あらすじ
塩が世界を埋め尽くす塩害の時代。塩は着々と町を飲み込み、社会を崩壊させようとしていた。その崩壊寸前の東京で暮らす男と少女、秋庭と真奈。世界の片隅で生きる2人の前には、様々な人が現れ、消えていく。だが──「世界とか、救ってみたくない?」。ある日、そそのかすように囁く者が運命を連れてやってくる。『空の中』『海の底』と並ぶ3部作の第1作! 番外編も完全収録!!
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奇想天外なSF ラブストーリー
人類滅亡の危機、それを救うのは元自衛官、そしてその恋人に待ち受ける過酷な宿命!
と、まるでハリウッド映画のような展開。
しかし、ハリウッドの作家でも思いつかないような奇想天外な設定に、アクの強いキャラクター。
それを甘くて苦い、そして切ないラブストーリーでまとめ上げる、凄いとしか言い様のない作品です。
無茶苦茶な設定のはずなのに、読んでる内にその世界観に待ち受けるにドンドン引き込まれます。
これぞジャパニーズSF 。
Posted by 読むコレ
自衛隊3部作
塩害により塩に埋め尽くされ、社会が崩壊しかけた東京。秋庭は暴漢に襲われそうになった所を助けた少女(真奈)と穏やかに暮らし始めた。大規模テロ作戦に参加する羽目になり、見ないふりをしていた二人の関係にも・・・。
Posted by 読むコレ
有川浩のデビュー作。図書館戦争好きな人はこの本も好きだと思う。秋庭の出撃シーンとかもっとあってもよさそうなんだけど、どうやら初版の文庫本にはあって、ハードカバー化された時にカットされたらしい。
Posted by ブクログ
有川浩のデビュー作と聞いて読みたかったのをやっと読んだ。かなり良かった。
世界が変わっていってしまっている時だからこそ人との関係を見直すこともあるのだろうと思った。
大切な人をもっと大切にしたくなった本。
Posted by ブクログ
デビュー作ということもあり、他の有川浩さんの作品と比べると少し読みづらさはありますが、
読んでいる時の楽しさや、恋する気持ちの浮き沈み、そして自衛隊の過酷さを書くのはこの頃から上手かったので驚きました。
最初は遼一さんが主人公かと思ったぐらい、1話目から感動的な恋愛ストーリーでした。
秋庭さんの家に遼一さんを連れ帰った時の「噛みません
」のやり取りは、『植物図鑑』を思い出させました。
というよりも、こっちが先なんですねたぶん( ̄▽ ̄;)
2話目に出てきたトモヤさんと横山ユウコさんは、その先の話で出てくると思ったら出てこなかったですね…。
ただ、3部作との事なので他の2作品の中で登場するのかも…?一応、覚えておこうと思います。
この中で1番好きなキャラは、実は入江さんなので
入江さんにもまた登場して欲しいなぁと淡い期待を抱きながら次作を読みたいです。
Posted by ブクログ
どでも″よかったです(´;ω;`)
この本もこの本で今の私に刺さる言葉、文章が多すぎて付箋がすごくなっており感涙いたしました。きっと今読んだから良かったんだという思いと後で読んでもきっと良かったという思いがあります。いろんな角度から話が見て取れて1本につながっていく感じも好きです。何より主人公級の2人がとても素敵すぎる話でした。そして、他の登場人物も癖はあったりしてもそこまで悪印象な人もいなかったりしてそれもまたとても好きです。いつものことながら大号泣しましたが、また私の本マイベストが変わりそうな気もします!勧めていただいた方にも感謝です!
有川浩さんすきですねぇ...
三部作いこうかなってまよってます!
Posted by ブクログ
有川ひろさんのデビュー作を2025年の1冊目として手に取りました。
同じ世界線での短編を続けているようで全て繋がっていきます。
シーン3までの秋庭とそれ以降の彼は別人のように思えるほど真奈にべったりでしたね。
「塩の街、その後」を読む頃には登場人物たちが好きになってしまっていたのでとても楽しく読めました。イライラするクソガキが出てくる話からクソガキが可愛げたっぷりで夢を叶えた。 真奈の妊娠もあって、塩害から未来へという希望に溢れた終い方でした。
Posted by ブクログ
物語の舞台は、謎の「塩害」によって人々が次々と塩の柱になってしまう世界。突然の災害により、日常が崩壊した世界で、人々は恐怖と混乱の中で生き残りを模索する。
主人公は、航空自衛隊員だった秋庭と、彼に助けられた女子高生の真奈。この二人は、崩壊する世界で出会い、互いに支え合いながら生き抜いていく。秋庭は厳格で孤独を抱えた人物で、真奈との出会いによって少しずつ心を開いていきます。一方、真奈も秋庭の支えとなり、彼との時間を通じて強く成長していく。そんな2人のもとへ様々な人がやってくる。塩害にあった恋人とともに海に帰りたいという青年、真奈に一目ぼれしたタイプライターになりたい少年、秋庭の同僚で性格のひん曲がった入江。様々な人との出会いの中で真奈と秋庭の出会いが僕ら読書に向けて明らかにされていく。また、ここで些細なことだが真奈が秋葉に好意を寄せているのにも気づけもうすごく面白い。途中から2人の恋愛模様がもどかしくてすごくおもしろかった。普段あまり恋愛小説を読まないがこれに関してはすごくおもしろかった。「恋愛小説です!」と堂々と示すのではなくさりげなく交え、でも規模?はでかく初めての感じの作品で新鮮だった。
愛は世界を救うというフレーズを聞くがまさにこれだと思った。一か所だけ挿絵がありただのジェット機だが文章を読んでから見るとすごく良い挿絵だと思う。SFでありえない世界線の話ではあるがそんなことはあまり気にならず難しくもなく話に入りやすい作品。
Posted by ブクログ
『植物図鑑』からどハマりした作家さん。今でも作家読みするのは有川浩と伊坂幸太郎くらい。
『彼が世界を救ったとしたら彼女のためだけに救ったのだ。彼女がその世界にいるから。その世界に彼女が生きているから』
秋庭さんと真奈ちゃんの出会いがあったから世界が救われた。好きな人が塩になって死んでいくのを見たくなかったから。大切な人がいる人なら十分すぎるほど理解できる感情で、ページをめくる手が止まらなかった。
二人に濃い思い出を残していったノブオ君の『あんな恐ろしい災害の中でも人の気持ちがきっと一番強かった』っていう言葉が、この物語の核だと思う。
またいつか、再読したいと思える本。
Posted by ブクログ
会社の人に勧められて読破。
秋葉さん・真奈ちゃん、愛だなぁ︎
個人的には、SCENE-1が好き。
塩になった彼女と、海に行く谷田部君。泣けた
Posted by ブクログ
ついについに読み終わってしまった、
あ〜めっちゃくちゃに良い。秋庭さんのキャラ良いなぁメロい…
この物語では塩害がテーマだったけど、災害が軸になっているのもすごく印象的だった
Posted by ブクログ
自衛隊シリーズでいちばん好き
言葉で伝えてなくても、お互いをいちばん大事に想ってて、当たり前に命をかけて守る。恋愛なんて言葉では表しきれない関係がとても美しい
大好きなお話。
大好きで何度も何度も何度も読み返しています。いつでも読めるように電子でも購入しました。
優しくて不器用な自衛官と強くてか弱い女の子のお話。真奈の軽い荷物であろうとする姿にとても非常に共感します。
世界の運命をかけた大恋愛。大好きなあなたしかいらない、という真っ直ぐで熱い気持ちが響きます。
これが一番いい
「処女作には、その作家のすべてが含まれている」と言われているが、良くも悪くもこの作者の特徴が詰まった傑作。
今読み返してみても自衛隊3部作の中ではこれが一番いい。
Posted by ブクログ
有川浩のデビュー作。世界の各地に突如巨大な塩の結晶が降ってきて人が塩になってしまう「塩化」現象が起きてる。世界の人口は大幅に減り、日本でも治安が乱れ、ライフラインも止まった。巨大な塩の塊は生命体で人に暗示をかけて塩化させるという。設定は荒唐無稽感はある。しかしそれ以上にいろいろなことを考えさせられる作品だ。2011年3月11日以降にこの作品を読んだ人は皆あの日の大震災を重ねるだろう。
第一章、世界に異変が起きていることだけは認識するがそれが一体なんなのかわからないまま話が進む。そして章の最後に青年が背負っていたバックから人の形をした塩を出したとき息を呑んだ。そして彼が背負っていた思い出に胸が刺される思いになった。自分にとっては一章が作品の最大のハイライトだ。
2章以降は物語の主役、高校生だった真奈と自衛隊だった秋庭を中心に進んでいく。この二人は塩害が起こらなければ出会うはずのない二人だった。真奈と秋庭はお互いに相手への思いを強くしていくが特に真奈は複雑な胸中だった。真奈は塩害で両親を亡くした。塩害がもたらした出会いと別れ。塩害が起こらなければ、と思ってもそれは仕方のないことだ。そう分かっていて考えてしまう、どちらが良かったのだろうと。ここは3.11重ねた部分だ。
六章で秋庭は巨大な塩の結晶を戦闘機に乗って破壊する。それによって世界は救われた。ここはちょっと「ん?」となったけど。破壊するのは秋庭でなくてもよかったはずだし、東京の結晶を破壊してすべてが終わったわけではない。まぁそこは大げさにしておこう。そしてその後の世界で塩害の被害をほとんど体験しなかった中学生が表れる。彼はルポライターを志しておりかつて人だった塩の塊を目にすると途端に顔をそむけ、しかし資料として写真を撮る。この行為に3.11のがれき処理を拒む人々を重ね合わせた。
その他にもお嬢様の樹里と執事の柏木の物語が良かった。立川基地司令入江の性格の悪さもよく書けるなぁと感心してしまう。最後は真奈と秋庭のハッピーエンド。べたべたなのに読んでて微笑ましくなってしまう。
余談ながら有川浩の特徴?のちょっと現実じゃないかなー、思う言葉使い(特に男)はデビュー作から顕在。、
この作品はフィクションだが3.11について改めて考えさせられた。いやフィクションだからこそだろうか。作品自体は2007年だから3.11を意識してということはない。普遍的な人間の心理がそこにあるのだと思う。3.11を体験していない人に読んでもらいたい作品。
タイトルの割りに糖度高め
タイトルとはかけ離れたイメージの作品かな?
私が勝手に『塩』から、淡々と語られる出来事を想像していたけど…裏切られた!って思った。
ただこの裏切りはかなりプラスに向いたベクトルでどんどんのめり込みながら読み進めました。
展開はかなりアップテンポで一気読みだったけど、途中呆気ない幕切れを迎えちゃうような場面もチラホラ。
まあ、事細かに描写されても世界観が崩れちゃうからかかな?なんて自己解釈してみたりして。
『さぁ!ここから盛り上がるぞっ!』って時の肩透かしはちょっと残念感が有りました。
とはいえ、独特の世界観は今の日常の直ぐ裏側に有りそうな…危うい感じも楽しめめたと思います。
読み終えて見ればれっきとした恋愛もの。こんな風に好きな人と居れたら(*´∀`*)だよね~。。て独り身に沁みました。
Posted by ブクログ
突然宇宙から塩の塊が飛来したことをきっかけとして、人間の体が塩になって死んでいく「塩害」が蔓延した世界を救うカップルの話。と、規律を失い荒廃した街で強くしぶとく生きる人々の姿を描いた後日談。
有川浩先生のデビュー作であり、いわゆる「自衛隊三部作」の第一作であり、3作の中で一番甘くロマンチックでメッセージ性が強い。「人間の原動力は『世界を救う』なんて壮大なものではない」というのがストレートに伝わる。展開がちょっと甘すぎて読んでいて気恥ずかしくなってしまうほどだが、突き抜けた恋愛成就はやっぱりいいもので幸せな気分になれる。そして終盤挿絵のF-14 トムキャットがここぞってところに出てきてものすごくカッコいい。
Posted by ブクログ
トミーさんが貸してくれた一冊。おすすめ本の交換こ、楽しい!ちょうどこの間、自衛隊員の友だちと会う機会があって恋愛事情や中の作りのこと聞いたら塩の街まんまでした 興味深い〜。
Posted by ブクログ
2025年10冊目 『塩の街』
塩が世界を埋め尽くす“塩害の時代”という独特な設定がとても面白く、物語の世界に引き込まれました。女子高生の真奈と自衛隊員の秋庭の愛のかたちがとてもよくて、読んでいて「秋庭さん、かっこいい……!」と思ってしまいました。
塩害という異常事態があったからこそ出会えた二人。「単純に好きな女が塩になるのを見たくなかった」という秋庭の言葉に、強く心を動かされました。愛が世界を救うとは、まさにこのことなのだと。
二人がまっすぐに想い合う姿が美しく、読後感の残る一冊でした。
Posted by ブクログ
ずっと読みたかった自衛隊3部作。やっと1冊読めました。いつものことながら何の情報もなく読み始めたら想像していたのと全く違う内容でした。
でも、とても面白く読めました。何と言ってもキャラがいい!主人公?の女の子も、自衛官の彼も。その二人のラブストーリーなんだから思わず応援してしまいましたよ。笑
Posted by ブクログ
巨大な塩の結晶の飛来とともに、「塩の柱」となる病が蔓延した。そんな世界の中で自衛官の秋庭と高校生の真奈は恋をする。
大切な人と一緒にいられるのなら世界なんてどうでもいい、といった趣旨の言葉が印象に残っている。そうかもしれない。
Posted by ブクログ
有川浩のデビュー作。
自衛隊3部作の1作目。
SF色がもう少しあるかと思ったが、純粋な恋愛小説だった。
なかなか良かった。
残りの2部も読もうと思う。
Posted by ブクログ
地球にいくつか隕石が落下したのちに人が塩の柱になってしまう奇病が蔓延し、人口が激減した日本で問題解決を図るお話。そんな状況下でどう生きるのかに主眼が置かれている印象。たぶん恋愛小説。喋り口調から秋庭がかなり年齢高めかと思っていたのだが、全然そんなことはなかった。
前半が問題解決をする話、後半は解決をした後の話になっているが、個人的には後半の方が登場人物らの人間臭さがあるようで好みだった。大きな問題が発生している時だからこそ問題が解決されたり、あるいは繋がりを持つこともあるという話が印象に残った。
Posted by ブクログ
これがデビュー作とかいうバグ
塩害によって荒廃した世界で繰り広げられる2人の大恋愛を楽しめる 秋庭がどう考えてもイケメン
ファンタジー要素もあり、自衛隊員の世界も味わえる、全く新しい恋愛小説
Posted by ブクログ
人間が「塩」になっていく世界線の物語。
ひょんなことから出会った2人が、様々な人と出会い別れ、最終的に世界を救う話。と書くとなんだか陳腐な話だが、少なくとも私はかなり楽しめて読めました。
SF具合もちょうどよく、なぜ塩の結晶が降ってきたのかは深掘りしてないが、何が原因で人は結晶化するのかは化学者の実験により解き明かされており、その過程も踏まえて楽しめた。
死と隣り合わせな世界×歳の差恋愛×終末期感がただの恋愛小説とは一癖違う部分でもあり、甘々部分でもあるのが素敵。
後半4割近くがアナザーストーリーとなっており、あとはご想像にお任せしますではなく、見たかったその先までしっかり書かれているので、読後はスッキリ。
私は外伝の旅の終わりが特に好き。何年連れ添っても、秋庭が真菜のために世界を救っても、真菜は秋庭の何なのか、どのような立場なのか、どう思われてるのか、ずっと気にしてる。その中でのガキの分際で…という言葉で一気に不安になって爆発するシーンは感情移入して泣いた。
まさかの
コミカライズを読んで、そういえば原作を買ってあったと続きを読むことに。
自衛隊3部作の一つということは知っていたのですが、現代ものではなく、まさかのSF。新型コロナ禍にも通じる部分もあり、有川作品の中では重めかもしれません。
星4つ❗
最近の作品を読んだ後に「塩の街」を読んだので、有名になる作家さんは、初めからその片鱗が見え隠れするんだなと、感心して一気に読みました。
他の作品も読みたいと、本屋を回っています。
次は「図書館シリーズ」読みます。
有川浩 もっと読みたくなった
デビュー作の塩からで良かった。もし、海や空からだったら次には進もうとは思わなかっただろう。スケールの大きい設定ストーリーだが、引き込まれる壮大差と、読んでいる方が恥ずかしくなるような透き通る脆さのある寄りかかりの恋ゴゴロが楽しかったですね。海と空が楽しみです。
Posted by 読むコレ
電撃文庫を読んでからの、単行本の文庫落ちであるこちら読んで…ってこの作品の紆余曲折さは作者も言ってるが、なかなかない運命をたどってますな。
電撃版を読んでから、その後の世界がどうなったか!を知りたい気持ちで、こちらの後半に収録されているその後の世界を堪能しての読了。
感想は、、あまりにも出来すぎた美談で終わったのが少々気恥ずかしい感じ。電撃文庫版の方は、句読点の使い方で感情表現が重く、単行本落ちのこちらは軽めに感じるように修正されていたのが残念です。ストーリ自体は電撃版もこちらも、好きなので残りの自衛隊2部作を楽しみに読みたいですね。
Posted by ブクログ
【フレーズメモ帳】
「俺さぁ、すっげえ後悔してさぁ。俺、もっと大人だったらスマートに旨いよって言えたのかなって、今でもすっげ後悔してさ。卒業してから一度も会ってないけど、後悔しててさ。」
「安心しろ。十歳年食ったってそう変わりゃしねえよ。やっぱり照れてうまく言えてない。そういうもんだ。」
「幸せだったらいいんじゃない?器とかはどうでもさ。」
「好きな人を失う代わりに世界が救われるのと、世界が滅びる代わりに好きな人と最期を迎えられるのと、自分ならどっちを選ぶかなぁと、ただそれだけで走り出したお話でした。」
Posted by 読むコレ
ひと言で言えば長い。
文章も読み易いですし発想も面白い。
後は個人の好みの問題として、この恋愛至上主義的な展開は肌に合わないなぁ、と思う位で終わってくれればまだ印象も良かったのかも知れません。
しかし後半、内容を支持した訳でもない本のスピンオフを無理に読ませるというのは如何なものでしょう?
その肌に合わない恋愛観を延々と語られる苦痛と言ったら。
それでもまだオマケという事であれば理解もできたのですが、しっかりその分を上乗せした感じの価格な所が納得できず。
レビュー開始以来初めて挫折をしそうになった作品かも。
キツかった…
Posted by ブクログ
有川浩のデビュー作。
著者を代表する「自衛隊三部作」のひとつめ。
2004年に初発表。本書は本編に加えて後日談が数編付録されている。
舞台は、宇宙から「塩の塊」が飛来し、同時期から人間が「塩」になってしまうことが起こり始めた「塩害」の時代。
既存の社会システムは崩壊し、生き残った人間たちが少なくなった食糧とインフラを分け合って暮らしている。
女子高生の真奈は、両親を塩害で喪い、危険な目に遭っていたところを秋庭という元航空自衛隊のパイロットの男に救われる。以降、二人は一緒に住むようになる。
二人は塩害の混乱期において、様々な事情を抱えた人たちと出会い、そして別れていく。
束の間の平静を甘受していた二人だったが、ある日、秋庭の旧友である入江が来訪し、「世界とか、救ってみたくない?」と持ち掛ける。
二人は半ば強引に入江に巻き込まれ、「世界を救う作戦」に協力することになる。
以上があらすじ。
設定は突飛だが、情景描写が丁寧なので入っていける。
有川浩のデビュー作にして、彼女特有のテンポの良さと軽快な台詞回しはすでに健在。
ただ、結構な長台詞のラリーが随所に見られ、この青臭さが気になった。
また、入江と秋庭のキャラが立ち過ぎていてそれも気になった。明らかな不自然さが目立つ。これもデビュー作特有の魅力ではある。
再編版の発行に際して7年後の作者自身が付記したあとがきでも「恥ずかしいくらい拙いが、これ以上ないらくらい我が強い作品」と評しているが、まさにその通りだと思う。
真奈と秋庭が10歳離れているという設定は良かった。これがあるから、秋葉の決意が強調されるし、「塩害前の旧世界では決して出会うことのなかった二人」というメッセージがよく伝わる。(この二人以外にも同様の描写が各所にあり、本作のテーマのひとつになっていると推察した)
また、本作を含めて自衛隊が取り上げられることが多いのは、作者の単なる趣味らしい。
青臭さはあるが、読みやすくてエンタメとして優れたライトノベル。不完全ではあるが、それが本作の魅力なのだと感じた。
Posted by ブクログ
有川浩さんデビュー作
うまく書くのではなく、書きたいように書いた作品
「人が塩になってしまう世界」という設定がすごい。
序盤で塩害の残酷さと失うことの痛みを感じ、中盤以降は挽回の時間と後日談。
"愛は世界を救う" そんなこと、ありました。
必要な犠牲なんてないけれど、犠牲がないと成し遂げられないこともある。世界を救った本人が隠れなきゃいけないってなんだか辛い...。
Posted by ブクログ
事前情報なく読んだので、自衛隊シリーズとかデビュー作であるとかは後で知りました。感想としては、とても読み易く、すんなりと読み切れたといった所です。まず設定が斬新で、自分がこの状況下に置かれたらどう行動するかを考えつつ、主人公2人の行く末を見守りながら読み進めていった感じです。基本的には、恋の物語ですね。読む前のイメージでは、もっと悲惨な状況と人々がどうその中を生き抜いていくか、そんな内容が終始続くのかなと思ってましたが、その辺りは多くは描かれてはいないですね。しかしそんな状況下において、2人の恋の行方、どう寄り添いお互いの気持ちがどう成就されていくか、その過程は非常によく描かれていたと思います。ひとつまた新しいジャンルの本が読めた気がして楽しめました。
Posted by ブクログ
一章と二章が割とシリアスな感じで始まり、中盤以降から恋愛へと移行すると言う、この作者らしい作品だなと思った
明るくて軽い読み心地ながらも、所々で挟まる登場人物たちの叫びがグサッとくる。恋のかたちも、その結末も人それぞれだとよくわかる作品。感動って感じでもなかったが、さらっと読めるので、読書苦手な人にもおすすめです!
惚れてます!
順番が前後してしまいましたが、塩の街がデビュー作と知って、ますます惚れてしまいました。思えばTSUTAYAで「図書館戦争」のDVDを借りてから原作、アニメ、コミックとハマり、今ではこの作家さんの作品を追っかけています。なんといってもキャラが立っていて、続編というか、その後のストーリーも読み応え充分でたまりません!ここまでキャラの背景を深く設定するんだ!作家さんって!と恐れ入りました。当分、彼女の作品に浸る毎日を過ごします!
恋愛至上主義過ぎて読破ならず
…何なの、この『恋愛至上主義』は。。。
私、女性ですが、女だってこんなベタベタな恋愛小説は辟易します。
塩に脅かされる、っていう世界観は面白いかな、と思うので、それに対して星2つ。
この『自分達さえ良ければ他はどうでもいい』っていう陳腐で自己中な考え方がどうにも肌に合わないし、延々と作者の『偏った恋愛観』を読まされるのはホント苦痛でした。長過ぎ。
キャラクターもまあまあ面白いけど、秋庭と真奈以外に登場するキャラクター(ノブオ)の幼稚さったら、これも読み進めるうちに苦痛になりました。
ノブオは中3って設定ですが、完全に言動が小学生でした…
2人の恋愛の世界にどっぷり浸かるんではなく、もっと塩害によるパニックとかそのパニックの中でも支え合う人々など、もっと周囲に話を広げてくれたら最後まで読めたけど。
そんな訳で、購入したけど初めて途中で投げ出した作品です。
設定に無理がある
タイトルが面白そうで購入したが内容が全体的に薄く、何も心に響かない。
設定がめちゃくちゃでもう少し科学的根拠に基づいた方が良いと思った。
登場人物が秋庭以外行動や会話、考え方が幼稚で小中学生のやり取りにしか見えない。途中でやめてしまったので、もしかしたら後半にもう少しまともな人物が出てきたのかもしれないが…
流しながら読み進めたものの、自衛隊が出てきてから軍事マニアが武装してはしゃいでいるようにしか見えず、最後まで読めなかった。