【感想・ネタバレ】明日の子供たちのレビュー

あらすじ

三田村慎平は転職先の児童養護施設で働き始めて早々、壁にぶつかる。生活態度も成績も良好、職員との関係もいい“問題のない子供”として知られる16歳の谷村奏子が、なぜか慎平にだけ心を固く閉ざしてしまったのだ。想いがつらなり響く時、昨日と違う明日がやってくる。先輩職員らに囲まれて成長する日々を優しい目線で描くドラマティック長篇。

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Posted by ブクログ

児童養護施設『明日の家』の話。
この小説が上梓されたきっかけは、巻末の解説によると、有川浩先生に児童養護施設入所者の方からお手紙をもらったことだったらしい。最後の章のシンポジウムまで読み進むとハッキリとした主張が感じられて、感動して泣いてしまった。

高校三年生のカナとヒサ、新入社員の三田村、中堅和泉、ベテラン猪俣が主な主人公。

第1話 新人の先生三田村は、なぜ児童養護施設を就職先に選んだのかを訊かれ、カナがその理由にブチ切れる。

第2話 同じ高校三年生の杏里は就職希望組だったのだが、ある時突然進学したいと言い出す。

第3話 児童養護施設は就職を基本方針として推していて、進学にはあまり乗り気ではないのだが、猪俣先生もその例に漏れない。その方針も過去の悲しい体験に裏打ちされているのだった。

第4話 施設の近くに、児童養護施設の当事者活動を応援する施設ができた。どんな活動かよくわからない面々が訪ねてみると、多目的というか無目的というか、読書してもいいし、テレビゲームしててもいいし、ぼーっとしていてもいい。料理もよし。退所後もバックアップしていく施設で現に卒業生もきているらしい。

第5話 施設の活動をシンポジウムで伝える機会がおとずれた。「こどもフェスティバル」子供達の未来を考えようという会である。

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2025年12月06日

Posted by ブクログ





『明日の子供たち』



有川浩さん の 長編小説です



こちらの作品は 【ひまわりめろんさん 】が

有川浩さんを読んだことのないという私に…

私の読書傾向をざっくり勘案しつつ
導き出してくれた 有川浩 最初の一冊にと
選んでくれたものでした
真剣に選んでくださった一冊
大切に読ませていただきました

あぁ……緊張する!!


まず この本を読んで感じたのは…
あぁ どうして もっと早くに 有川浩さんを
読んでいなかったの? です
『植物図鑑』と『植物物語』間違っちゃうくらい
有川さんに疎い私……はぁ 情けない( ・᷄ὢ・᷅ )


凄かったーーーーっ!!
面白すぎたかもしれません!


"児童養護施設" が舞台のこのお話
そこで暮らす子供達
その子供たちの生活を支援する職員の方たちで
構成されています
そこでの生活がメインのこのお話



すべてが勉強になりました… :(˘•̥ㅁ•̥˘ ):



児童養護施設に入所するということを
どう捉えるか…ってことなのかしら?
同じ方向を向いていても
同じ考え方ではないと思うし…
答えを出せない問題だと思うの
子供の数だけ 色々な事情があって
本当に難しい問題なんだって 思う
はいっ!正解( •̀∀•́ )bってならないでしょう?


読んでいると…鼻の奥がツーンってなって
眼の奥が痛くなってしまった( ๐_๐)



あぁ ごめんなさい( * . .)"
暗ーい話 ではないの


重たくって繊細なテーマを
決して重すぎずに書き上げてるところ
有川浩さん 見事だなってね 感じました


流れるような文章が凄い
ページを捲る手が止まらないんだもん
読み進めるのがもったいないくらい
大切に読んでみました


よく調べてるなぁって思います
そして 誰かを傷つける文章じゃないから
心を揺さぶられました



「俺が本読むの好きになったのは先生のおかげだよ」

ご本を読むのは素敵なことよ。

───幼い日の福原の言葉がふと蘇った。

みんな、自分の人生は一回だけなのに、ご本を読んだら、本の中にいる人の人生もたくさん見せてもらえるでしょ。先生たちだけじゃなくて、本の中の人もヒサちゃんにいろんなことを教えてくれるのよ。
素敵ねぇ。



これは、
児童養護施設の施設長さんと話すシーン
なんて素敵なのかしら (⁎⁍̴̛ᴗ⁍̴̛⁎)


「こどもフェスティバル」での発表のシーンも
好きだなぁ…泣けてきちゃう… :(˘•̥ㅁ•̥˘ ):



あぁ。。。こんなに書いてしまったわ
何を書きたかったのかっていうとね…



師匠、素敵な作品 読んでごらん!!って
薦めてくれて ホント嬉しく思います



この本に出会えてよかったなぁ♪ ってね
有川浩さん…ハマりそうでこわいです♥

みなさんも是非 読んでみてください
清々しい気持ちになりますよ!



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2025年10月22日

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泣いた〜そして、児童養護施設について勉強になりました。1通の手紙から始まったこの物語。幸福感は人それぞれなんだと改めて思う。有川先生、あったかいお話をありがとうございます。オススメです。

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2025年10月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

印象に残った文
『「施設のこと知りもしない奴に、どうしてかわいそうなんて哀れまれなきゃいけないの!? —— どうして、」
奏子が言葉を切った。言葉が見つからないのではなく、言葉があふれすぎて却ってつっかえたのだと分かった。
「かわいそうな子供に優しくしてやろうって自己満足にわたしたちが付き合わなきゃいけないの!? わたしたちは、ここで普通に暮らしてるだけなのに!わたしたちにとって、施設がどういう場所かも知らないくせに!」』

『人には人の数だけ事情があって、環境がある。「あしたの家」だけとってみても、子供たちがここにやってきた理由は様々だ。世界が違うのではなく、同じ世界に住まう人にもいろんな事情があることを知らなかった。』


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2025年10月19日

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主人公は、テレビのドキュメンタリーを観て感銘を受けて児童養護施設で働き始めた青年


児童養護施設ならではの、
さまざまな事情、出来事を寄り添うように
優しく描かれていて、


気がつけば一気読み

最後の解説でびっくり


児童養護施設のイメージを覆す物語で

かつ、青年の成長の物語で

児童養護施設の子の成長物語でもある。



途中、涙じわり


多くの中高生、大人に読んでもらいたい本です

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2025年10月01日

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児童養護施設を舞台にした作品。
有川さんの作品は大好きなんですけど、改めて『有川さんの作品好き』って感じた作品でした。
即決で星5つ。
たくさんの人に読んでほしいと感じました。

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2025年08月28日

Posted by ブクログ

児童養護施設を舞台にしたお話。
あまり馴染みがない世界だけど、児童養護施設に新しく赴任した職員、慎平ちゃんと同じ目線ですんなり物語に入っていけます。
そこからなるほど、こんな目線もあるんだ。こんな考え方、感じ方もあるんだ。と目から鱗がぽろりぽろり。

小説なんだけど、児童養護施設を知るとてもいいきっかけだなー。
面白いし、読みやすいし、あとはさすが有川先生なのでちょっと挟まる恋模様にニヤつく。

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2025年08月11日

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児童養護施設を舞台としたお話です。
一つのことでも感じ方は人それぞれであることを改めて突きつけられました。
よく知りもせず表面的な部分をだけ捉えて、どうしても勝手なイメージを持ってしまうことがある。自分ごととして捉える必要がある場合は、きちんと知る努力はしなければならないと改めて思いました。
少しずれますが、ビジネスの視点が入っているのも面白かったです。
あと、絶対に解説は読んだほうがいいです。もちろんすべて読み終えてから。

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2025年08月10日

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すごく好き。児童養護施設が舞台。舞台が舞台だからこそ、なかなか慎重さを求められる作品だと思うけど、有川作品のこのさりげない言葉選びが最高にちょうどいい、好き。

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2025年06月22日

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おもしろくて、一気にその世界に引き込まれた。児童養護施設のことを自分は全然分かってなかったのだと思った。カナの思いはこの本を通して、きっと伝わると思う。

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2025年06月03日

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ネタバレ

サラリーマン生活を辞め、90人ほどの子供が住んでいる児童養護施設の教諭になった若者、三田村慎平が主人公。彼の熱血さが施設の職員や子供たち相手に最初は空回りするものの、だんだんと気持ちが浸透して環境が変わってくる。

子供たちの置かれた環境はさまざまであるが、哀れみとか可哀想とか思わないで欲しい。幸せの感じ方は人それぞれだということが何回か出てくる。

子供たちの環境と将来に向けての不安、対する職員の優しい本心…いくつかのエピソードに涙腺が崩壊した。素晴らしい小説でした。

新米教諭だった慎平が先輩になり、後輩を指導していくシーンで終わるのに胸が熱くなりました。

以下ネタバレです。
実はこの小説は児童養護施設にいた大学生が、このような施設をテーマに小説を書いて欲しいと有川浩さんに手紙を書き、実現したらしい。(その学生さんが解説を書いている)本文中にも物語の中で、施設の女子が作家に向けた手紙を出すシーンがあり、この構成には感動しました。

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2025年03月11日

Posted by ブクログ

児童養護施設のことを知るきっかけになった本。自分のものさしや色眼鏡で見がちな世界を分かりやすく表現してくださる有川浩さんが素敵で、レインツリーの国を読んだときのような、他者理解を深く考えさせられた。もちろん、どの年代の方からの視点でも面白いと思うが、中高生の頃に出会いたかったと思う本。

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2025年03月02日

Posted by ブクログ

 この本に出会って良かったと本当に思える作品でした。
 児童養護施設で暮らす子供たちを「かわいそう」と思ってしまう事は、私の上から目線の傲慢な気持ちであった事。
 施設での生活に幸せを感じている子に対して「かわいそう」はとても失礼だ。

 しかし、高校卒業と同時に施設を退所し自力で生きていかなくてはいけない現実。
 私が同じ時期に、当たり前のように学費を出してくれたり生活を支えてくれた親が、施設の子たちにはいない事に心が痛んだ。

 自由に自分の進路を決めたり、退所後も心のよりどころになる場所ができるように国をあげて考えなおさなくてはいけない。
 なにより、この本を多くの人たちが手にして現実を知る事がとても大切です。
 大人だけでなく、中学生や高校生の子たちにも読んでほしいです。

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2024年12月17日

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ネタバレ

爽やかな後感の爽やかに泣ける作品。主人公がみんな健気で好きになれる。当事者の手紙がきっかけに書かれた本だとは思わなかった。

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2024年11月23日

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人は自分たちの生活に直接関係のないことは興味を持って知ろうとしない。知らないから薄く表面だけを見て児童養護施設で生活する子をひとまとめにして「かわいそうな子」と勝手な同情してみたり、ちょっと上から目線になってしまったりするのだろう。思い当たることもあり私も少し反省。
児童養護施設の子供たちは未来の大切な大人、児童養護は社会の負担ではなく未来への投資!素敵な考え方だと思った。票稼ぎの変なばら撒きではなく私たちが払っている大切な税金を未来への投資に使ってほしい。そしてこの本に出てくるような熱く愛ある職員さんがたくさんたくさん集まるように福祉職の処遇改善をもっとすすめてほしいと思う。

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2024年10月02日

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読み終えて、あとがきに心が震えて、胸が熱くなった。
本編でも何度も目頭が熱くなった。
読んでよかったと思える小説に出会えてしまった。
みんなにも出会って欲しいと思った。

児童養護施設というものがどういう存在なのか、在ることを知っているから一歩だけ分かるに近づけた気がする。

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2024年09月28日

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娘が児童養護施設に就職した。
親戚から、「介護なの?障害のある子どもの世話は大変そうね」と言われて、そうかと納得した。
私は学区に施設が入っていたので、そこから通ってくる同級生や施設の存在は認知していた。
けれど、世間的には、とくに年配層には、あまり認知されていないのだと知った。

本作では、私たちがメディアからエンタメとして植え付けられてきた「悲壮感漂う孤児院」ではなく、現実の、ありのままの児童養護施設とそこでの日常が描かれている。
⚫︎当事者たちに選挙権がなく、発言権の弱い分野では国の予算がおりにくい。
⚫︎退所後のケアをしてくれるような施設が少なく、その設立や運営は自治体に任されているため、地域によって格差がある。

施設の子にとっては進学がハンデ。
両親に育てられていない子どもはかわいそう。
どちらも問題は社会構造にある。
両親に育てられる(特に母親)のを当然視して、それが最善策だと疑わない社会や個人。
進学を希望しても資金がないと進学できない社会。
人の営み、福祉、教育を利益追及型の資本主義構造にねじ込んだ結果、生産性の低い、利益を生まないケアが評価されない社会。

かわいそうだと思うとき、自分の中で何が起こっているのか、強者からの見下し、憐れみの目線になっていないか、内省が必要だ。

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2024年07月11日

Posted by ブクログ

児童養護施設について、自分の持っている偏見を改めることができた。
個人的には、自分は教員をしているので、子供に対する接し方や真摯に向き合う職員たちの姿勢に感動した。特に、猪俣先生とアッコちゃんのエピソードは涙なしでは見られなかった。
感動する良作。

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2024年04月22日

購入済み

希望

憧れや正義感だけではけっして務まらない。
子どもに手を差し伸べるのは大人の役目だけれど,物事の価値まで大人が決め付けてしまうのは言語道断だ。
人それぞれの生き方があって,居場所があって,いろんな種類の幸せがある。

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2020年11月02日

Posted by ブクログ

A この本がすべてではないのはもちろん前提として、関心を持つきっかけとして、おすすめしたい。隣の学区に児童養護施設があったけど当時は大人に聞いても大した答えが返ってこなかった気がする。施設には入ってはじめて人間らしい生活ができる、選挙の票にならないから児童福祉は後回し、当事者の声。世の中、知らないことはたくさんある。

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2025年11月18日

Posted by ブクログ



児童養護施設の子供たちと先生達の成長の物語

最後の方のカナの講演が素敵すぎる!
ヒサも超かっこいい!
この2人、最高よ!

そんな子供達に、奨学金も含め、支援を出来ないのであれば、日本という国はこれ以上の発展は望めないのではないだろうか。
選挙権が無い子供にお金を出す事を惜しむ心が貧しい国、日本。
どうか変わっていきますように。

私自身も、この本を読むまでは、
児童養護施設=可哀想な子供たちが生活している場所
という認識でした。
このような誤った認識を無くすためにも、この本を一人でも多くの方が手に取って下さることを祈っています。

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2025年10月21日

Posted by ブクログ

児童福祉の世界について、価値観がガラッと変わった。「家族」のようなものなのかと思ってたけど、また違う職員と児童との関係。児童養護施設にいる子どもたち、家族と暮らす子どもたち。大人になったら皆一緒だと思っていたけれど、違うよな。頼れる場所は誰にでも必要。

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2025年10月06日

Posted by ブクログ

自分の知らない世界。
卒業後の進路とかリアルだな、
高卒で働けるとこもあるし、他にも警察や消防だと学校に行きながら給料がもらえる。
だけど、辞めた時には何も残らないただの高卒。
お金を気にせずに学びたい子が学べるようになってほしい。ただの綺麗事にしか聞こえないけど。

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2025年07月18日

Posted by ブクログ

本を読んだら自分以外の人の人生が疑似体験できる。他人の人生を読んで経験することが、自分の人生の訓練になってる
この本を読んだ体験もまさにそうかもしれない。
知らなかった世界を知れた。知らなかった世界に対する自分の感情を知れた。価値観が広がって豊かな気持ちになった。気持ちいい読後感。また読みたいなと思う作品だった。

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2025年07月15日

Posted by ブクログ

有川ひろさんの作品の中で私が1番好きな作品。自分から遠い、別の世界に住んでいる人との間に境界線を引いてしまいがちだけど、実際に会って話して、その人のことを知らないと。肩書きとかでも言えること。

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2025年04月14日

Posted by ブクログ

施設のことを少し知れた。かわいそうじゃないというところ、ハッとした。
あとがきを読んで実話に近いことを知った。

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2025年01月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

児童養護施設のお話。
奏子が手紙を書いてたところであれ?ってちょっとだけ勘づいたけど読み進めてまさかの解説でネタバラシは新しすぎてすごくよかった。解説開いて読み初めた途端に涙が出てきた経験は初めて笑
なんか途中ちょっとグダる感じがあって結構読み進めるのに時間がかかった気がするなあ。
でも奏子のゆってたようにほんとにこの本を読む前と後では児童養護施設に対しての見方が180度変わった気がするいい意味で。そして作者さんはとっても思いやりのある方なんだなあと感じた。

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2024年12月05日

Posted by ブクログ

恥ずかしながら施設の状況って全然わかってなかった。身近にないことってなかなか知らないけど、そういったことが分かるってことも読書体験から得られることと改めて思った。

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2024年11月24日

Posted by ブクログ

丁寧に取材されたことがうかがえる、当事者の想いが描かれています。
可愛そうだと思っているけど、幸せで愛されていることが伝わってきました。
読んだ後は現実社会にも目を向けてしまいます、さすが有川さん。

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2024年10月01日

購入済み

良作

有川浩らしい文体、読みやすさ。おもしろい。
ただ、ちょっときれいにまとめてるなあという不自然感は感じる。現実はもっと厳しいし、白黒つけにくいグレーなまま人生が進んでいくのではないだろうか?
ただ、児童養護施設というものについて全く知らない人にとっては格好の入門書となるだろう。

#感動する

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2021年11月06日

Posted by ブクログ

施設で暮らす子どもたちやそこで働く職員や子ども達を取り巻く大人達の事が書かれている。それぞれの想いがつらなり響くところはよかったねととても温かい気持ちになった。

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2025年09月02日

Posted by ブクログ

児童養護施設の話。長編だったけど最後まで読み切れた。
こういう世界もあるんだなと勉強になった。
恵まれない子供じゃない、自分は自分。
強く生きる姿に元気もらった。
有川さんらしいあたかかく強い作品だったなぁ。

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2024年10月21日

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