藤原正彦のレビュー一覧

  • 名著講義

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    著者が指定する本(主に岩波文庫)を題材に学生たちとディスカッションしていく様子をまとめた本です。
    著者の数学者としての活動についてはわからないのですが、知識量と言葉の選び方に関しては素晴らしいと思いました。
    また、学生たちの純粋な疑問や感想も新鮮さが溢れており、この本自体に堅苦しさをなくす効果が出ているようです。

    ただ一つ気になるのは、何かに付けて「かつての日本人は素晴らしかった。それに比べて今の日本人は…」のような話の展開に持っていこうとするのが残念でした。
    日本が西欧の自由主義を積極的に取り入れたせいで、日本人はだめになった(もしくはだめになりつつある)と述べていますが、西欧というのも幅

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    2019年10月17日
  • 祖国とは国語

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    この本は三部構成でなっており、著者が様々な本で展開している持論がメインである”国語教育絶対論”、ショートエッセイ集の”いじわるにも程がある”、母親でもある藤原ていさんと家族で中国を訪れた際の”満州再訪記”からなる。

    どの文章にも時折ユーモアが含まれていて、小気味よく読み進めていくことができる。

    ””藤原正彦いわく、ユーモアは”理屈一本ではないことを示すため、または進まないための自己抑制のため”に必要なこと””

    国語教育絶対論では、期待していた国語の必要性のさらなる理解をまた一歩進めることができたとは思うが、再度頭の中で整理はしていきたい。人に説明できるくらいには。

    満州再訪記も読みごた

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    2019年10月13日
  • 世にも美しい数学入門

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    「博士の愛した数式」で知った小川洋子と藤原正彦の共著とみて思わず手に取った一冊。博士の愛した数式同様、数学に精通していなくとも数学の美しさをほんの少し感じられる内容だった。数学はヨーロッパのものと思っていたけど、日本人の美的感覚やアジア民の寛容性(ゼロの発見)も数学に貢献していることを知って、なんだか鼻タカな気持ちになった。数学は役に立たないから面白い。数学は得意じゃないけど好きだから少しでも面白さを理解できるように一生勉強したいと改めて思った。

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    2019年07月23日
  • 日本人の誇り

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    現代の価値観で過去をはかって計ってはいかんな。
    日本近現代史における戦争を考える際、ペリー来航の1853年から米軍の占領が公式に終わるサンフランシスコ講和条約発効の1952年までを百年戦争とする。
    四隻の黒船から、日本が曲がりなりにも自力で歩き始めるまでを百年戦争とみる、か。
    しかし、拗らせ始めたのは日露戦争後ではなかろうか。
    日本は平安時代には350年、江戸時代には250年間の完全平和を貫くという偉業をなしている。
    戦争は決して褒められたものではないが、日本の百年戦争によって、アジアを食い物にしてきた白人勢力に小さな島国日本が果敢に立ち向かう勇姿を見て近隣アジア諸国は奮い立ったのも事実。

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    2019年07月13日
  • 日本人の誇り

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    歴史的背景をよく捉えた一冊だと思います。
    いまの歴史の教育からは絶対に読み取れないことがいろいろ書かれています。何処まで何を信じるかは自分で考えないと意味がない。

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    2019年06月12日
  • 国家と教養(新潮新書)

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    「もっとしっかり勉強しなければならない」「もっとたくさんの本を読まなければならない」そう思わせてくれる本でした。
    そして何より日本人であることを誇りに思えるように、恥ずかしくないように、しなければならないと思いました。

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    2019年06月04日
  • 国家と教養(新潮新書)

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    ネタバレ

    経済上の変化が、不思議といおうか、当然といおうか、人の優しさ、おだやかさ、思いやり、卑怯を憎む心、献身、他者への深い共感、と日本を日本たらしめてできた誇るべき情緒までをも蝕み始めたのです
    イギリス人には他人と違うことはかっこいいと言う文化があります
    読書を通じ、古今東西の賢人や哲人や文人の言葉に耳を傾けることができます

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    2019年06月03日
  • 国家と教養(新潮新書)

    購入済み

    本を読まないと獣になる

    読書好きになる秘訣が満載。
    作者は、比喩がうまい。(僕は餃子と豆大福が好きだ。食べなくても生きていける。しかし、これを口にせず、死んでいくのは気の毒だ」同様に、読書をせずに死ぬのは気の毒だ」と。あるいは、もっと辛辣だが、作者の祖父は「1日に1ページも読まない人間は獣だ」t。

    ユーモア精神はイギリスで有名だが、日本にも歴としてある。そのために、日本の古典を読みたい。

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    2019年06月02日
  • 管見妄語 大いなる暗愚

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    正直に大好きだ、作者の文が。女性の小さな好意にドギマギする一方で、凛と揺らがぬ意見。抜群のユーモアに骨太で弱者の側に立った義の意見が含まれていて、文章にどこまでも引き込まれる。管見妄語という皮肉のタイトルも内容とは逆だ。世間の妄語を見抜く見識の重要さを柔らかく手に入れられる。週刊新潮を定期購入しておけばよかったと後悔した。

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    2019年04月13日
  • 若き数学者のアメリカ

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    タイトル通り、お若かったんですね(笑)という感じ。全体に勢いがあって、学問と新しい環境への情熱が感じられる。

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    2019年03月07日
  • 国家と教養(新潮新書)

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    民主主義は成熟した国民がいてはじめて成り立つ。ポピュリズムは選挙を経て国民から選ばれたという前提が成り立つために、独裁政権よりもたちが悪いと思ってしまう。

    いつの時代も教養のあるもの申す市民は権力者に嫌われるものかもしれません。本を読み考えて行動するひとが増えることは、政治や経済を他人任せにしないで、自分達の足で立って考えるきっかけになるのではないでしょうか。

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    2019年02月18日
  • 国家と教養(新潮新書)

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    教養は、世の中の一過性の流行や言動に流される事なく、自分としての意見を持ち正しい判断へと導くもなのだと痛感。少々書く内容に偏りがあるが納得できる所も多い。

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    2019年02月10日
  • 日本人の誇り

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    前作の「国家の品格」に比べて右寄りの内容だが、感情的ではなく正論。テレビや新聞ではメディア操作により、「反安倍内閣」「安保関連法案反対」思想を押し付けられているが、公平な報道を求めたい。藤原氏の言わんとしていることは自虐的歴史観の脱却であり、広い視野で考えることが大切と思われる。

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    2019年01月31日
  • 世にも美しい数学入門

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    数学は難しいというイメージですが、話を聞いていると(読んでいると)、数学者が数学に魅了される気持ちはよく分かります。
    自分にはやはり難しい世界ですが、美しいというのは理解できたと思う。

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    2019年01月06日
  • 藤原正彦、美子のぶらり歴史散歩

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    美子さんとのやり取りが秀逸。男尊女卑なことを言っても、美子さんがさらっと反撃しているので、仲が良いのだなとにこやかになる。

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    2019年01月06日
  • 管見妄語 できすぎた話(新潮文庫)

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    旧時代的?と思ったり、なるほどなと納得したり。
    今の時代の「自分を大事に」な雰囲気とどうミックスされれば世界は上手くいくのだろうと感じる。

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    2019年01月06日
  • 祖国とは国語

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    2018年の読み収めの一冊。

    書いてあることは、言葉が悪いけど「オヤジの愚痴」みたいな感じでした。
    でもその愚痴は一理ある。だが「愚痴」という少し敵意ある言葉になるのは、「そんな問題、うまく解けねぇよ」言ってしまうような問題に対しての作者の考えがまとめられた本だったからでした。

    きっと作者は、取り上げた問題が「難題」であることが分かってたから、愚痴のような攻撃的な言葉を書いていたんだと思います。
    後半のエッセイ集で、そういったどうしようもならない世界に、文句(という言葉が適切ではないかもしれないけど)を垂れて立ち向かう、僕たちと何ら変わりのないおじさんの横顔が見えてきました。

    2019年

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    2018年12月31日
  • 父の威厳 数学者の意地

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    反骨精神で世の中のあらゆる問題に立ち向かい、武士道精神を熱く語り、家族からは頑迷さをあきれられる著者自身の姿を、ユーモアで包み込んで語っているエッセイです。また、著者の両親である新田次郎、藤原てい夫妻のエピソードも多く語られています。

    『国家の品格』(新潮新書)で語られる著者のナショナリズムには賛同できない読者でも、エッセイストとしての著者の力量はなかなか否定できないのではないでしょうか。

    とくに、検便を強制する小学校に対する著者たち一家の戦いを描いた「苦い勝利」と題された一編は圧巻です。噴き出したり、目頭が熱くなったりと、たいへんでした。

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    2018年12月21日
  • 世にも美しい日本語入門

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    藤原さんの国語教育重視の考え方に賛同しているワタシ。今回は久しぶりにその流れの一冊を。
    藤原さんの小学校の恩師(!)である安野さんとの対談形式で進むこの本のいいところは、「今の若いもんは…」的な嘆き調になっていないこと。だから、読んでいて反発を覚えるどころか、やっぱり日本人としては日本語を誇り、日本語、しかも文語を読まなきゃ、という気にさせてくれる。
    内田樹さんも指摘している通り、母語のほかに英語をマスターしないと職につけないなどという状況もなく、日本語さえ使えれば何とかなってしまう。この環境に感謝しつつ、文語にも目を向けることにしよう。

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    2018年11月18日
  • 祖国とは国語

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    2000年から2003年にかけて新聞や文芸誌に書いた
    エッセイをまとめた一冊。
    毎回思うが、藤原さんは本当に文章がうまい。

    本書は「国語教育絶対論」「いじわるにも程がある」
    「満州再訪記」の三部構成。

    「国語教育絶対論」は、まさにその通り!激しく
    同感の内容。

     "小学校における教科間の重要度は、一に国語、
     二に国語、三、四がなくて五に算数、あとは
     十以下なのである。"

    この時点で藤原さんが憂慮していて事態は、さらに
    悪化している気がする。

    「いじわるにも程がある」は、「国語…」からガラッと
    変わって家族を登場させたユーモアたっぷりの

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    2018年11月18日