池上彰のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
池上さんの本ですから面白かったのは当然ですが,たとえばアメリカ,中国,朝鮮半島などをフィーチャーした「そうだったのか!」シリーズなどと比べると,内容の濃さという点においてはやや不満の残る一冊でした。若干の誤植など,編集・構成の荒さも感じました(池上本には珍しいと思います)。
とはいえ,特にウクライナ問題や今後のアジア戦略などは,他の本(著者)ではなかなか味わえないような極めてわかりやすい解説が展開されています。
特にウクライナ問題については,ロシアや欧州の地政学や歴史をしっかり理解している池上さんならではの「スーパー解説」が展開されています。これ以上わかりやすいウクライナに関する解説はこの世に存在しないのでは?
池上さんは,表紙裏(と本文)に書いています。
「安倍首相とプーチン大統領の相性はばっちりです。しかも,絶対的な独裁者プーチンが日本に北方領土を還すのだと言えば,誰も反対できません。(中略)この2人がトップのときこそ北方領土が還ってくるチャンスなのです。」
本書を読めばその理由がおおよそわかりますが,欲を言うならば,なぜ安倍さんとプーチンがそれほど「馬が合う」のか・・・そのあたりに踏み込んでもらえると,なお良かったと思います。 -
Posted by ブクログ
池上さんの解説文言自体は分かりやすかった!
ただ、視覚的にもうすこし分かりやすければ・・と残念感あり。
単に日本国憲法で記されている文言を分りやすく解説してるだけでなく、日本国憲法から日本の歴史や事情が読み取れたり、日本国憲法がらみのニュースがまとめて把握できた。
また、北朝鮮、中国、の憲法も紹介されており、憲法が国民の努力によって守り抜かなければ、意味のないお飾りになってしまい、対外からも不信という厳しい評価を得ることにしかならない。そして何より、当たり前であることが当たり前でなくなってしまう怖さを感じた。
アメリカの憲法は、時代背景に伴い改憲がなされており長い歴史を感じた。
さて、日本国憲法はこれから先、どうなるのだろう?!
もっといろんなことを知り、国民の一人として考え、今後あるかもしれない国民投票に参加したいと思う。 -
Posted by ブクログ
忘れもしない2011年。
日本中が未曾有の災害に恐怖し、今なお、その影響は続いている。
人と人とのつながりを再確認した一方で信じていた世界が一夜にして崩壊した。
そこから我々はどう立ち直っていくか。
そして、立ち直るために解決しなければならない問題は何か。
答えのない、しかし暫定的であっても答えを出さなければならない。
TPP交渉は依然難航している。
良い点、悪い点が当然あるわけだが、「参加しない」という選択肢は、現実的ではない。
しかし、懸念されるのは国内産業の保護だ。
安い商品がたくさん入ってきたら、国内の産業は衰退してしまうのではないか......。
著者はそこにそもそもの考えの間違いがあると指摘する。
そんなに日本の産業は国際競争力がないのか、信用がないのか?
いつまでもガラパゴスではいられない。
この指摘に私もハッとした。
多少高くても、国産を買うだろうな、と。
国産牛肉は無理でも、国産豚肉、鶏肉を買うだろう。
たまにはスペインやカナダ、アメリカ産を買うかもしれないが、きっと信頼している国内産を買うだろう、と。
消費税増税についても著者は切り込む。
もはや日本には借金を返せるだけの余力がない。
だとしたら、税金を上げるしかない。
私もそれは仕方のないことだと思う。
確かに出費は痛い。
だが、そうしなければいつ日本が終焉の時を迎えるかわかったものではない。
政治家も、官僚も、マスコミも、そして有権者も考えなければいけない。
今がよければ明日はどうなってもいいのか?
地元にハコモノを誘致するだけの政治家でいいのか?
批判するだけの報道姿勢でいいのか?
それがわからないほど、あなたたちは、私は、そんなに愚かなのか?
著者の意見に全て賛同できるわけではない。
ただ、本書から伝わってくるのは、本当にこの人は「愛国心」のある人なのだ、ということ。
国旗や国歌をやたらと掲揚、斉唱し、他国を批判することが「愛国心」ではない。
この国を良くするために、未来に繋ぐために何ができるのか、何をしなければならないのか、何を伝えなければいけないのか、それを考え実践することが真の「愛国心」だ。
著者がたくさんの番組に出演するのはそういうわけなのだろう。
自分一人じゃ変わらない、ではなく、自分一人から変わっていく、それがこれからの日本に必要なことなのだ。 -
Posted by ブクログ
児童養護施設という施設がどういうモノで何をしているのかがよく分かる。
この本と同時進行で「最貧困女子」鈴木大介 著を読んでいたので、子どもの貧困は根が深い上に、親の貧困などいろいろな問題が複雑に関わっていることを思い知らされる。
現実を把握してから、支援策はそれを受ける側が何を望んでいるのかを知ったうえで考えることが必要だろうと思った。
貧困を断ち切る方法として、「教育」の存在は大きいと改めて感じた。
高齢者社会だが、もっとひとり親や貧困層への支援策には予算が割かれてもよいのではないだろうか。
"「貧乏」と「貧困」は違う。”
このことは知っておきたい。