柳美里のレビュー一覧
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小説って、こんなことまで表現できるのか。衝撃。
血と絶望と怒りと苦しみの物語、否、歴史。
今をなお、殺され続けている彼らの苦しみをこの物語は救う。
最後にたどり着くのは「自由!」
祈りのような小説だ。Posted by ブクログ -
おそらく一万円選書の本に出てきたから読んだのだとおもう。
子育ての成否は、その子がどの大学に合格したかではなく、どの職業に就いたかでもなく、どのような家庭を築くかなのです。p129
すごい人。
壮絶な人生って、こういうことなのだろうなとおもう。それをこんなふうに文章にできるところもすごい。
目を...続きを読むPosted by ブクログ -
韓国朝鮮近現代史―日韓併合、満州、慰安婦、朝鮮戦争ーを背景に、著者柳美里さんのマラソンランナーである祖父とその家族は駆け抜けていく。
すっすっはっはっ
呼吸音を響かせながら、肉体は血と汗を流し、息苦しいまでの情念と“恨”(ハン)が物語の言葉を絞り出していく。
すっすっはっはっ
オノマトペが彩る...続きを読むPosted by ブクログ -
高校生だった時に父親を亡くすというトラウマのある主人公。原発事故後、愛する息子を守ろうとするあまり徐々におかしくなっていく、孤立を深めていく過程がこれでもかというほどしつこい自問自答によって描かれtりる。コロナ禍にいる我々にとっても、他人事ではないように感じられ、心が落ち着かない。Posted by ブクログ
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『JR高田馬場駅戸山口』柳美里
山手線シリーズ。『グッドバイ・ママ』の新装・改題版。上野駅も品川駅も孤独で辛かったけれど、こちらは群を抜いて孤独だと思った。こんな手法で孤独を描くことができるんだと思った。おそろしい。
夫は単身赴任先で不倫、母親は離婚、父親は他界、義実家とも不仲。幼稚園児の息子...続きを読むPosted by ブクログ