池上彰のレビュー一覧
-
-
Posted by ブクログ
ネタバレ2014年の36冊目です。
世界は変化し続けているということを、改めて感じさせる読書でした。
マスコミ等を通じてインプットされている日本や世界に関する情報を基にした認識は、固定化というか陳腐化してしまうのだと改めて思いました。例えば、ブータンでは、国民総幸福量(GNH)を国内総生産(GDP)に替わる指標として「幸せの国」を目指して進んでいると思ったいましたが、社会問題への不満が大きくなり選挙で政権交代が起こっています。国民が皆幸せに暮らしているというイメージしか持って(持たされて)いませんでしたから驚きです。
そういえば、経済危機に陥ったキプロスは、南と北にトルコ系とギリシャ系住民に分断されて -
Posted by ブクログ
ネタバレ日銀とは何かを分かりやすくまとめた本。
金融とは何か、そもそも紙幣とは何か
その中での日銀の役割とは。
そしてプラザ合意からリーマンまでの流れで
日銀が何をやってきたのかなどが実に分かりやすく
書かれている。さすが池上さん
メモ)
・日本の紙幣は日銀が発行、貨幣は政府が発行
・紙幣は金融を通して日銀に戻り、傷んだ紙幣は交換
・紙幣はもともと預かり証だった。金と交換
・地方で乱立した銀行。破たんした場合に紙くずになってしまうのを防ぐために国の銀行、つまり中央の銀行が設立
・国債の売買で金利を制御(売り・買いオペレーション)
・世界金融危機で日銀は異例のCP購入を実施
(CP・・・大企業の社 -
Posted by ブクログ
「パート1」が東西冷戦構造とその終結を中心に解説していたのに対して、「パート2」は冷戦後の大きな事件、同時多発テロの背景となるアフガニスタン、イラクを取り上げている。
それぞれのトピックで簡潔な分かりやすい説明ながら、多数の参考文献を基に書かれているので読み応えがある。歴史の教科書には触れられることのないエピソードも多く含まれとても参考になった。
本書で言及されているように、強権的な力の制圧ではなく、寛容な政策が解決へ向かう一番の近道のようなのに、シリア、ウクライナ問題のように力による支配が今でも至る所で繰り返されているのが何ともやるせない。 -
Posted by ブクログ
世界事情から見る日本の抱える課題について、氏一流のわかりやすいかいつまみ型で説明する本。確かにものすごくわかりやすい。ただ、本来はものすごく複雑な課題ばかりで、著者自信も相当の取材をされているはず。それをかいつまみ過ぎて、上っ面を撫でてもいない、ということになりはせんかといらぬ心配も。第1段階で、まずは興味を持ってもらい、それから次の複雑な次元へといざなう、という姿勢はすばらしいと思う。その一方で、先生なりにもう少し複雑、専門化した説明の仕方で、同問題を説く本であって良いと思う。新刊を乱発されている傾向があるが、どれも似たりよったりの切り口に見えてならない。深く突っ込んだ専門書的書に期待した