柳美里のレビュー一覧
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本書は、タイトルがコロコロ変わっているらしい。2012年に刊行されたときは『自殺の国』、2016年に文庫化されたときに『まちあわせ』と改題、そして2021年の新装版(本書)で『JR品川駅高輪口』という当初のタイトルに戻した、とのこと。
また、本作は「山手線シリーズ」の第4作なのだそう。「あとがき」に詳しく書いてあるが自分のメモのためにまとめておくと、1作目から順に
『山手線内回り』、
『JR高田馬場駅戸山口』、
『JR五反田駅東口』(『山手線内回り』所収)、
『JR品川駅高輪口』(本書)、
『JR上野駅公園口』(2020年12月に読んだ全米図書賞受賞作)、
『JR五反田駅西口』(2024年5 -
Posted by ブクログ
自分が生きる世界が全てで、そこから抜け出すことは決してできず、その世界で認められなかったら全て終わり。
この感覚は苦しいくらいわかる。わたしも病気になり、何度も死にたいと思い、死に近づこうとした。今も終わった世界の延長線を生きている感覚。それでも、こんな自分でも他人や自分に対してどこかでわずかな期待を抱き、そしてそれが叶うことはないと感じてはしんどくなり、それでもとまた少し前を向き、でもやはり結局は死という形で全ては失われる、とまた無力感に襲われる。
主人公は最後にクラスメイトの優しさにほんのわずかな生きる価値を見出した。
それでも人生はその一つの経験だけで乗り越えていけるほど甘いもので -
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ネタバレすべからくみんなくるっています。
狂気を超絶濃縮した
やばさ1000%の作品ですね。
表題作は父親がまず人間として
狂っていらっしゃって
その子たちもいろいろ狂っている、というか歪んでいる。
すみ着いたホームレスの子も歪んでいる、
やっぱり両親も…
彼らは狂うべくして狂ったんだとも思っています。
そしてサレ妻の狂気が襲う
「もやし」
もうサレたのに狂って
ありもしない事実までも
作ってしまったのだろうね。
でも主人公もうかつだよ。
なぜそこでお見合い相手と
つながれて、カネの肩代わりができると
思ったのだろう。
ああいう家ってそういうの
厳しいんだよな… -
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なんだろ、普通。。。
達者な書き手ではあるけれど、10代のリアルの再現度はでは当然最果タヒとか桐島部活やめるってよの人には敵わない。
息を吐かせない読ませ力はあるけれど、読み終わってそんなに多くのものが残らない。
度々語り手=視点が微妙に変化したり聴覚情報が炸裂するけど、そういった語りの変化が物語に作用したり深みを与えているわけでもない。
原発事故の話も、関西脱出的な話としか絡まないし。もうちょっとオシャレにできたんじゃないだろうか。
不倫も受験も集団自殺もわりと手垢のついたネタだよね。
ハブられと声をかけてくれるクラスメイトのくだりは嫌いじゃなかった。逆にいうと残るのってそれくらい。。。 -
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ネタバレ上野駅、品川駅と読んで3作品目です。
上野駅も品川駅も、死んだように生きている人が、最終的にたどり着いたのが死だった。どちらも読後、程よいカタルシスを感じた。
が、この高田馬場駅は、読んでいて非常に辛かった。読むほど、気持ちが悪い方向に持っていかれた。主人公は生きようとしているのに、そのために必死に足掻いているのに、世界が主人公を否定してくる。
感情を揺さぶられたという意味では良作ですが、人には勧めないですね。(私含め)鬱傾向がある方は精神状態が悪化する可能性がありますので、読むべきではないということが読後1番言いたいことです。ですが、精神的に健全な人は、果たしてこの小説を興味深く読むことが出 -
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柳美里の山手線シリーズの4作目?かな。僕にとっては『上野駅公園口』の次。16歳、女子高生の主人公が友人関係や家族の関係に疲れと失望を覚え、自死にいたろうとする話。物語の9割は主人公のモノローグで、情報のモザイクのような山手線内の情景を意識の流れと共に追う。ゆっくりと自死に向かおうとするのだが、決して重苦しくない。かなり客観的で明るい口調のモノローグとして、しかし確実に人生に失望し、それほど確信がない中でゆっくりと自死に向かっていこうとする。
このシリーズでは唯一はっきりと救いのある結末を迎えるそうだ。自死という生々しさは、実存を嫌な意味で浮き彫りにさせる。社会にとって、世界にとっての正しさと