藤原正彦のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
■祖国
A.「個性の尊重」により子供を甘やかした結果、我慢力不足を招いた。我慢力不足は読書離れにつながり、読書離れは国民の知力崩壊を惹起し、国家を衰退させる。個性の尊重などという美辞に酔いしれている限り、この国の将来は覚束ない。
B.日本では英語の「ナショナリズム」(国益主義)、「パトリオティズム」(祖国愛)を、「愛国心」という1 つの言葉でくくってきた。その結果、愛国心の掛け声で戦争に狂奔し、戦後は一転、愛国心は軍国主義の生みの親と捨てられた。今、日本が抱える困難の大半は、祖国愛の欠如による。祖国愛と国益主義を峻別し、子供に祖国愛を育むことが国家再生の急所である。 -
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Posted by ブクログ
極めて個人的な感覚だが、藤原正彦氏の物言いはあまり好きではない。理由は特にない。本当に感覚的な部分で自分とは合わないのだ。
しかし、それでも本書の中で藤原氏が例に出す日本語には美しいものが多くて心を打たれた。
逆に安野光雅氏は、人柄は知らなかったが、氏の描く絵が好きで勝手に好感を持っていた。
だから、本書の中で安野氏が例に出す日本語には「さすが安野さん」という感じで大いに納得してしまうものが多かった。
あまり好きでない藤原氏と、好感を持っていた安野氏が師弟(安野氏が藤原氏の小学校時代の図画工作の先生)というのは驚いたが、結局、美しい日本語は誰が触れても美しく感じるということがよくわかった。 -