池上彰のレビュー一覧
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新聞社は民間の株式会社だから何をやろうと自由。言論・表現・報道の自由があるので、法律に反しない限り、どんなに偏った主張をしてもいい。他方、民間のテレビ局は国民共有の財産である電波を使用し、総務省から放送免許を得て仕事をしている。公平中立の立場でやらなければならないという義務と責任がある。テレビが公平中立でなければならないとは、かなりの勢いで驚きであった。池上氏自身の体験を基に報道がどのように作られるのか、その舞台裏が語られる。驚きの初耳に随所でイメージ修正をさせられた。いつもは冷静でスマート理論派の池上氏が、激情、本音、皮肉を鋭く漏らしている。零れ落ちているといった感じか、結構ウケルし興味をそそられた。
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今の日本や国際情勢などをテレビで視聴者に分かりやすく解説されています著者が、同じように分かりやすく丁寧に日本国憲法について解説してくださっています。日本国憲法とはどういったものなのかについての歴史的な背景や今の議論についても触れられています。読んで良かったと感じたのは、日本国憲法を第一章から全て丁寧に、読者と一緒に読み解いていくスタイルで、憲法について一通り知ることが出来ると思います。またその構成についても俯瞰的にみることができます。そして著者ならでは「わかりやすい」。日本人なら知っておくべき憲法ですが、それを一通り負担なく勉強できると思います。
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池上彰氏が東工大で主催する講義の内容のオムニバス。講義の趣旨としては「現代社会を理解するには、その少し前に起こった事を理解することが大切であり、歴史に苦手意識の多い理系の学生にその視点を与える」というもの。本書はその中でも日本に関わる問題が中心。解説されるトピックスとしては、憲法9条問題、日韓関係、沖縄の基地問題、日米安保の問題、原発とエネルギーなど、まさに今ニュースとして取り上げられている問題です。解説の分かりやすさはさすが。知っているようで、実はあまり理解できてなかったような部分の説明が、まさに「痒い所に手が届く」感じで展開されます。
しかし私が驚いたのは、池上氏も本書で触れられていますが、細川政権や村山政権の誕生や、東西冷戦とその崩壊、天安門事件、地下鉄サリン事件、阪神大震災、9.11テロなど40歳以上の人なら誰でもすぐに思い出せる大きな事件や出来事を、今の大学生より下の世代はほとんど実体験として持っていないという事実。ここ20年ぐらいに、実は現代社会を方向付ける大変重要な出来事がたくさんあったんですね。戦争を体験した方の経験を私たちの年代が受け継ぐのが大切なように、これらの出来事の意味や中身を自分の子供の世代にもちゃんと伝えないといけないな、と感じます。池上氏の受け売りですが、歴史の授業ではどうしても現代史、とくに近い過去の部分は手薄になりがちですものね。 -
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国民年金未納者が10人に4人。所得が低く猶予されている者も含めれば未納率は6割。止まらない少子高齢化。無年金者が増えれば生活保護費が増え国家財政にも多大な影響を及ぼす。年金の受給年齢の引き上げ。世代間の支え合いから世代内での支え合い。再分配機能の強化に伴う課題。健全な競争と充実した社会福祉の両立。決断するにあたって、考察の条件が様々提示される。答えはない。今後、どうしていくべきかは、示された条件を基に自ら考えることになっている。東京オリンピック、アベノミクス、賃金格差、憲法改正、エネルギー問題など、今、旬のテーマについて、じっくり考察を深めることができた。
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人気シリーズ第4弾。今回も、興味のある箇所を抜粋。
・かつてはアメリカとソ連が圧倒的な力を持っていたが、東西冷戦が終わり、多極化の過程では、どの国も勢力圏の拡大戦争へ。
・アメリカ連邦議会は上院と下院から成り立つ。上院は100名、人口に関係なく50の州から2人ずつが選出される。各州の代表である上院議員が強い力を持っている。下院は435人。議席は州の人口に応じて配分。上院は民主党が多く次に共和党、下院はその逆。ねじれ議会。
・日本は日本銀行総裁の人事には衆参両院の合意が必要だが、アメリカはFRB(アメリカの中央銀行(の議長も最高裁判所の裁判官も上院のみの承諾で決まる。
・アメリカは長官になるには一人で答弁できるような専門的知識がないと務まらない。
・アベノミクス3本の矢。
一の矢「金融緩和」…世の中に出るお金の量を増やす。
二の矢「財政出動」…借金をして公共事業をどんどんやる。
三の矢「成長戦略」…新しい成長産業を見つける
・「産業競争力会議」…慶応大教授の竹中平蔵氏、LWの新浪剛史氏、楽天の三木谷浩史氏など9人。
・フランス革命が元で「左翼」「右翼」という言葉が生まれた。議会の席に由来する。
・ 「今の世の中を変えて理想の社会をつくるべき」…左寄り。革新。社会主義。
・「古き良き日本の伝統を復活させよう」…右寄り。
・自民党の中には「憲法は変えないで軍事に関してはアメリカに任せて経済を発展させよう」という吉田茂を中心とした考え方と、「GHQに押し付けられた憲法は改正し、日本の国土は日本自身で守ろう」という憲法改正派の岸信介の流れをくむ政治家がいる。安倍氏は祖父ということもあり後者。 -
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・FTA…シンガポール、メキシコ、タイ、チリ、インドネシアと締結。サーモンが安くなったのも、チリ産が多い。FTAの恩恵。
・群馬県はこんにゃく芋の生産地。福田赳夫、中曽根康弘、小渕恵三、福田康夫、という4人の総理大臣を排出。日本一総理の多い県。
・ガラパゴス…日本は1億2700万人という人口があるがゆえに、国内向けでもある程度やっていける。国内で高性能になりすぎ、海外では通用しなくなること。南洋の孤島がであるゆえに動物が独自の進化を遂げたガラパゴス諸島になぞらえて揶揄している。
・橋本龍太郎元首相が断行した日本版金融ビッグバン…銀行、保険、証券の垣根を取り去り、他業種からの参入も認めた。国際競争に打つ勝つ体力をつけさせようとした。
・1990年太陽神戸と三井が、96年には東京都三菱が…と合併が続いた。バブル崩壊以降から2006年まで続いた業界再編の結果、三井住友、三菱東京UFJ、みずほの三大メガバンクが誕生。
・モラトリアム…借金を抱える中小企業や個人の住宅ローンの返済を猶予し、金利の支払いの一部も猶予する。亀井静香金融大臣が推進。
・スウェーデンは高社会福祉の国。自動車メーカーサーブを助けなかった。企業の救済はしないけど、個人は社会福祉政策で助けた。
・レアアース…先端技術になくてはならない、ハイブリット車や家電製品、パソコン、カメラなどで利用。生産量9割が中国。放射性物質が放出されるため、周辺の環境が汚染される。
・BOP…ベースオブザピラミッド。ピラミッドの下の層が巨大なマーケットとなる。
・自動車ブランドランキング信頼性一位はビュイック、2位はレクサス、本田、トヨタもアウディやBMW抜いて10位に入っている。
・第一次世界大戦のときは日本製品は「安かろう悪かろう」と言われていた。日本シャツもボタンが糊付けだったり。
・日本の人口…2005年を境に減少に転じる。5人に一人は65歳以上。
・日本の借金…900兆円。日本国債の95%は国内投資家が保有している。個人が持っているお金をひっくるめると1400兆円。
・いい質問からいい答えが出る・・・欠落したジグゾーパズルのワンピースを見つけて知りたいと思う。そういう思考回路が習慣として定着すると知識欲と理解の好循環が生まれる。
・事象Aを感想A’で終わらせるのではなく、足りないパズルのピースを見つけ、いい質問ができる人になる。 -
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ネタバレ実親が養育できない子供は社会が育てる。これが「社会的擁護」という思想です。養護施設の上限年齢を22歳に引き上げれば犯罪率や生活困窮者を防ぎ善き納税者として成長を社会が見守る体制を作っていくことが未来の日本を明るくする一つの提案。今日本では6人に1人の子どもが貧困状態である中、社会的擁護の問題は我が子だけでなく社会全体で子育てをするという考え方を再検討する立場はさらに必要であり、その子供がいずれは良き市民として社会に帰っていくことを考えなければならない。生産的サイクルを十分理解しなおす政治体制が必要。「子供たちに明るい未来を用意すること。それが大人の責任であり、明るい未来は、大人たちの人生の足元も照らしてくれるのです」複数の困難が重なっている状況を意味する。こうした子供は多重逆境と言います
また、貧困と児童虐待は強い相関関係にある。 -
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児童養護施設の現場から、子どもの貧困についての実態をレポートし、課題と展望を明快にえがくとあるが、前半は児童養護施設の現状と問題点、後半はそこに入らざるを得ない子供の主に家庭環境や親の実態を述べてある。
「多重逆境」や「連続性の喪失」と、施設入居の分析には納得できるし、負の連鎖も痛ましいと理解はできるが、「子供の貧困」という書名とは若干論点がずれており、(養護施設の現場やその改善の話が無意味とは言わないが)池上氏は多忙故か今一つツッコミが足りない感がある。
また、解決策が大学進学(これも大いに進めるべきとは思うが)、支援の目的が納税者を育てるためというのも一面的すぎるのではないだろうか。 -
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「池上彰の憲法入門」
平易にそして中立な立場で書かれており、さすが池上さんだなと思わせる。
よく押しつけられた憲法だと言われるが、日本の学者グループの案も含まれていて、必ずしも押しつけられたとばかりは言えないと言うことがさりげなく書いてある。
確かに、当時の日本政府からみればアメリカ側から憲法案を提示されるなどと言うことは思ってもいなかっただろうし、戦後状況から考えて押しつけられたと感じたのは理解はできる。
憲法改正は、確かに戦後70年も経って時代に合わなくなったという面はあるだろうし、修正するのは必要だろう。そのための十分な議論は必要不可欠だ。
しかし、国家権力側を縛るのが憲法であって、そして守られなければ意味がない。最高裁はもう少ししっかりして欲しい。
自民党の憲法改正法案がこの立憲主義を理解していないと批判されるのもよくわかる。
いずれにしても今の日本が大きな転換点にあることは事実だと思うので十分な議論が必要だろう。
そういえば、学校で社会の時間に習ったときは国民には「勤労の権利と義務がある」と教わったが、勤労の義務についてはあまり言われないのはなぜだろうか。ちょっと気になる。