あらすじ
性的不能になり離婚した、40歳のデザイナー。タイルを偏愛する男は、自室をモザイク画で埋め尽くそうと、赤い海パン姿で制作に没頭する。その部屋をこっそりうかがうのは、盗聴が趣味の自称“非行老人”。タイル貼りの作業に女の専門学校生が加わり、いっそう妄想が亢進した老人は男をけしかける──いっしょに楽しもうじゃないか。標的はある女性ポルノ作家。狂気、罠、監禁……誰にでも起こりうる狂気をひたひたと描き出す、ホラー純文学の傑作。
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Posted by ブクログ
初めて読んだ柳美里作品。エロティックで不思議な感じが面白かった。
初めて読むにはオススメできないけど、柳美里作品を読んでどのようなものを書くのか理解してからなら大丈夫かも。
私は一番好き。
Posted by ブクログ
濃い…。まともな人間が一人も出てこない。
特に主人公の狂い方が(セリフとか)キてななぁ。
なんていうか落ち込んでるときに読むものじゃない。
ホラーといえばホラーかな。
Posted by ブクログ
部屋中にタイルを敷きつめる男。離婚した妻、管理人、女流作家。都会の日常に潜む恐怖と殺意を描いて絶賛された純文学ホラー傑作
実際こんな殺人したらすぐに捕まると思う。
Posted by ブクログ
タイルが好きな男?のお話でした
いろいろ理解不能だし、どうしてそういう流れになるのかって感じでした
ただ、気になるのはあのあとはいったいどうなるのかってことくらいです
Posted by ブクログ
「狂気に理由なし」と感じさせられた柳美里さんのエロティック&黒い笑い&血みどろのホラー小説です。妻に拒絶され離婚したやもめ男が引っ越したマンションの一室で憑かれた様に一心不乱に部屋にタイルを敷き詰め続ける。コンビニで缶ジュースを先に飲んで空き缶で清算したりデパートで水着(赤いパンツ)を試着したまま買ったりしている内はコミカルな笑いで済んでいましたが、男にはとんでもなくヤバイ事をやらかしそうな半端ない異常な気配が出まくりでしたね。不能男の一瞬の変貌が恐ろしく過信と油断が招いた血の惨劇に心が凍りつきましたね。
Posted by ブクログ
柳美里の本は初めて読んだけれど、なんていうか、すごく、自己陶酔型の本だとおもった。いっそここまでいくと突き抜けている。案外常識人の方が狂人を書くのが上手い、みたいな。分かっていながら狙って気持ちの悪いことを書いている感覚。わたし女なのに、こんなに生々しく男の性欲について書けますよ、みたいな。
ホラー純文学というワードに惹かれて読んでしまったがホラーとしても純文学としてもわたしの好きな方面ではなかった。でも総合してこういう自己陶酔型の本、嫌いじゃない。なんで女流作家があんな目に合わなければならなかったかについては結局よくわからなかったけれども。
Posted by ブクログ
『タイルが完成してしまうと、男にはそのあとの物語がなかった。行き止まりのトンネルが口を開いて待っているだけだ。トンネルの入り口には外光が射しこんでいるが真っ暗闇だ。男はトンネルに足を踏み入れ目を凝らしている。』 (p.139)