柳美里のレビュー一覧

  • JR上野駅公園口

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    以前読んだ時は少々退屈してしまい途中でやめてしまった。今度こそと意気込んだら意気込む必要などなかったくらいに引き込まれた。
    きっと心の余裕の問題だったのだろう。

    感想はうまく言葉にならないことの方が多いけど、とにかく読んでよかった。
    世界の見方が少し変わった気がする。

    国のために生き、なにも報われず、社会に蹴り落とされて死んでいった主人公の魂。いまの日本じゃいつまで経っても上野公園から離れることができないんじゃないかな、といたたまれない気持ちになる。上野公園にふらりと舞い戻った主人公が天皇に手を振るクライマックスは、圧巻だった。

    原発ができる前の浜通りの人々の暮らし、
    加賀藩からの開拓の

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    2024年10月22日
  • JR上野駅公園口

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    一人のホームレスの男の一生のお話。
    始まりから不穏で心がざわざわしました。
    そして、この男性目線で語られる情景や回想から徐々にわかる状況や過去。
    失われる人の描写は切なく胸が締め付けられます。
    こんなにも、胸にせまる描写ができる柳美里さん、すごい…ってなります。
    家族のために全てを捧げて仕事に邁進した男。
    家族との時間、交友関係、趣味、色々なことを犠牲にして突き進んだ先にあるもの。
    その家族を失い、目的がなくなった先にあるものは悲しみと喪失感、絶望。
    男はそこから抜け出すことができず、自分を責め、生きることに罪悪感を感じる。
    そして、自ら身寄りを離れホームレスになった。

    生きるとはなんなのか

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    2024年10月20日
  • 自殺

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    余裕がないひとにしかわからない
     結構柳さんて敏感なんだ。
     ひとはなぜ喜んでまでジェットコースターに乗りたがるのかわからなかったが、死への接近を体験できるといふので納得した。

     長く感じられる本だが、死についての感覚は、やはり人一倍するどくて、私の奥底とどこかつながってゐる。

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    2025年03月29日
  • JR品川駅高輪口

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    高校生の百音は形だけの家族との生活、形だけの友人関係に生きている価値を見出せなくなる。毎日の日課は自殺願望を持った人たちが集う掲示板サイトを見ることだ。

    百音は心の中での話し方は淡々としており、自分の気持ちなのにどこか他人事のようだ。
    生きているのに、生きている実感がないように感じる。

    物語の特に冒頭部分だは、百音の耳をすり抜ける電車内のアナウンスや周囲の人たちの会話が羅列されており、百音の孤立感がさらに読者にも迫って感じられる表現となっているように思う。

    百音のように自殺願望を持ったことはないが、私自身も小学生の頃クラスメイトにハブられた経験があり、生きている意味、存在価値を考える気

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    2024年08月28日
  • JR品川駅高輪口

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    年間3万人を数える日本国内における「自殺」。本書は作家、柳美里が一人の少女を通して問いかける「生と死」の意味。圧倒的なリアリティを持つ電車のアナウンスや、車内や女子高生同士で語られる「会話」が秀逸。




    本書は作家、柳美里さんが1998年以降、 自殺者連続3万人の日本社会に問う長編小説です。よく彼女はツイッター上で、電車への飛び込み自殺で、運休を見合わせる旨を示すツイートを「……」というメッセージを添えてRTしていることがあるのですが、これを読みながら3万人もの人間が「消えて」行っていることを思い出し、なんとも複雑な思いがいたしました。

    物語は冒頭から「2ちゃんねる」を思わせるような掲示

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    2024年07月09日
  • ねこのおうち

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    評価は迷ったけど、3ではなく4にしてみた。
    さみしくて切ない、不遇なねこたち&人間たちのお話。ねこも不遇だし、人間も不遇。いや、一番最初の話は寂しいとか切ないとかを超えて救いようがない悲しい話でした。
    私が読んだ単行本は装丁が版画のようで、さみしくて切ないこの本の内容になんてぴったりなんだろう。。
    文章の書き方も、たまにですます調になったりして、突然読み聞かせみたいな丁寧さが混ざることで、さらに不安定な感じを与えている気がする。
    ただ、なんだろう不遇な話なんだけど、なんか微かに希望があるというか。なのでさみしくて切ないだけでもない本でした。

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    2024年06月21日
  • JR上野駅公園口

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    ネタバレ

    福島生まれの男性が、家族のために出稼ぎ生活を送る間に息子を亡くし、60を過ぎて出稼ぎ生活に終止符を打って郷里に帰ってから妻を亡くし、子どもたち家族に迷惑をかけまいと東京に舞い戻ってホームレスになる。そして孫娘は震災の津波で亡くなった。
    さまざまな事情を抱えているだろう、家のない人々との少ない会話。上野を行き来する家のある人々の会話。淡々とした彼の観察眼。
    天皇や皇族が上野の博物館や美術館を訪れる時の「特別清掃」、山狩り。一度目の東京五輪時に出稼ぎで土木作業に従事した彼が見る、二度目の東京五輪の時代。「自分と天皇皇后両陛下を隔てるものは、一本のロープしかない。飛び出して走り寄れば、大勢の警察官た

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    2024年06月17日
  • 自殺

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    女性作家が高校生向けに、自殺を総括した抗議をまとめたものです
    在日2世だったためか、日本育ち生まれでありながら「日本人は」と巨大な主語で意見を述べています
    わかりやすさ重視のためか、極端な事例を引用した主張が多いです

    昔の遺書を引き出し、自殺とはどういうものかを学生に向けて噛み砕いて説明しています
    事例も自殺した小学生、中学生の遺書を挙げており、学生にとって身近な存在を感じさせるのが上手でした

    著者自身が東京生まれということもあり、育ちは貧しくとも環境自体は日本有数のため、恵まれてもいる立場からの意見と感じるものもありました
    著者の中高生時代のエピソードも思い出すように語られるので、その中

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    2024年06月02日
  • JR上野駅公園口

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    この作品は1回だけじゃなく何度も読んで
    読み砕きたくなる内容だった。
    一読では難しさを感じる。

    ただ、ホームレスでここまで読ませる作品も初めて出会ったなと思った。

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    2024年05月22日
  • 人生にはやらなくていいことがある

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    同時代を生きている人は、宇宙のスケールから考えれば、みな同世代。
    という考えにひかれました。
    余生、老後なんてものはない。人生に「余り」なんてない。 「老年を 死に向かって 暗く閉ざされていく時間だとも思わない」

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    2024年02月22日
  • 人生にはやらなくていいことがある

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    どんなに嫌で恥ずかしくて不本意な過去でも、それらの出来事の堆積の上に今の自分がある。。 #柳美里 は初めてだけど壮絶過ぎる過去で、他の作品も読んでみたい。

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    2024年01月28日
  • ねこのおうち

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    うぅっ〜、正直読むのをやめてしまおうかと思うほど辛い気持ちに…
    しかし、ページをめくる手はとまらずに最後まで。
    猫も人間も生きていくことの厳しさ、報われない現実、不平等…
    解説にもあったように「自分の見たいものだけ見る」そんなご都合主義の人が世の中には沢山いる。
    自分は大丈夫だろうか、目を逸らしたくなるようなことにもしっかりと向き合っていかなくてはいけない。そんなふうに感じた。

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    2023年09月10日
  • 貧乏の神様 芥川賞作家困窮生活記

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    柳さん自身がすこし浪費癖がありさう
     山登りのはなしとかおもしろいものもそれなりにある。後半の創出版未払ひをめぐるやりとりも珍しかった。しかし金銭感覚について申し上げると、柳さんの感覚は私とはすこし離れてゐるやうだ。

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    2023年06月18日
  • JR上野駅公園口

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    感動というより寂しくて恐い話。何も悪いことはしていないけど不運な主人公のつらさや、宗教の部分をアメリカでどう訳して評価されたのか気になった。
    この作者の本は読まず嫌いでしたが、薦められて読んでよかったです。

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    2023年06月11日
  • 南相馬メドレー

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    震災後、鎌倉から南相馬に居を移し、舞台や書店開店など様々な活動を行う柳美里さん。
    たくさんの悲しみや喪失に寄り添う姿に尊敬の念を覚える。

    避難所でおにぎりを1日3000個握って手が真っ赤になる、寒い東北でも1週間後の支援物資のおにぎりは腐っていた、車の中での避難生活…

    より現実感を持って震災が迫ってきて苦しくなる場面もあった。知ることには責任が伴うといあ言葉も重い。

    心に残った言葉
    その人が大切ならば、その人を失った悲しみもまた大切なのです

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    2023年05月09日
  • 8月の果て(上)(新潮文庫)

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    詳しくは後半にまとめて
    朝鮮半島の風俗と豊かさ、そしてその封建的な家族制度の弊害がよくわかる描写の多くに、戦前の日本のあまりに貧弱な同化政策の浅薄さが浮き彫りになるな、と。

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    2022年11月11日
  • JR上野駅公園口

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    もしかして初の柳美里 上野にたむろするホームレスの話。
    普段意識したことのなかった人生の側面を見た。
    どこかでまた、この人の本を読もう。

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    2025年12月08日
  • JR高田馬場駅戸山口

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    柳美里の山手線シリーズ、私にとっての3冊目。あとがきに、連作8作の内、唯一師匠的な内容である、とされている。それがうなづけるぐらい、主人公の心理的な流れが言葉としてしつこいほどに表現され続けている。断続的な意識と指向の連続が、主人公の絶望へと駆り立てられる様子をとてもリアルに描き出してく。

    なぜか不自然に陸軍軍医学校跡と出土した人骨の身元と行方に執着する主人公。731部隊の犠牲者の遺骨ではないかとされているようで、著者のバックグラウンドもそこには想起されるが、「名もなく」犠牲の死を遂げた者たちを悼む主人公の姿は、同じく名もなく社会の流れから断ち切られ疎まれ続ける自身に対する哀れみの表象だろう

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    2022年02月08日
  • 人生にはやらなくていいことがある

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    ただ自分の人生をありのままに書いただけのはずなのに 小説以上にドラマチックで、恩師のくだりでは思わずジーンときてしまう。家族って、本当にいろんな形がある、と思った。

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    2026年01月12日
  • JR品川駅高輪口

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    「山手線シリーズ」第4作

    もともとは、2016年に出版された『まちあわせ』を改題したもの。その経緯については、著者による「新装版あとがき」にて説明されている。
    第5作があの『JR上野駅公園口』なので、遡って、逆回りの山手線にのっているような感じです。

    『JR上野駅公園口』が時間軸が長く時代背景の知識もある程度必要とされ、また観念的な記述も多く、決して読みやすくはなかったが、こちら『JR品川駅高輪口』はその点、わりと近い過去の話し、若き高校生が主人公でもあるので、すんなりと読めると思う。

    家族間でも、学校内の友人関係でも、疎外感をいだき、表面上はつくろっているものの、死を、方法や手順は明確

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    2021年10月17日