芥川賞作家の柳美里が『創』から原稿料を支払われないとして、話題となったが、本書はその『創』の連載を「お金」「貧乏」にまつわる話を中心にまとめ、新たに加筆した問題作だ。『創』出版との印税未払いの顛末記も書かれており、芥川賞作家が困窮する衝撃のエピソードが明かされる。全国には300万人の非正規雇用者がいるが、彼等に向け「貧乏でも幸せ生きる」意味を問う作品となっている。
Posted by ブクログ 2019年05月16日
作家という稼業は、売れているのはほんの一握り、流行が去るのも速いし…とはいえ、柳さんは芥川賞まで取ったメジャーな作家さん。
何故困窮生活?と思って読んだが、なるほどその行動力によるものが大きいのかも。
しかし困窮しながらも、必ず手を差し伸べてくれる人がいて、その人徳も柳さんの行動力からくるものなのだ...続きを読む
Posted by ブクログ 2015年06月22日
この前に読んでいたのだ「一私小説書きの日乗 野性の章/西村賢太」で、似たようなニオイを感じますね。女西村賢太と言ってもいい。
露悪的なまでの赤裸々な生活の描写。今回は貧乏がテーマで、ネットは切られ、国保は滞納し、美容院に行く金がないので財布を忘れたフリをする。
攻撃的な性格。攻撃に値すると思うと...続きを読む
Posted by ブクログ 2015年06月20日
芥川賞をとった売れっ子の作家が生活苦にあえぐとは…。執筆活動だけでは生活が厳しく、消費者金融に手を出し多重債務者になったことも告白。出版社との印税未払いの顛末記も…。それでも幸せを感じる瞬間があり、貧乏生活を楽しんでいる一面もあるという。作家として、女性として、親として、めいっぱい必死に生きている著...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年12月01日
人に原稿を書かせておいて原稿料を払わないという、前代未聞のブラック雑誌『創』でのエッセイ(一部)と、泥棒編集長とのやりとりについて書いた著者のブログをまとめたもの。大変厳しい生活であることはわかったが、しかし最初に「400字3枚5万」の口約束が「1枚4千円」にまで下げられるのは納得いかない話だ。こ...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年11月23日
柳美里の貧乏な日々の暮らしを綴ったエッセイ。
収入が少ないというよりは、贅沢ではないが支出を抑える意志がなく大雑把といった感じで
作家としてあることを第一に考え他のことには無頓着である結果に思える。
また幼少期の話も語られており、短絡的な考え方は育ってきた環境が強く影響していそうと感じられる。
後...続きを読む
Posted by ブクログ 2015年07月01日
柳美里はほとんど読んだけど、大概私小説なので何を読んでもまたこれか…という…
なのに、稿料の不払いの事件で、これでもかと同じ文章で掲載され、出版する側も側だけども、読んでる方もこれでお金がもらえるのか…と。まさに身を切り売りして、何を書いたかではなく柳美里が柳美里であるための行為なんだなぁと思う。
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