日
  • 株価操縦

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    在日韓国人への差別と復讐。社会の裏側。それにプロレス。色々ストーリーが複雑すぎるし、最後も中途半端かな。プロレスの話は面白かったが、これも少し中途半端。全てが中途半端な気がした。

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    2018年03月17日
  • 株価操縦

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    もう少しシンプルな方がいいと思う。
    プロレスをストーリーに入れているけど意味があるかな。
    自分はプロレスファンだから中途半端に入れて欲しくない。

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    2017年11月12日
  • 血の轍

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    ストーリー展開が非常に面白い。
    どれが本当でどれが嘘なのか、化かし合いと
    思いながらも裏をかかれてくっそーと思うことしばし。

    ラストは…
    描きにくいんだろうなぁ。

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    2017年06月25日
  • 偽金 フェイクマネー

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     サラ金をリストラされた椎名は、怪しい金持ちたちの帳簿に記載できない資金でオンラインゲームの高額オプションを購入させる。その高額オプションはポイントカード会社のシステムを利用し、海外で現金化するというビジネスを立ち上げる。海外の持ち出しは日本円で100万円が上限、それ以上になると申請が必要らしい。

     はっきり分からないんですが、こんな七面倒なことをしなくても海外FX口座を持っていればどこの国でも現金を引き出せるのではないかと、この本を読んでいて? 何か規制とかあるのか調べていないので不明。

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    2017年06月25日
  • 共震

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    『震える牛』がすこぶる面白かった相場英雄。単発ものだと思って読み始めたら、みちのく麺食い記者・宮沢賢一郎シリーズでした。東日本大震災の被災地で起きた殺人事件。宮城県庁震災復興企画部の特命課長が殺害され、被害者と面識のあった宮沢が事件を追う。被災地の義捐金目当ての詐欺の真相に迫るという本作は、実際にあってもおかしくはない話。ただ、事件の舞台に無理やり被災地を当てた感が強く、ならば純粋に被災地を描く小説を書き上げてもよかったのではないかと思ったりもして。しかも犯人が最初から怪しすぎるのはいかがなものか。が、トリックはそれなりに面白く、被災地を舞台にして何か書き上げることはできないかと考えた著者の心

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    2017年05月10日
  • 血の轍

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    なんとも入り組んだ内容。複雑。警察同士で足を引っ張り合い貶め合い、池井戸潤の銀行員同士の諍いに近い状態で、一つの事件を皮切りに公安と刑事のやり合いの数々。

    これがホントなら怖いな。と、心底思われる作品です。

    正義を振りがざした儲け話しが警察でもまかり通るということに肌寒い感が否めない。

    とにかく、心理の探り合い、騙し合い、掛け合いの中ストーリーがどんどん進む。気になる。

    長編ですが中だるみもなくジッと探っていく臨場感がリアルです!!!!

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    2017年03月23日
  • 双子の悪魔

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    『震える牛』で社会事件を取り上げた秀逸な作品の著者が、既に起こっている?、益々拡大する可能性がある犯罪を題材にした作品を書いている。
    貧富の差が拡大、人口が減り、外国人訪日者増え、スマホにいろんなものが突っ込まれる便利な時代。
    顧客数が減少するので、商品価値を高めようと努力する企業。結果、あらゆるものをひとつに集約することを実現。
    便利さを実感すると後戻りは困難。
    そこに完全なセキュリティは存在せず、その隙をついて犯罪を成り立たせる。
    リスクとリターンの観点で考えるべきだが、ありうるなぁ、自己防衛力を高めないと。

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    2017年01月12日
  • みちのく麺食い記者・宮沢賢一郎 奥津軽編 完黙(小学館文庫)

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    内容(「BOOK」データベースより)
    東京・新宿中央公園で地場スーパーの会長・草野重二が他殺死体となって発見された。手がかりは、現場に残された「8」と思われるサインのみ。一方、大和新聞東北総局遊軍記者の宮沢賢一郎は、青森への出向を命じられる。直後、五所川原市内のパネル工場で殺人事件が発生。宮沢は東京の草野重二殺害事件と五所川原の事件が、「津軽のスローハンド」と呼ばれた津軽三味線伝説の名手・佐藤流海により繋がっていることに気づく。警察の捜査力を上回るほどの取材力を持つ新聞記者の活躍を描く「みちのく麺食い記者・宮沢賢一郎」シリーズ第三弾。

    震える牛の作者なので重厚な社会派の物を期待しましたが、副

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    2016年11月11日