Posted by ブクログ
2015年06月22日
この前に読んでいたのだ「一私小説書きの日乗 野性の章/西村賢太」で、似たようなニオイを感じますね。女西村賢太と言ってもいい。
露悪的なまでの赤裸々な生活の描写。今回は貧乏がテーマで、ネットは切られ、国保は滞納し、美容院に行く金がないので財布を忘れたフリをする。
攻撃的な性格。攻撃に値すると思うと...続きを読む徹底して攻撃する。今回は「創」の編集者。非は相手にあるとしか思えないが、双方の意見を聞かないとホントのところは分からない。非があったとしても普通であれば、本人に会って協議、請求し、それに応じなければ弁護士マターになるところを、一方からだけの意見をネットやこうした活字でドンドン出していく。腹がたつと甘いものが食べたくなると食べたものを列挙するところなど喜々としてやってるとしか思えない。その毒気たっぷりな性格が読んでるほうは面白い。
それにしても、作家だけで食っていけるのはほんの一部の人だと聞いていたが、こんなに悲惨なものかと思う。特に書けない作家となると救いようがない。
うつ病の症状や無謀な山登りなどセンセーショナルな方向に突き進んでいく。子どもの虐待の告白もこうした性癖から来てるんでしょう。この人のエッセイも必読アイテムですね。