柳美里のレビュー一覧

  • JR上野駅公園口

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    いろんなものが張り巡らされていて、同時に現れて、ちょっと混乱した。最後のシーンも、どこ視点で何を描いているのかキャッチできなかった。
    天皇とホームレスを重ねることに、もしイデオロギー的な何かがあったならちょっとしんどい。光と闇というなら矛先が天皇に向かうのはお門違いだと思う。
    家族を失うこと、見通しのたたない暮らしの閉塞感は読み取れたと思う。

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    2023年07月29日
  • JR品川駅高輪口

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    ネタバレ

    「もしかしたら、自分が死への背中を押した人がいるかも」
    16歳が背負うには重いよね。
    たぶん、恋をしても結婚しても、子を成しても付いてくるよ。
    どうか。いま「死にたい」と思っている若い子がこれを読んで、少しでも死へのリアルを想像できますように。そして、願わくば若い子の自死が減りますように…。

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    2023年07月29日
  • ねこのおうち

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    野良猫の多い公園の近隣に住む人々と猫の話それぞれ生活がありそれぞれの悲しみ苦しみがある。
    子どももいろいろ人間関係で悩み独身男性も暗い過去を引きずる。

    カモメ動物病気の港先生の呑気な感じが場を和ませる。全て違う家の話でもみんな港先生との関係があり町内の関係がある。

    読みながらとにかく猫が幸せになりますようにと思いました。住んだ家によってかなり生活が変わる。

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    2023年02月28日
  • 女学生の友

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    大人の滑稽さ、そしてそれと紙一重の位置にあるグロさが浮き上がる。変わった作品だと思った。『女学生の友』の女子高生も『少年倶楽部』の少年たちも、みな思考が飛躍気味だが、彼らの送る日常の描写はリアルで、近くにいて、いたかもしれないと思わせる。ギャル描写はそりゃ今からすればちょい古とはいえ、当時はいただろうな、みたいな。

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    2025年03月31日
  • JR高田馬場駅戸山口

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    主婦の狂気が怖くて気持ち悪い。暴走して周りと軋轢を生みまくってるから居心地が悪い。放射能に怯える主婦。鎖。731。なぞのハットリくん口調と淡々と書く三人称で、何が何なのか分からなくなる。
    孤独が確執を生むのか確執が孤独を生むのか、こんなに人が多い高田馬場で幼稚園で団地で人と関わっているのに、誰も狂気から助けてくれない、救われない、どちらにせよ、団地も、子育てもまた一つの孤独で、上野と品川とはまた別の悲しみの世界がある。

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    2022年09月27日
  • JR品川駅高輪口

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    なんだろ、普通。。。
    達者な書き手ではあるけれど、10代のリアルの再現度はでは当然最果タヒとか桐島部活やめるってよの人には敵わない。
    息を吐かせない読ませ力はあるけれど、読み終わってそんなに多くのものが残らない。
    度々語り手=視点が微妙に変化したり聴覚情報が炸裂するけど、そういった語りの変化が物語に作用したり深みを与えているわけでもない。
    原発事故の話も、関西脱出的な話としか絡まないし。もうちょっとオシャレにできたんじゃないだろうか。
    不倫も受験も集団自殺もわりと手垢のついたネタだよね。
    ハブられと声をかけてくれるクラスメイトのくだりは嫌いじゃなかった。逆にいうと残るのってそれくらい。。。

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    2022年08月27日
  • JR高田馬場駅戸山口

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    ネタバレ

    上野駅、品川駅と読んで3作品目です。
    上野駅も品川駅も、死んだように生きている人が、最終的にたどり着いたのが死だった。どちらも読後、程よいカタルシスを感じた。
    が、この高田馬場駅は、読んでいて非常に辛かった。読むほど、気持ちが悪い方向に持っていかれた。主人公は生きようとしているのに、そのために必死に足掻いているのに、世界が主人公を否定してくる。
    感情を揺さぶられたという意味では良作ですが、人には勧めないですね。(私含め)鬱傾向がある方は精神状態が悪化する可能性がありますので、読むべきではないということが読後1番言いたいことです。ですが、精神的に健全な人は、果たしてこの小説を興味深く読むことが出

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    2022年07月14日
  • ねこのおうち

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    読むのがしんどかった。
    1話目で読むのをやめてしまおうかと思ったけど…
    借り物だし
    もしかしたら救いがあるかも…と。
    色々考えさせられる話だったけど…
    ちょっと…引っ張られておちてる…

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    2022年05月06日
  • 人生にはやらなくていいことがある

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    よくも悪くも凄絶な生き方。
    正直、あんまり共感しない。
    でも、ここまで突き詰めた生き方を
    した人だから見える景色はあり、
    読書というのは、自分とは異なる
    立場から見える景色を見ることだから
    共感しなくてもいいのかとも
    思ったり。
    映画監督による、性的搾取が
    話題になった今読むと、
    東氏との関係はアウトだろうと
    思ってしまう。

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    2022年05月04日
  • 飼う人

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    ネタバレ

    「飼う」という行為によって、「人」や「生きる」と繋がっているように感じた。
    ラストの羽化して飛んでいく様が、僅かながらの希望に感じた。

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    2022年05月01日
  • 掌篇歳時記 秋冬

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    12人の作家による秋冬の歳時記にあわせた短編集。はじめましての作家も数人。好みはそれぞれあるけれど、こんな編集でなければ出会わなかったと思う。
    春夏編が先だったと知る。

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    2022年03月06日
  • JR品川駅高輪口

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    擬音の中の文章以外は概ね読みやすい。特に中盤〜終盤。あの文章は読まなくても差し支えないということ?現代文的に言えば読み飛ばし。
    死にたいと言葉にしつつ行動との乖離が激しい主人公に苛々する。
    死に向かって生きるっていうけど現実問題そんなこと言ってたらキリないよね。
    女子ならわかるよね、って気味悪い雰囲気が節々に散りばめられている。やけにリアルでそこは好き。

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    2022年02月28日
  • JR高田馬場駅戸山口

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    この人が軽いアスペルガーなのか正常なのかわからなかった。子どもを大切に思う気持ちと追い込む行動のどちらもわかる気がした。夫と離婚寸前で近所のおばさんたちにはゴミ問答の後「逃げた逃げた」などと言われ、東日本大震災の放射能でもノイローゼになって。子どもは毎日食べれない量のお弁当を持たされ、「食べろ!残すな!早くうんこ!順番に!」などと言われているが、意外と明るく、母親を慕っている。完璧な親なんていないし、子どもって案外強いのかなとも期待を持ってしまう。

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    2022年02月15日
  • JR品川駅高輪口

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    家庭でも学校でも浮いた存在で
    誰も自分を必要としていないと感じ
    自殺サイトに書き込みをする日々。

    それでも大事にしてくれたおばあちゃんを思い出し
    なんとか生に繋ぎ止められている。

    若い頃の苦しみが伝わってくる。

    娘たちがこんな思いをしていませんように。

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    2022年02月09日
  • JR品川駅高輪口

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    柳美里の山手線シリーズの4作目?かな。僕にとっては『上野駅公園口』の次。16歳、女子高生の主人公が友人関係や家族の関係に疲れと失望を覚え、自死にいたろうとする話。物語の9割は主人公のモノローグで、情報のモザイクのような山手線内の情景を意識の流れと共に追う。ゆっくりと自死に向かおうとするのだが、決して重苦しくない。かなり客観的で明るい口調のモノローグとして、しかし確実に人生に失望し、それほど確信がない中でゆっくりと自死に向かっていこうとする。

    このシリーズでは唯一はっきりと救いのある結末を迎えるそうだ。自死という生々しさは、実存を嫌な意味で浮き彫りにさせる。社会にとって、世界にとっての正しさと

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    2022年02月05日
  • JR品川駅高輪口

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    外見は明るく流行に敏感な一般的は女子高生。だが、実際は、自分には居場所がないと感じている。
    駅のアナウンスや周囲のざわめきが描写に盛り込まれていた。そのことから、少女の世界が現実世界から隔離されていることが読み取れた。
    思春期だったあの頃にタイムスリップしたかのような一冊だった。

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    2021年12月14日
  • JR高田馬場駅戸山口

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    都心をめぐるきらびやかな山手線の陰を描くシリーズ三作目。
    人を追い込む孤独か。

    著者のあとがき曰く、
    「絶望とは、まだ体験していない未来に疲れることである」ってさ。

    ニンニン言ってる場合じゃねえな。

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    2021年09月29日
  • JR品川駅高輪口

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    生きるって何だろうな、死ぬって何だろうな。
    そんなことを思った時の車内や学校の会話の嗚呼煩わしさよ。

    最後にユミリさんの作家としてのテーマがあとがきに凝縮されていたのでここに。
    「小説家の仕事は、日々刻々とあらゆる出来事が生じ、目や耳に留める間もなく消えていくこの世界から、一人の人物を浮き立たせ、その存在を明るみに出すことである。」

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    2021年08月31日
  • JR品川駅高輪口

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    生きるって何でしょうね

    仲間外れの学校、父親の不倫、母親は弟の受験でべったり

    じゃぁ私は?

    波長合わせに苦労していたクラスメイトから仲間外れ・・・学校がつまらない
    両親の愛情ってなんでしょう、、私ここにいる意味あるのかしら?

    自殺掲示板で知り合った4人と山奥で集団自殺!
    するはずだった・・が!私だけ逃げた そう私だけ

    そしていつものようにつまらない日常へ

    一緒に自殺しようとした3人は今頃どうしているのか?
    遺体で発見されたのか?生き延びたのか?

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    2021年06月22日
  • JR品川駅高輪口

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    知らなかったのだが、『JR上野駅公園口』は、山手線の駅を巡るシリーズの実は第5作目であり、過去に4作品のシリーズ作品があるという。本書は2012年に出版された第4作にあたる作品であり、当初は『自殺の国』と題されていたものを、今回の文庫化に際して改題したものとなる。

    筋書きは当初のタイトル通り、家族や学校での行き場を無くして亡き祖母との思い出だけが唯一自分を慰めてくれる少女が、ネット掲示板で出会った自殺志願者たちと自殺を計画する・・・という筋書きである。その出発点となるのが、品川駅である。品川駅は環状線の1駅でありながら、東海道に抜けていくターミナル駅であり、そこが本書での重要な舞台背景となる

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    2021年06月13日