藤原正彦のレビュー一覧
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この本は、もしくはこの本の前の?国家の品格は、なんとなく避けていた部分があった。
なぜかというと、なんだか日本とか国とかを熱く語って外国排除を高く掲げていて、思想的な偏りがすごいんだろうな(だから読んだらうんざりするんだろうな)と。そして、今回この本を読んでみると、何が正しいのか分からなくなってしまったという意味で、視点が一つ増えたと思う。
南京事件のこととか、頭から「日本が南京で虐殺を行ったのは歴史上の事実であり、戦時中とはいえ日本はしてはいけないことをしてしまった」と認識していたので、それが捏造の可能性(あえて可能性と書く)があるなんてそうなの!?ってビックリでした。もっと本を読まなくちゃ -
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本書は3つのパートで構成されています。第1部は、国語教育の重要性を語ったエッセイ。第2部は、著者の日常を描いた肩の凝らないエッセイ。第3部は、著者の出身地である旧満州の新京(現・長春)を訪れた際の紀行文となっています。
国語教育の重要性の指摘の背後にあるのは、祖国愛という視座を欠いたどのような言説も行為も無意味であるという強い思いといってよいでしょう。著者は、ナショナリズムを「国益主義」、パトリオティズムを「祖国愛」と訳し、前者は必要悪であり、後者はどの国の国民にとっても絶対に不可欠だとする主張を展開しています。
第2部は、『朝日新聞』に連載された科学エッセイを多く収めています。著者が3人 -
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ネタバレ【156冊目】ケンブリッジにいる間に読んでおかなければと思って読んだ本。期待したとおり、イギリスの文化・歴史に対する豊富な知識と、日米との比較が非常に勉強になった。
>オックスフォードは世界が自分のものであるかのように振る舞うが、ケンブリッジは世界が誰のものであってもかまわないというように振る舞う。
……こういうところ、結構大好きです。ちなみに体感では、ケンブリッジ生はToryよりもLabour支持派の方が多い気がする。
>数学に限らず、イギリスでは一般に、抽象的で論理的な議論はフランス人のもの、と不信感さえ持てれてきた。だから哲学において、形而上学はイギリスでは育たなかった。自ら経験した -
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■祖国
A.「個性の尊重」により子供を甘やかした結果、我慢力不足を招いた。我慢力不足は読書離れにつながり、読書離れは国民の知力崩壊を惹起し、国家を衰退させる。個性の尊重などという美辞に酔いしれている限り、この国の将来は覚束ない。
B.日本では英語の「ナショナリズム」(国益主義)、「パトリオティズム」(祖国愛)を、「愛国心」という1 つの言葉でくくってきた。その結果、愛国心の掛け声で戦争に狂奔し、戦後は一転、愛国心は軍国主義の生みの親と捨てられた。今、日本が抱える困難の大半は、祖国愛の欠如による。祖国愛と国益主義を峻別し、子供に祖国愛を育むことが国家再生の急所である。