池上彰のレビュー一覧
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ネタバレ「<わかりやすさ>の勉強法」というタイトルですが、「<わかりやすさ>の解説法」も含まれています。つまり、池上さんにとって、勉強の目的は、解説するためであり、わかりやすく解説するためには、解説することを、しっかり理解していることが必要と言うことでしょう。
しっかり理解するためには、その現象を断片的に知っているだけでは不十分です。その現象が起きる文脈、歴史的な背景を知らなりません。歴史の勉強は、起源から始めますが、もしかしたら、現象の理由を遡るような勉強方法の方が、しっかり理解するためには良いのかもしれません。
そして、少ない労力で、現象を理解するためには、池上さんのような名解説者の本を読む -
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現在も新聞やニュースなどで見かけることが多い6つの話題を中立的な立場で解説する。
独自の見解が多くなりがちと思われる複雑な背景を中立的な立場で説明する技能は、さすがジャーナリストと思った。
著者の学歴を拝見すると、経済が専門であるように思われるが、6つの話題は経済だけでなく、宗教問題であったり、科学技術の問題であったりと多岐に渡る。
いわゆる「オトナ」の世界では常識なのかもしれないが、人に説明できるまで原発などの科学技術を理解しているのは凄いと感じた。
また、救世主と思っていた国連も、大国の利害関係によっては見て見ぬふりをするという国際政治の冷たさも初めて知った。 -
Posted by ブクログ
イスラムやその教義について詳しく紹介する本は数多くあるけれど、この本は子どもにも理解できるよう、そもそも宗教はなんのために存在しているのか、という日本人には一番理解の不足するところから、わかりやすく説明しています。また、イスラム教の歴史からいきなりスタートするのではなく、ユダヤ教、キリスト教と歴史的背景を繋ぎ、またそれら宗教と違いを説明する形で、最後には日本人にとって文化・慣習となりつつある仏教・神道を、宗教という観点で解説。併せて、途中で「イスラム」が誤解のある連想を生む背景にもある、中東和平問題やアフガニスタンの歴史についても簡単に要点をまとめてくれていて、地域問題への入門書にもよいと思い
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Posted by ブクログ
ネタバレ解説に定評ある池上さんですが、この本では比叡山の大阿闍梨である酒井さんとの問答のような形で、人生における様々なテーマについて意見をやり取りしています。明確な答えが提示されているわけではないので、何か具体的な答えを求めて読むというより、考え方のヒントを分けてもらう、ぐらいの心構えで向き合うのが、この本との正しい付き合い方でしょう。
池上さんが最後に簡単にまとめている通り、人生の苦労を重ね、酸いも甘いもかみ分けた人であれば、この本を通じて響く言葉はとても多いのだと思います。でも、この本をさらっと読み終えてしまえるからといって、人生が浅いという訳でもないでしょう。きっと、その時々で受ける印象や、心