もう大号泣。涙と鼻水で顔がべしゃべしゃになりました。ほんとに家でよかった。
ここまで泣いたの、久しぶりです。
飼い主サトルと飼い猫(元野良)のナナが、やんごとなき事情によりナナの引き取り先を求めてサトルの親しい人達の巡る旅をする物語。
物語の語り手がちょっとお澄ましでツンデレなナナがメインで、猫目
...続きを読む線での語り口が新鮮で可愛くておもしろい。うちにいるワンコもこんなこと考えたりしてるのかなって思ったり。
サトルの人生はあまりにも苦難の連続すぎて同情しそうになるけど、きっとそうじゃないよな。サトルは幸せだった。ナナと出会えて。素敵な両親がいて。不器用ながらも一生懸命なおばさんがいて。素敵な友人たちがいて。不幸に囚われず、手にある幸せを大切にするサトルの人柄がとても胸に染みます。
サトルの心情が直接描かれることはないけれど、サトルの心情にすべてナナは気が付いていて、共に生きている。ベースナナ目線の語り口が後半効いていきます。ナナはサトルが大好きで、サトルもナナが大好きで。その想いが痛いほど伝わってくる。
犬猫飼っているいないに関わらず、どなたにでも胸を張っておすすめしたい本です。終盤人には見せられない顔面になってしまう確率が高いので、うっかり電車やカフェなど人目のあるところで読まぬようご注意ください(笑)。