柳美里のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
今までずーっと読みたいと思ってた柳美里の本です。
『女学生の友』と『少年倶楽部』が入ってます。
うーん、二つともかなーり濃い内容の社会派小説になってるかなぁ。
『女学生の友』は、定年退職して生きる喜びのないおじいちゃんと、何を喜びに生きていいのかわからない女学生が恐喝するお話。
老後、今時の女子高生、リストラ、倒産、援助交際、核家族などなど、今時の社会事情をうまい具合に小説にしてるなぁ~。って感じる本。
なんだか、今の世の中ってこんなに暗くて寂しいのか。。。って思わせる。
でもね、未菜の言葉はせめてもの救いになってるというか、これがなければ、単なる恐喝事件を促すようなないようになっちゃうの -
Posted by ブクログ
柳さんのプロフィール的なことは何作か著作を読んでいて知っていたんだけど、改めてこういう形で読むと、「濃い」と思った。
家庭環境や学校でのいじめ、って箇条書きみたいにしちゃうと平たく感じちゃうんだけど、読んでる間、最初から最後まで薄闇の中で目を凝らしているような重苦しい感覚なのに、なぜだか軽快に読み進めることができた。
私も柳さんと同じく高校を中退してモラトリアムと言えば聞こえはいいけど何もせずにただ家に居た時期があった。
今はこうやって冷静に感想を書けるけど、きっとその時期に読んだら心が揺さぶられすぎていたんじゃないかと思う。特に前半。 -
Posted by ブクログ
『昭和四十三年、夏至の早朝、在日韓国人夫婦のあいだに一人の女の子が生まれた―。家族のルーツ、両親の不仲、家庭内暴力、苛烈をきわめた学校でのいじめ、そして自殺未遂…。家庭や学校、社会との、絶え間ない葛藤と軋轢のなかで歩んできたみずからの姿を見据え、類いまれな“物語”へと昇華した感動の一冊。作家としての豊かな資質を示し、読者に生命の力を吹き込んだベストセラー作品、待望の文庫化。』
◆自伝小説。柳さんは壮絶な人生を歩んできたとは知っていたけど、こんなにもずっと辛い状況だったんだなと、読んでいて胸が痛くなった。それで今は素晴らしい作品を書く人になっていることがすごいなと思う。 -
Posted by ブクログ
自分で入れといて何ですが・・・カテゴリ、エッセイか微妙^^;正確には主に対談集です。
元々、柳さんが好きなので、他の著作はだいたい読んだことがあるんですが、自殺だけはあまりにもものすごいタイトルなもので(笑)、なんとなく読まずにいたんですけど、読んでみたら思ってたのと全然違って、単純に共感できたりしました。
この本は、自殺がテーマと言うよりも、生における死の位置付けと言うのかな?そー言うことがテーマなんですね。
本の最後は「その人の生が美しければ、死も美しい」と締めくくられています。
驕れるものも久しからず、と言います。けれど、明けない夜も、止まない雨もありません。
時には運を天に任せて、