池上彰のレビュー一覧
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池上彰氏が東工大で主催する講義の内容のオムニバス。講義の趣旨としては「現代社会を理解するには、その少し前に起こった事を理解することが大切であり、歴史に苦手意識の多い理系の学生にその視点を与える」というもの。本書はその中でも日本に関わる問題が中心。解説されるトピックスとしては、憲法9条問題、日韓関係、沖縄の基地問題、日米安保の問題、原発とエネルギーなど、まさに今ニュースとして取り上げられている問題です。解説の分かりやすさはさすが。知っているようで、実はあまり理解できてなかったような部分の説明が、まさに「痒い所に手が届く」感じで展開されます。
しかし私が驚いたのは、池上氏も本書で触れられていますが -
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国民年金未納者が10人に4人。所得が低く猶予されている者も含めれば未納率は6割。止まらない少子高齢化。無年金者が増えれば生活保護費が増え国家財政にも多大な影響を及ぼす。年金の受給年齢の引き上げ。世代間の支え合いから世代内での支え合い。再分配機能の強化に伴う課題。健全な競争と充実した社会福祉の両立。決断するにあたって、考察の条件が様々提示される。答えはない。今後、どうしていくべきかは、示された条件を基に自ら考えることになっている。東京オリンピック、アベノミクス、賃金格差、憲法改正、エネルギー問題など、今、旬のテーマについて、じっくり考察を深めることができた。
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人気シリーズ第4弾。今回も、興味のある箇所を抜粋。
・かつてはアメリカとソ連が圧倒的な力を持っていたが、東西冷戦が終わり、多極化の過程では、どの国も勢力圏の拡大戦争へ。
・アメリカ連邦議会は上院と下院から成り立つ。上院は100名、人口に関係なく50の州から2人ずつが選出される。各州の代表である上院議員が強い力を持っている。下院は435人。議席は州の人口に応じて配分。上院は民主党が多く次に共和党、下院はその逆。ねじれ議会。
・日本は日本銀行総裁の人事には衆参両院の合意が必要だが、アメリカはFRB(アメリカの中央銀行(の議長も最高裁判所の裁判官も上院のみの承諾で決まる。
・アメリカは長官になるには -
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・FTA…シンガポール、メキシコ、タイ、チリ、インドネシアと締結。サーモンが安くなったのも、チリ産が多い。FTAの恩恵。
・群馬県はこんにゃく芋の生産地。福田赳夫、中曽根康弘、小渕恵三、福田康夫、という4人の総理大臣を排出。日本一総理の多い県。
・ガラパゴス…日本は1億2700万人という人口があるがゆえに、国内向けでもある程度やっていける。国内で高性能になりすぎ、海外では通用しなくなること。南洋の孤島がであるゆえに動物が独自の進化を遂げたガラパゴス諸島になぞらえて揶揄している。
・橋本龍太郎元首相が断行した日本版金融ビッグバン…銀行、保険、証券の垣根を取り去り、他業種からの参入も認めた。国際競 -
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ネタバレ実親が養育できない子供は社会が育てる。これが「社会的擁護」という思想です。養護施設の上限年齢を22歳に引き上げれば犯罪率や生活困窮者を防ぎ善き納税者として成長を社会が見守る体制を作っていくことが未来の日本を明るくする一つの提案。今日本では6人に1人の子どもが貧困状態である中、社会的擁護の問題は我が子だけでなく社会全体で子育てをするという考え方を再検討する立場はさらに必要であり、その子供がいずれは良き市民として社会に帰っていくことを考えなければならない。生産的サイクルを十分理解しなおす政治体制が必要。「子供たちに明るい未来を用意すること。それが大人の責任であり、明るい未来は、大人たちの人生の足元
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児童養護施設の現場から、子どもの貧困についての実態をレポートし、課題と展望を明快にえがくとあるが、前半は児童養護施設の現状と問題点、後半はそこに入らざるを得ない子供の主に家庭環境や親の実態を述べてある。
「多重逆境」や「連続性の喪失」と、施設入居の分析には納得できるし、負の連鎖も痛ましいと理解はできるが、「子供の貧困」という書名とは若干論点がずれており、(養護施設の現場やその改善の話が無意味とは言わないが)池上氏は多忙故か今一つツッコミが足りない感がある。
また、解決策が大学進学(これも大いに進めるべきとは思うが)、支援の目的が納税者を育てるためというのも一面的すぎるのではないだろうか。 -
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「池上彰の憲法入門」
平易にそして中立な立場で書かれており、さすが池上さんだなと思わせる。
よく押しつけられた憲法だと言われるが、日本の学者グループの案も含まれていて、必ずしも押しつけられたとばかりは言えないと言うことがさりげなく書いてある。
確かに、当時の日本政府からみればアメリカ側から憲法案を提示されるなどと言うことは思ってもいなかっただろうし、戦後状況から考えて押しつけられたと感じたのは理解はできる。
憲法改正は、確かに戦後70年も経って時代に合わなくなったという面はあるだろうし、修正するのは必要だろう。そのための十分な議論は必要不可欠だ。
しかし、国家権力側を縛るのが憲法であって、そし -
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ネタバレ国内政治、世界情勢等が池上さんならではの視点でわかりやすく解説された一冊。またも自分の無知を痛感。もっと勉強が必要だ。
・デンマーク消費税25%・・・高い、との不満は聞こえて来ない。教育費、医療費が無料で、老後の心配がいらないから。自転車を利用する人が多い。何故か。自動車登録税は180%。つまり本体価格の3倍になる。「取れるところから税金を取る」方針が徹底。
・内閣支持率・・・調査の多くは有権者に電話をかけてアンケート。偏ったものにならないよう、様々な工夫がされている。テレビ番組での簡易的世論調査はインターネットが多い。新聞社は面接方法、電話方法。どちらも無作為で調査対象を選ぶ。電話方法は今で