相場英雄のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「ゼロ打ち」とは、選挙の開票開始直後、開票率ほぼ0%の段階で候補者の当確を打ち出すこと。
本書では、それにこだわる新聞社の選挙報道センターのヘッドクオーターが登場するが、主人公は彼ではなく、そこに配属される女性記者。
タイトルの「ゼロ打ち」は興味を注ぐ狙いで付けられたものでり、本書の中核を成すのは、女性記者が取材中に知った「ある都議会議員の不審死」の真相を探ろうとするミステリーである。
だが、本書は国政選挙や政治に関する内幕にメスを入れており、単なるミステリー小説ではなく、一般人が知り得ない選挙事務所の舞台裏、秘書活動、タイムリーな裏金問題に突っ込んでいる。この点が非常に興味深い。
選挙剰余金 -
Posted by ブクログ
上巻からの続きだが、1冊にまとめられても良いのではないかと感じた。
田川刑事が事件を追い込んでいく。鳥居と森が隠そうとする。「新城 も 780816」というメモの存在は何を意味するのか、と考えるとより楽しめる一冊だ。
仲野を殺害した犯人の動機を考えると、最近の闇バイト事件を想起させられた。
そして真実が見えてきたとき、なんともやるせなさを感じた。そして真の犯人は・・・トカゲの尻尾切り。
派遣労働者から正社員となった清村、長内の結末、そして森の秘書の高見沢の企みはどうなっていくのかも面白い。
三重県シャープ液晶の亀山工場、岐阜県ソニー美濃加茂市工場、ハイブリッドカーのトヨタ、政治と金の社会問 -
Posted by ブクログ
⭐︎4.99
なんというか、せつなく、哀しく、悩ましいものかたりだった。
みにつまされるというか、皆さんもそうだろうが、何かしら同じような経験をしている人も多いと思う。
私の場合は母が、そうだ。もう、私のことはわからない、人に対して壊れるという表現はいかがなものかと、ずっと思っていたが、実際自分の目で観てしまうと、正直「母は壊れてしまったのだ」とせつないが思う。
作中にあるような、画期的な介護システムが1日も早く実現することをせつに願う。
次は自身の番なのだろうから。
おそらくモデルは高島平団地で、経済成長華やかなりし頃、マンモス団地ともてはやされ、この失われた30年で、抜け殻都会の限界集落と -
Posted by ブクログ
単純に面白かった。
選挙報道におけるマスコミのあり方を『ゼロ打ち』に絡めて描いているのを表の顔とすれば、選挙における政党・政治家の欲望を『選挙余剰金』に絡めて描いているのを裏の顔として、そこに記者や政治家秘書、そして選挙に絡む者たちの心情の揺れ動きを上手に描写したエンターテイメント作品に仕上げていると感じた。
個人的には選挙特番は自然にNHKを観ることが多いが、どこが正確に速報しているかなんて考えたことはないし、仮にどこかの報道局が不正をして報道したとして、じゃあ他の報道局を選ぼうと思う前に「どこの報道局も似たり寄ったりなことをしてるんじゃない?」って思ってしまいそうな気がするな。